コンテンツの見せ方や運用を戦略的に考える

コンテンツマーケティングを始めよう(第3回)

コンテンツの見せ方や運用を戦略的に考える

コンテンツマーケティングが従来のマーケティング手法と決定的に異なる点は「商品・サービスの認知から購買までの過程で、コンテンツの見せ方や運用を戦略的に行う」ことです。「コンテンツマーケティングを始めよう」連載の第3回では、コンテンツの役割が従来とは異なることをマーケティング部門がしっかりと認識したうえで、営業部門、PR部門との連携を説いています。

ブログやランディングページを作るだけではダメ

 コンテンツマーケティングのコンサルタントの中には「企業の特徴や専門知識を伝えるために、ブログを始めましょう」「抱えている課題で検索してきたユーザーの興味を引くために、検索キーワードに関連する広告を表示するリスティング広告を出しましょう」「このリスティング広告から、特別に用意したランディングページ(広告などのリンク先となる、商品単体を紹介するページ)に誘導して購買を促しましょう」といった提案をする人もいます。

 ブログや広告、ランディングページは、コンテンツマーケティングの重要な手段ですが、これらの制作=コンテンツマーケティングではありません。

 「ブログを作ったのに効果が出ない」「ブログを書くことの意味が分からない」と悩む場合、そもそもブログやランディングページによる効果設定を事前にしていないことがほとんどです。

 

問い合わせや申し込みにつながっていないことも

 ブログの読者が増えても問い合わせや申し込みが増えていないなら、必要な仕掛けが不足している可能性があります。

 ランディングページから問い合わせや申し込みがないのは、訪問した人のニーズがそこまで固まっていないのかもしれません。

 とにかくコンテンツを作ればよいわけではなく、売上アップなど最終的なゴールに向けて、「どこにどんなコンテンツを掲載し、どう見せれば自然にニーズが醸成されるか」という戦略を考えるべきなのです。

 ブログやランディングページを制作することだけを「コンテンツマーケティング」としている事例もあります。コンテンツを作って、ニーズを持つ潜在顧客を集めるという目的は分かりますが、顧客を集めてからどんなプロセスで購入の意思を決定させるか描かれていなければ、厳密にはコンテンツマーケティングといえません。

 ブログやランディングページを有用なコンテンツにするには、次のような施策が必要です。

ブログやランディングページから商談に結びつけるには
ブログやランディングページから商談に結びつけるには

 場当たり的にコンテンツを制作するのではなく、商談まで熟成させるプロセスの中でコンテンツを戦略的に配置していくことが、コンテンツマーケティングの基本です。

営業部門と連携しよう

 これまで、毎年同じマーケティング施策を繰り返していただけという企業は、コンテンツをマーケティングで戦略的に活用するということを理解しづらいかもしれません。

 なぜなら、コンテンツはマーケティングや営業施策の副次的なツールとして使われることが多かったからです。以前は、展示会なら開催することが最重要課題で、そこで芽生えた来場者の興味や関心を維持するためにコンテンツを使うという発想は主流ではありませんでした。

 これに対しコンテンツマーケティングは、売上アップに貢献するために、コンテンツを戦略的に活用して購入希望者の興味と関心を維持しつつ、自然とニーズが熟成するように促すマーケティングです。

 買い手が自発的に申し込みをするか、営業担当者がタイミングを計って訪問するかは各企業の営業スタイルによりますが、いずれにせよ最終的に受注に誘導するための“一押し”が必要です。そのため、コンテンツマーケティングを進めるうえでは営業部門と密に連携を取らなくてはなりません。

従来と現在のコンテンツの役割の違い
従来と現在のコンテンツの役割の違い

コンテンツマーケティングにおけるコンテンツと、従来のマーケティングにおけるコンテンツとは役割が異なるということができます。

 

PR部門と連携しよう

 中には、認知度やブランドの向上に関してはPR(パブリック・リレーション)・広報部門が担当している企業もあるでしょう。コンテンツマーケティングにおける認知度やブランド向上と、PRとしての認知度・ブランド向上とでは、ターゲット層や目的に違いがありますが、重なる部分も多いのが実情です。

 コンテンツを活用し、認知度やブランド向上までを志向した総合的なマーケティングを目指すなら、PR部門との連携は欠かせません。潜在顧客や既存顧客に対する情報提供だけでなく、いかに自社やブランドのファンとなってもらえるかは、ブランド戦略に掛かっています。

 こうしたシーンでは、PR・広報部門と連携を取りながら、メディア向けと顧客向け両方のコンテンツを矛盾なく作っていくことが必要です。

 例えばブランドとして「信頼性」や「先進性」をあげているなら、コンテンツも信頼を損なわずかつ先進的なものでなくてはなりません。

 上記を表現するには、仮にリコールなどの不祥事を起こしたときに、製品ページにその情報や対応策がすぐに示せるか、先進性を演出するためには動画や洗練されたイラストを使うか、などが考えられます。情報の質や更新スピード、表現も含めた戦略を考えるのも、コンテンツマーケティングのポイントです。

第4回「BtoBマーケティングを成功させるには」へ続く)

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