CDP2023スコア発表、日本企業では2社がトリプルA獲得

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    サステナビリティ本部コンサルティング部 戸井田 むつみ

CDPは、2000年に英国で設立された非政府組織(NGO)です。CDP投資家プログラムは、年に1度、世界中の上場企業を中心に投資家の意向を反映した環境質問書を配布しています。企業は質問書へ回答すると、その取り組み状況がA~D-(マイナス)の8段階でスコアリングされます。CDPの質問書を通して集められた企業の環境データは、ESG評価機関や投資家等に幅広く活用されていることから、CDPへの回答企業は年々増加しています。
QUICK ESG研究所が実施した、CDP2023の回答結果をご紹介します。
文=戸井田むつみ 注記)本回答結果はQUICK ESG研究所が、CDPウェブサイトの公開情報を基に作成しました。(2024年2月7日11時~16時時点)
以下「CDPへの回答状況」「CDP2023日本企業のスコア分布」は「Search and view past CDP responses」のページにおいて、「年:2023」「ステータス:提出済み」の条件で絞り込んだ結果から集計しております。
CDPによる開示情報とは集計方法が異なります点、あらかじめご承知おきください。

CDPへの回答状況

CDP投資家プログラムの質問書は「気候変動」、「水セキュリティ」、「フォレスト」の3つで構成されています。

CDP2023「気候変動」プログラムへの回答組織数は世界で1万2459でした。G7の国ごとの内訳は、米国が1945と首位。2位は日本で1547、3位の英国は844でした。この上位3カ国で回答組織数は全体の35%を占めます。

「水セキュリティ」プログラムへの回答組織数も増加し、2023年は世界で3251となりました。首位は日本の600で、全体の18%を占めます。2位は米国の503、3位は英国の129でした。

「フォレスト」プログラムへの回答組織数は世界で837、G7の内訳は首位の米国が163、2位の日本が120、3位の英国が75でした。

Aリスト入り企業数

2023年に「気候変動」、「水セキュリティ」、「フォレスト」の3つ全てのプログラムで最高評価である「A(トリプルA)」を取得したのは、前年比2減の10となりました。一方で、日本企業では1増加し、花王と積水ハウスの2が取得しました(2022年は花王の1社のみ)。

プログラム別のAリスト企業は「気候変動」が世界で前年から47増の346、「水セキュリティ」は同6減の101、「フォレスト」は同5増の30となりました。

Aリスト企業に占める日本企業の割合は、直近3年で全てのプログラムにおいて増加傾向にあります。「気候変動」では、2021年の28%から2023年には32%となりました。

CDP2023日本企業のスコア分布

「気候変動」プログラムで「A」を取得した日本企業は109でした。「A-」は185で、「A」及び「A-」を取得した企業は全体のおおよそ4分の1を占めます。

「B」を取得したのは353と全体の29%で、最も多く、続いて「C」の278(23%)でした。

(割合は「スコアリング対象外」と「スコア非公開」の組織を除く。)

図:CDP2023気候変動スコア分布(日本)

出所:CDPウェブサイトの公開情報を基にQUICK ESG研究所にて作成

「水セキュリティ」プログラムでは、「B」が123と全体の25%、「C」が119の24%でした。「A」を取得したのは36となりました。(割合は「スコアリング対象外」と「スコア非公開」の組織を除く。)

図:CDP2023水セキュリティスコア分布(日本)

出所:CDPウェブサイトの公開情報を基にQUICK ESG研究所にて作成

「フォレスト」プログラムは対象となる畜牛品、パーム油、大豆、木材の4つのコモディティごとにスコアが付与されます。畜牛品は「C」以下が全体の93%を占めました。「パーム油」と「大豆」は「B」を取得した組織がそれぞれ10と5ありましたが、回答した組織の半数以上は「C」以下に分布しています。また、木材では「B」と「C」を取得した組織がそれぞれ19となり、最も多くの割合を占めました。(割合は「スコアリング対象外」と「スコア非公開」の組織を除く。)

図:CDP2023フォレストスコア分布<コモディティ別>(日本)

出所:CDPウェブサイトの公開情報を基にQUICK ESG研究所にて作成

注)スコアリング対象外:締切を過ぎた回答や簡易版の回答が含まれる。簡易版は初回回答企業または規模の小さい企業が選択可能。
スコア非公開:初回回答企業が選択可能。

CDPは、Aリストに選定されることは、企業が環境への影響を総合的に把握し、移行計画のベースラインを示しており、自身の目標を実現することができるような高品質で完全なデータを有していることを示すと説明しています。CDPでは毎年、回答要請企業に対し、情報開示の透明性とそれに基づくアクション向上を求めるキャンペーンを行っています。2024年のCDP投資家プログラムは「気候変動」、「水セキュリティ」、「フォレスト」の3つが統合されることが発表されています。環境情報開示におけるCDPの存在感はますます大きくなると考えられます。

資料ダウンロード

CDP2023でQUICKと日経BPコンサルティングが実際に顧客企業へアドバイスした内容を基に、CDP回答時にご留意いただきたいポイントをまとめました。
CDP2024回答の際に役立つ内容もありますので、ぜひご活用ください。
※資料のダウンロードには個人情報取得に関する同意が必要です。

戸井田 むつみ

サステナビリティ本部
戸井田 むつみ(といだ・むつみ)

アナリストとしてCDPの回答支援、FTSEなどESG評価対応支援を始めとする非財務アドバイザリーを担当。製造メーカー、不動産、金融機関などのアドバイザリーに携わる。

※肩書は記事公開時点のものです。

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