コンテンツマーケティングの賢い進め方

コンテンツマーケティングを始めよう(第1回)

コンテンツマーケティングの賢い進め方

書籍「コンテンツマーケティングの教科書」(2016年4月発行)の内容を、各章ごとの連載記事にして当サイトへ掲載しています。この章では、基本となるコンテンツマーケティングの定義をしながら、最終的な目標に向けてどう進めていけばよいか、コンテンツを有効活用する方法を初〜中級者向けに解説しています。

買い手に合わせてコンテンツを提供しているか

 コンテンツマーケティングは、「買い手の状態に合わせ、有益で価値の高いコンテンツを提供し、ニーズの喚起・熟成、購入意欲を促すこと」です。

 企業側が自社の伝えたいことをコンテンツにして、一方的に伝えても意味がありません。コンテンツの価値を判断するのは読者である買い手です。企業側が「買い手が情報を探索している段階で必要なコンテンツはこれだ」と考えてコンテンツを提供しても、必ずしも買い手がそう感じるとは限りません。

 コンテンツマーケティングが進まない原因の1つは、「買い手の購買行動プロセスに沿って最適なコンテンツを提供できていない」ことです。

マーケティングの本質は売上への貢献

 コンテンツマーケティングが注目される前までは、カタログや広告やWebサイトなどのコンテンツは、売り手のマーケティング予算やスケジュールに応じ、いわば場当たり的に制作・提供されていた部分があります。例えば「新商品が出るから広告とカタログを用意しよう」「セミナーがあるからリーフレットを作ろう」といった具合です。

 しかし、マーケティングの本質を見失ってはいけません。マーケティングの目的は本来、事業の売上や受注に貢献することです。

 これまではマーケティング施策が売上や受注にどれだけ貢献したか正確に分析することは難しく、マーケティング部門は成果を測れないまま、決まった施策の実行を繰り返してきました。

 こうした状況を一変したのが、デジタルマーケティングです。数値で効果が測れるようになって初めて、マーケティング施策単体の成果が問われるようになったのです。コンテンツマーケティングを行う際も、最終的には売上や受注への貢献度が重要になります。

 つまりコンテンツマーケティングは購買行動プロセスに沿ってコンテンツを提示することだけではなく、マーケティング成果をあげるためにコンテンツを活用することが最終目標になります。そして、目標を達成するのに最適なターゲットに対し、最適なコンテンツを最適なタイミングで提供することが、コンテンツマーケティングの肝なのです。

買い手の状況によって欲しい情報は異なる

 では購買行動プロセスの各段階で、最適なコンテンツとはどういうものなのでしょうか。どの段階でどんなコンテンツを提供するかは、商材やビジネスモデル、ターゲット層の特徴によって変わります。同じ業界で同等の規模の企業でも、一方の企業でうまくいったコンテンツマーケティングが、もう一方で成功するとは限りません。

 例えば買い手がITシステムを導入する場合、導入企業一覧を見たい場合もあれば、成功事例をじっくり読みたい場合もあるでしょう。BtoBの場合、同じ会社の中でも立場によって必要な情報が異なります。

買い手がいつ、どんな情報を必要としているか
買い手がいつ、どんな情報を必要としているか

 ニーズが固まって稟議に上げる段階になると、複数の製品を比較検討するための比較表、仕様一覧が必要になります。自社の要件に合わせると購買価格がいくらになるか、シミュレーションできればなおよいでしょう。

 誰がどの段階でどんな情報を欲しがるか事前に分からないからこそ、コンテンツの目的を明確にして戦略的に活用する必要があります。

コンテンツの目的を数値化する

 コンテンツの目的が明確になったら、次は目的を達成するゴールを数値化します。ターゲット層を数多く引き寄せる目的のコンテンツなら、目標とするアクセス数や次のアクションへの誘導率などの数値目標達成がゴールになるでしょう。

 次のように、最終的な目標から逆算して数値化します。

最終目標から逆算して数値化する
最終目標から逆算して数値化する

買い手の行動プロセスに合わせてコンテンツを作る

 では、買い手の購買行動プロセスを考えることは無意味なのかといえば、決してそうではありません。ただし汎用的な購買行動プロセスを基準にするのではなく、顧客ごとの購買行動プロセスを洗い出すことが必要です。

 例えば業務システムのクラウドサービスを提供する企業の場合、クラウドサービスは長期継続を前提としているので、新規顧客を勧誘すると同時に既存顧客にも継続利用を促さなくてはなりません。従ってコンテンツも「未利用の顧客向け」と「既存顧客向け」の2種類が必要になります。

 既存顧客にも、毎月使っているヘビーユーザー、利用が活発でない休眠ユーザー、退会しそうなユーザーなど様々なレベルが存在します。退会しそうなユーザーや休眠ユーザーはメールマガジンに目を通す確率は少ないので、別の接触手段が必要になります。

 こうしてターゲット層をグループ化して行動プロセスを具体化し、それぞれに訴求できるコンテンツ内容やアプローチ方法を検討します。

目的に応じた施策を立案する

 マーケティングの目的が「ユーザーの維持」ならば、開発中の新規機能や便利機能を紹介する、お得なキャンペーン情報に誘導するという戦略が考えられます。コンテンツを効果的に訴求するためには、ターゲット層の現在位置を把握しておく必要があるのです。

 「このフェーズにいる人にこういうコンテンツを提供しよう」と単一的に設計するのではなく、目的に応じた施策を立案しましょう。

顧客の状況に応じた施策に落とし込む
顧客の状況に応じた施策に落とし込む

検証と改善を繰り返すことが大事

 コンテンツマーケティングを進める中で重要なのが、検証の作業です。

 コンテンツマーケティングに取り組む企業の中には、最初の集客に注力するあまり、コンテンツのアクセス数や問い合わせ件数ばかりを重視する傾向にあります。しかしコンテンツの読者がコンテンツをどう評価したのか、目的に合うコンテンツだったのかを総合的に評価する必要があります。

 そこでよく使われる手法が「A/Bテスト」です。A/Bテストとは、複数の選択肢の中からどちらがよいかを選ぶテストです。色やデザイン、記事の書き方などの1部分が違う2パターンのコンテンツを用意し、アクセス数や次のアクションへの誘導率などの結果を確認すれば、読者に訴求しやすいキーワードやデザイン、ストーリーの傾向を把握でき、次の改善につなげられます。

コンテンツマーケティングのプロセス
コンテンツマーケティングのプロセス

第2回「コンテンツの目的と具体案を考える」へ続く)

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