調査データ周年事業ラボ調査データ(10)
長寿企業の「変化度合い」を調べた
- 文=雨宮健人
- 2018年06月18日
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100年企業ほど変化
勤務先の主要な事業は創業時と比べてどうか。最も回答比率が高かったのは「一部変わっている」の35.9%だった。ところが「変わっていない」という回答も31.6%とそれほど差がなく、「かなり変わっている」と「創業時とはまったく異なるものとなっている」を足した数字(32.5%)と比較すると、変化・一部変化・変化せずは、ほぼ3等分に分かれる結果となった。
図1 勤務先の主要な事業は創業時と比べてどうか(SA)
創業年数別に見てみると、「変わっていない」との回答は、創業年数との相関性がはっきりと表れた。5年未満の企業が最も高く47.5%。100年以上の企業が最も低く20.1%となった(図2)。
図2 変わっていない(創業年数別、SA)
他の回答についても創業からの年数別にクロス集計した。結果は次の通り。
図3 一部、変わっている(創業年数別、SA)
図4 かなり変わっている(創業年数別、SA)
図5 創業時とは全く異なるものとなっている(創業年数別、SA)
異なる事業にシフトしたケースも
事業の一部をモデルチェンジするだけでなく、「全く異なるもの」にシフトし、100年以上を生き抜く企業も7.4%と一定数存在する(図5)。この回答では10年未満と5年未満の若い企業が、ともに14%前後で高いスコアをつけた。
他の変化度合いでは、おおむね創業年数の長い企業のほうが変化した割合が高い。だが「全く異なるもの」というところまでくると、若い企業が思い切り転換を試みる傾向にあるようだ。全く異なる事業にシフトしたことが奏功したかどうかは分からないが、その境目となるのは創業10年程度なのが見て取れる。ちなみに中小企業白書2011では、1980~2009年に創設された企業の生存率を調べている。その結果によると、10年後には約3割の企業が撤退を余儀なくされるという。
本調査のExcelデータダウンロード
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本調査について
日経BPコンサルティングのアンケートシステムAIDAにて、同社モニター2135人を対象に2017年7月に調査
- 2018年06月18日
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