ブランド・ジャパン使い方講座 第1回
ブランド・ジャパン活用法(データの意味を知る)
ブランド・ジャパンデータの使い方は下記の2点がまず見ていただきたいポイントとなります。 第1回目はブランド総合力指標、国内におけるブランドの位置付けについてご説明します。
1.ブランドの今を知る
まず確認したいのが、総合力とブランドの特徴を表す因子が、それぞれどの順位帯(レンジ)にいるのかを確認します。レンジを区分するときの目安ですが、TOP10、20、50、100、200、400といったところです。
そして赤線で区切ったように4つのステージ(TOP10以内、TOP50以内、TOP200以内、それ以外)があるようです。ブランド総合力がこのラインを超えてより高いステージに上るのか、それとも落ちるか。このステージ区分を参考として、自社や競合ブランドについてデータを見ていただければと思います。
併せて、業種の平均値がどの位置にいるのかも確認することで、業界自体の位置づけを知ることができます。
ブランド・ジャパンダッシュボードでは、全体ランキングからデータを取得することができます。
2.今後の動向を読むために過去の経緯を分析する
業界2番手3番手が、首位のブランドを上回ることがあり、そういうときのブランド力の推移にはどうも特徴があるようです。2つの折れ線の近づき方、離れ方、重なり方に沿って、丸を6個置いてみました。
2頭立てのリーダーが立つ、という具合に収斂していくことが多いようです。
マイクロソフトブランドは、2004年にxboxのヒットシリーズとなったHaloの2作目をリリース。2007年にWindows Vistaを、2009年に最も浸透したと言われているWindows 7を、2015年ではWindows 10をリリース。また、2012年にリリースされたタブレットPCのSurfaceシリーズが年を重ねるにつれ好評となる。
Appleブランドは、2003年にiTunes Storeの提供を開始、2004年にはiPod miniを翌年にはiPod nano、iPod shuffleを、2007年にはiPod Touch発売し、以降は携帯音楽プレーヤー市場で圧倒的なシェアを獲得した。また、2007年では、iPhoneとiMacのリリースも。スティーブ・ジョブズ氏のプレゼンテーションが話題となる。同氏は2011年に死去される。このように歴史を振り返ると、両ブランドの関係性のターニングポイントは2007~2008のあたりにあったようです。
総合力の推移だけでなく、因子の推移も合わせて分析することでより具体的な状況をイメージすることができます。この先の自社や競合のブランド力の推移についていくつかのパターンを想定し、用意をしておくことができるようになればブランディングにおいて有効な手立てを講じる一助になるのではないでしょうか。
次回は「因子・イメージ項目の結果から自社・競合のブランドのタイプを理解する」をお送りします。
ブランド・ジャパンの調査設計、ブランド力の算出方法はこちら。
RELATED ARTICLE関連記事
「withコロナ時代」の最新調査結果 企業メッセージ調査2020
ブランディングサーベイ&ソリューションガイド
ブランディング
理想的なブランド構築のために踏むべきステップ
ブランド本部 本部長 兼 ブランドコミュニケーション部長 兼 大学ブランド・デザインセンター長 兼 周年事業・デザインセンター長 吉田 健一
ブランド・ジャパン
ブランディング
ブランディングの新潮流
ESG/SDGs
SDGsで企業の未来とブランドをデザインする
サステナビリティ本部 コンサルタント 松﨑 祥悟、清水 秀起
サステナビリティ本部
ESGアドバイザリー・サービス
あわせて読みたい
ESG/SDGs
「発信型三方よし」でサステナビリティを追求
サステナビリティ本部 本部長 古塚 浩一
ESG/SDGs
企業理念実践の加速に向けたオムロンのサステナビリティ推進(前編)
コンテンツ第一本部 編集部 次長 成田 美由喜