紙とデジタルをうまく組み合わせよう
効果的なコンテンツを作ってみよう(第7回)
デジタルマーケティングの浸透で、PR 誌や会員誌の効果に疑問を持ち紙メディアを廃止する企業もあります。紙メディアは本当に不要なのでしょうか。
紙メディアの持つデメリットとメリット
すでに述べたように、デジタルマーケティングの普及でコンテンツの投資対効果が測りやすくなりました。デジタルならマーケティングのプロジェクトごとに成果が見えやすくなりますし、コンテンツを改善しやすいというメリットがあります。
一方でPR誌や会員誌など紙のメディアは効果が測りにくく、改善のサイクルが中長期になりがちで、コストが掛かります。
しかし紙メディアが不要かというと、決してそうではありません。
例えばWebサイトでオウンドメディアを展開すると同時に、紙のPR誌も発行している企業があります。
この企業では、Webサイトのコンテンツで広いターゲット層に訴求しながら、紙メディアは経営層に向けて制作しているのです。企業の中で決裁権限のある経営層は紙に親しみがある世代も多く、デジタルのコンテンツよりも紙の情報を信頼する傾向があります。
高級感のあるPR誌を経営層に届けることで、決裁権限者に直接リーチするという手法です。
デジタルメディアと紙メディアの特性を、次にまとめてみました。
デジタルメディアと紙メディアの特性
デジタルと紙を組み合わせよう
デジタルか紙か――。二者択一で考えがちですが、カスタマーエクスペリエンスを考えて、デジタルと紙の最適な組み合わせを模索している企業もあります。
紙とAR(拡張現実)を組み合わせた企業の例もあります。紙のカタログにARマーカーを掲載し、スマートフォンでそのマークを読み取ると商品を撮影した動画が始まります。紙の一覧性と動画の情報量の多さを組み合わせたのです。
多くの企業がデジタルに注力しています。しかし顧客の心を本当につかむためには、デジタルと紙の双方の特性を理解して最適な組み合わせ方を見つけ出すことが重要です。
連載 「効果的なコンテンツを作ってみよう」 記事一覧
- 第1回 失敗から学ぶコンテンツ作りのコツ
- 第2回 コンテンツ制作の実務を担う編集チームを立ち上げる
- 第3回 企画立案は「読者目線」で読み手に合わせて作り分け
- 第4回 スムーズな公開のために効率的なスケジュール管理を
- 第5回 読ませるためにはタイトルと構成がカギになる
- 第6回 公開がゴールではない、継続して質と量の向上を
- 第7回 紙とデジタルをうまく組み合わせよう
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