北海道、東北、北関東、甲信越のトップは不動の国立大学
「広報活動に力をいれている」大学に、札幌学院、石巻専修
「躍動感」のある大学は東北福祉、山梨学院
日経BPコンサルティング調べ 「大学ブランド・イメージ調査 2019-2020」（2019年8月実施）【東日本編】

2019年11月27日

株式会社日経ＢＰコンサルティング（東京都港区）は、13年目になる「大学ブランド・イメージ調査 （2019-2020）」の結果をまとめ、11月27日に調査報告書を発売した（調査実施は2019年8月）。全国9地域456大学について、各大学の認知やイメージなどを尋ねた。なお、【東日本編】は、北海道、東北、北関東、甲信越の4地域を対象に、それぞれ独立して調査を実施している。

【東日本編（4地域：北海道13校、東北38校、北関東20校、甲信越22校）】の大学ブランド総合力TOPは、［北海道］北海道大学、［東北］東北大学、［北関東］筑波大学、［甲信越］信州大学となった。

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調査結果のポイント

大学ブランド総合力（49のブランド・イメージ項目の得票率を束ねて算出した総合スコア）

・［北海道］北海道大学、［東北］東北大学、［北関東］筑波大学、［甲信越］信州大学がトップ

・前回からの上昇率では、［北海道］小樽商科大学、札幌市立大学、釧路公立大学［東北］岩手大学、［北関東］筑波大学、［甲信越］松本大学、長野県立大学

その大学特有の魅力として

・「広報活動に力をいれている」大学は、［北海道］札幌学院大学、［東北］石巻専修大学

・「躍動感」因子では、［東北］東北福祉大学、［甲信越］山梨学院大学がトップ

調査結果データ

《大学ブランド総合力》　各地域のトップは、北海道大学、東北大学、筑波大学、信州大学

北海道

北海道の13校における「大学ブランド総合力」第1位は、74.3ポイントを獲得した北海道大学（表1-1）。次いで、小樽商科大学（53.4ポイント）、室蘭工業大学（51.3ポイント）と続く。上昇率第1位は小樽商科大学、札幌市立大学、釧路公立大学の3大学が0.8ポイントずつ伸ばした（表2）。

東北

東北の38校における「大学ブランド総合力」第1位は、92.1ポイントを獲得した東北大学（表1-2）。次いで第2位は岩手大学（60.4ポイント）、山形大学（58.9ポイント）だった。上昇率第1位は岩手大学で、4.0ポイント伸ばした（表2）。

北関東

北関東の20校における「大学ブランド総合力」第1位は、86.3ポイントを獲得した筑波大学（表1-3）。次いで、群馬大学（57.3ポイント）、宇都宮大学（55.6ポイント）と続く。上昇率第1位は筑波大学で、3.7ポイント伸ばした（表2）。

甲信越

甲信越の22校における「大学ブランド総合力」第1位は、74.8ポイントを獲得した信州大学（表1-4）。次いで、新潟大学（68.2ポイント）、長岡技術科学大学（58.6ポイント）と続く。上昇率第1位は松本大学、長野県立大学の2大学で、それぞれ1.1ポイント伸ばした（表2）。

《大学イメージ》　「広報活動に力を入れている」大学は札幌学院大学、石巻専修大学

大学に関する49項目のイメージについて、それぞれの大学の得票率を見ると、各大学特有の魅力が見えてくる（表3-1～4）。「広報活動に力を入れている」では、札幌学院大学（北海道編）、石巻専修大学（東北編）がそれぞれトップを獲得した。

各地域のイメージ項目トップは当該地域のブランド総合力トップ大学が多数を占める傾向があるが、東日本編の中でも、北海道と東北については、今回特にその傾向が顕著に表れていた。そのなかで、札幌学院大学と石巻専修大学が「広報活動に力を入れている」大学として地域トップを獲得していることは大きく評価できる。

札幌学院大学は、5年連続でこの項目トップを獲得。同大学では、企業や自治体との協定や新キャンパスの開設予定、スポーツ関係の成果など、注目度の高いトピックを積極的に発信し、メディアなどでの露出量が多い。また、テレビCMは、ほぼ毎年素材を刷新するなど新鮮なイメージを継続して伝えている。一方、SNSを活用した情報発信も行い、多角的な広報活動が行われており、継続して高い情報接触率を維持していると言える。

