コンテンツの目標設定と効果測定のやり方

コンテンツについて理解しよう(第2回)

コンテンツの目標設定と効果測定のやり方

コンテンツマーケティングの課題の1つに「効果の測り方が分からない」というものがあります。コンテンツの目標設定と効果測定について見ていきましょう。

コンテンツの効果が分からない理由

 コンテンツマーケティングに関する調査で、マーケターが直面する課題として「効果計測ができない」という回答が33%に上ったことを紹介しました(マーケターが直面するコンテンツマーケティングの壁を参照)。

 効果測定ができない理由は2つあります。

① そもそも効果を測るための目標値や基準を設定していない、設定の仕方が分からない

②データ分析のやり方が分からない

 ②については専門のデータ分析者を交えてPDCAサイクルを回す体制を作る必要がありますが、これはむしろプロジェクトマネジメントやチーム作りのうえで考えるべきことです。

 ここでは①の対処法を見ていきましょう。

コンテンツの目標設定は売上へのつなげ方

 コンテンツの目標値の設定方法は、最終ゴールである売上や収益にどうつなげるかを考える必要があります。

 最終ゴールにたどりつくには、ゴールまでの道筋の中で小さな目標を設定しなくてはなりません。登山のとき、頂上にたどりつくまでの道筋を見ながら1日の目標を立てていくのに似ています。

 マーケティングの最終ゴールまでの道筋を顧客視点で描いたものがカスタマージャーニーですが、これは購買にいたるまでの顧客の行動プロセスや心理変化をモデル化したものなので、売り手である企業から見た最終ゴールとは必ずしも一致しません。

 同じプロセスを企業側の視点で描くモデルが、「マーケティングファネル」です。ファネル(じょうご)の図の上の方が大きな入口になっていて、ここで集まった見込み顧客が、最終的に購買する顧客となっていくプロセスを示したものです。

顧客が絞り込まれる様子を表したマーケティングファネル
顧客が絞り込まれる様子を表したマーケティングファネル

ファネルを見ると各フェーズの目標が見える

 ファネルの図を見ると、商品やサービスに対して注意を向けたり興味を持ったりする見込み顧客が「探す、調べる」「他社と比較、検討する」といった段階を踏みながら、最終的に購買にいたる顧客に絞り込まれていくことが分かります。

 このとき購買にいたる客数、受注案件数、売上などの目標をファネルの最終出口の数値として設定すれば、各フェーズで達成すべき目標数値が見えてきます。

最終ゴールと各フェーズごとに達成すべき目標の例
最終ゴールと各フェーズごとに達成すべき目標の例

 このような最終ゴールをKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)、各フェーズの細分化した目標をKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)と呼びます。

数値に置き換えにくい目標の場合

 KGIやKPIを設定しにくい場合もあります。例えばブランディング向上、認知度向上、品質向上のように数値に置き換えにくい目標の場合どうすればよいでしょう。

 このような場合は、何をしたら最終目標が達成されるのかというキーメトリクスを設定します。

 メトリクスとは、数値化しにくい目標を数値化できる要素に分解したもののことです。その中で最も重要な要素がキーメトリクスです。指標がたくさんある中で何がキーメトリクスなのかを洗い出すのは大変なことのようにも思えますが、落ち着いて考えればそれほど難しくはありません。

 例えば品質向上を目指す場合は、品質向上そのものの数値化は難しいですが、「故障や修理に関するクレーム件数や問い合わせ件数を◯%減らす」とすれば数値化できます。

 ブランディングや認知度向上は、「何をもってブランディングや認知度が向上できたと判断できるのか」と考えます。例えばブランディングは「市場からのよい評価」が基準になるので、ブランディング向上の目標数値を「取材記事本数」に設定することができます。

 プレスリリースで取材に結びつけたり、Webサイトやブログの記事で取材を促したりするのなら、それぞれのコンテンツで記者から問い合わせを受けるべき目標値が見えてきます。

 初期はブログやWebサイトの記事更新数、頻度、プレスリリースの送信頻度などをKPIとして設定してもよいでしょう。

目標設定に使える代表的なKPI一覧

 マーケティングを支援するツールであるマーケティングオートメーション(MA)ツールの中には、各ステップで持つべきゴールがあらかじめ設定されているものもあるので、そうしたツールを活用するのもよいでしょう。以下に、目標設定に使える代表的なKPIをあげてみます。

目標設定に使う代表的なKPI
目標設定に使う代表的なKPI

第3回 「コンテンツの効果を最大化する 3つのポイント」へ続く)

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