広島大学が、中国・四国圏の主要大学57校の中で「大学ブランド偏差値」第1位。教育関連従事者がみる大学:「地域産業に貢献」の鳥取大学、「資格取得に積極的な」徳島文理大学
―「大学ブランド・イメージ調査 2010-2011」【中国・四国編】(2010年8月実施)より―

2010年11月12日

日経BPコンサルティング(東京都港区、代表取締役社長:高橋銀次郎)は、2010年8月に実施した「大学ブランド・イメージ調査 2010-2011」*の結果をまとめ、本日(2010年11月12日)調査結果報告書を、発行・発売する。

「首都圏」、「近畿」、「北陸・東海」、「中国・四国」、「九州・沖縄・山口」の5地域359大学を対象に、同地域在住のビジネス・パーソンや中学生以上の子供のいる父母、また教育関連従事者の目線から調査したものである。大学の「認知度/認知経路」「採用意向度」「入学推薦度」や「子供の進学に対する意識」などのほか、大学や学生などに対する49項目に及ぶブランド・イメージを尋ねた。

中国・四国編の「大学ブランド偏差値」(ブランドの総合力を示す指数)第1位は95.4ポイントを獲得した広島大学となった(表1)。第2位は岡山大学(83.6ポイント)、第3位には   愛媛大学(65.5ポイント)が続いた。

教育関連従事者による評価:「地域産業に貢献している」鳥取大学、「資格取得に積極的な」徳島文理大学など、大学の個性が如実に

本調査では、大学の教職員など教育関連従事者にもブランド評価を依頼した。その結果から、各イメージ項目第1位になった大学をみると、その大学の特徴や「らしさ」が、より身内に近い関係者に、どの程度浸透しているかがうかがえる(表2)。例えば、「地域産業に貢献している」では鳥取大学が、「資格取得に積極的」では徳島文理大学がトップとなった。また、「学部、学科が充実している」では岡山大学が、「スポーツ活動に熱心に取り組む」は松山大学がそれぞれ第1位となった。

ブランド偏差値がトップ10にランクインしたり、各イメージ項目別で第1位を獲得したりしている「とがった」大学は、コミュニケーション戦略に一貫性があり、様々なステークホルダーに対して、大学が魅力的にうつっている傾向にある。ブランド資源を最大限に生かすことで、評判・評価をさらに高めている。しかし、ノミネート校の中には、認知率、ブランド偏差値ともに低い大学が少なくない。そのような大学では、ブランドを経営の中で体系だって管理せず、解決すべき課題すら認識されていないという問題点を抱えている。この調査結果から、少子化・全入時代のいま、自校のブランド育成がどの程度進んでいるのか・成功しているのかを、数値化して客観的にレビューできる。

(吉田健一=日経BPコンサルティング ブランド・ジャパン プロジェクト・マネージャー)

「大学ブランド・イメージ調査2010-2011」【首都圏編】【近畿編】【北陸・東海編】【中国・四国編】【九州・沖縄・山口編】
5地域の主要大学計359校の「ブランド偏差値」算出を目的としたインターネット調査(医科大学や体育大学、短期大学などは除外)。「地域産業への貢献度」や「研究施設の充実度」、また学生の「語学力」や、「コミュニケーション能力の高さ」など大学や在学生へのブランド・イメージ49項目を測定し、それらをまとめた総合ブランド指数(=大学ブランド偏差値)を算出してランキング化した。調査にあたって、日経BP/日経BPコンサルティング調査モニターを中心に、同地域のお仕事をお持ちの方(有職者)や、中学生以上の子供がいる父母、教育関連従事者に回答を依頼。なお、調査設計や分析にあたり、企業ブランドおよび製品/サービスブランドの調査で実績のある「ブランド・ジャパン」で培ったノウハウを活用し、調査するイメージ項目を洗い出した。首都圏編は2010年8月4日~22日に実施し、8,356件(同地域在住の有職者、学生の父母)の有効回答を得た。2010年11月12日に調査結果報告書を発行。

表1●【中国・四国編】大学ブランド偏差値ランキング(有職者編)TOP30
調査対象57校
  • 岡山県
    岡山大学、岡山県立大学、岡山学院大学、岡山商科大学、岡山理科大学、環太平洋大学、吉備国際大学、くらしき作陽大学、山陽学園大学、就実大学、中国学園大学、ノートルダム清心女子大学、美作大学
  • 広島県
    広島大学、尾道大学、県立広島大学、広島市立大学、比治山大学、広島経済大学、広島工業大学、広島国際学院大学、広島国際大学、広島修道大学、広島女学院大学、広島都市学園大学、広島文化学園大学、広島文教女子大学、福山大学、福山平成大学、安田女子大学
  • 鳥取県
    鳥取大学、鳥取環境大
  • 島根県
    島根大学、島根県立大学
  • 山口県
    山口大学、下関市立大学、山口県立大学、宇部フロンティア大学、東亜大学、徳山大学、梅光学院大学、山口学芸大学、山口東京理科大学
  • 香川県
    香川大学、四国学院大学、高松大学
  • 徳島県
    徳島大学、鳴門教育大学、四国大学、徳島文理大学
  • 愛媛県
    愛媛大学、聖カタリナ大学、松山東雲女子大学、松山大学
  • 高知県
    高知大学、高知工科大学、高知女子大学
表2●各ブランド・イメージ項目で第1位になった大学(34項目:教職員など教育関連従事者ベース)

ブランド・ジャパン: 国内で使用されているブランドを消費者とビジネスパーソンが評価する、日本最大のブランド評価調査プロジェクト。
2001年に第1回調査を実施し、2011年で11回目を迎える。調査は、消費者としての立場から回答を求める「コンシューマー市場(BtoC)編」(調査対象ブランド1000件)と、ビジネスパーソンとしての立場から回答を求める「ビジネス市場(BtoB)編」(同500件)とから成る。

日経BPコンサルティング: 日経BP社全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9000万円)

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