一方、石巻専修大学は、今回初めてこの項目でトップを獲得した。同大学は創立30周年を迎え、周年事業としてイベント開催、特設サイト開設など目に触れる取り組みが多かったと考えられる。また、大学ホームページ内にメディア掲載に関するページが整備されており、大学、教員、学生、卒業生などの活躍が伺える。それらの掲載実績からもメディアとのリレーションが良好であることが伺える。

《6因子分類》「躍動感」のある大学として、東北福祉大学、山梨学院大学

49項目のイメージを因子分析（※1）によって、関連性の高いイメージ群を6つの因子にグループ分けした（表4-1～4）。「躍動感（※2）」のある大学では、東北福祉大学（東北）、山梨学院大学（甲信越）がそれぞれトップを獲得した。両大学共に6因子分類を始めた2017-2018調査より3年連続でこの項目のトップを獲得している。

東北福祉大学は、「躍動感」因子を構成する11のイメージ項目のうち、２項目でトップを獲得、山梨学院大学においては、11項目のうち過半数の6項目でトップとなっている。

両大学共に「スポーツ活動に熱心に取り組んでいる」イメージが、2位以下の大学に比べ圧倒的に高い点が共通している。また、自由意見でも「スポーツが強い・盛ん」といった意見や、特定の競技名、プロスポーツ選手の輩出といった記述が多く見られた。これらの点から、スポーツは「躍動感」因子に大きく寄与することが分かる。

本調査では、大学ブランドを算出する49項目以外にも、大学の「認知率」や、口コミなどに影響される「入学推薦率」「採用意向率」などロイヤルティに関わる結果を客観的評価にまとめている。大学ブランドの浸透度合いに合わせた戦略的なコミュニケーション活動に、ぜひお役立ていただきたい。

資料

ノミネート大学

[北海道]

小樽商科大学、北見工業大学、北海道教育大学、北海道大学、室蘭工業大学、釧路公立大学、 公立はこだて未来大学、札幌市立大学、札幌学院大学、札幌大学、北星学園大学、北海学園大学、北海道科学大学

[東北]

青森県

弘前大学、青森公立大学、青森大学、青森中央学院大学、東北女子大学、八戸学院大学、八戸工業大学、弘前学院大学

岩手県

岩手大学、岩手県立大学、富士大学、盛岡大学

宮城県

東北大学、宮城教育大学、宮城大学、石巻専修大学、尚絅学院大学、仙台白百合女子大学、東北学院大学、東北工業大学、東北生活文化大学、東北福祉大学、東北文化学園大学、宮城学院女子大学

秋田県

秋田大学、秋田県立大学、国際教養大学、ノースアジア大学

山形県

山形大学、東北公益文科大学、東北文教大学

福島県

福島大学、会津大学、医療創生大学、奥羽大学、郡山女子大学、東日本国際大学、福島学院大学

[北関東]

茨城県

茨城大学、筑波大学、茨城キリスト教大学、筑波学院大学、常磐大学、流通経済大学

栃木県

宇都宮大学、足利大学、宇都宮共和大学、作新学院大学、白鴎大学

群馬県

群馬大学、群馬県立女子大学、高崎経済大学、前橋工科大学、関東学園大学、共愛学園前橋国際大学、上武大学、高崎健康福祉大学、高崎商科大学

[甲信越]

新潟県

上越教育大学、長岡技術科学大学、新潟大学、新潟県立大学、敬和学園大学、長岡大学、新潟医療福祉大学、新潟経営大学、新潟工科大学、新潟国際情報大学、新潟産業大学

山梨県

山梨大学、都留文科大学、山梨県立大学、山梨英和大学、山梨学院大学

長野県

信州大学、諏訪東京理科大学、長野県立大学、長野大学、清泉女学院大学、松本大学

※なお、大学名称が直近で変更になった場合、新規の名称の認知が低いことが考えらえるため、変更前の名称を調査対象としている場合があります。

※白鴎大学の表記は、常用漢字で表示しています。

■日経BPコンサルティング

日経BP全額出資の「調査・コンサルティング」、「企画・編集」、「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。（2002年3月1日設立。資本金9000万円）

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