新型コロナ対応で「好感をもった企業」、第1位はシャープ
マスク製造へのいち早い着手が高評価につながる
「新型コロナウイルスによる業務への影響と、その対応に関する調査」結果発表

株式会社日経BPコンサルティング

2020年5月27日

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)はビジネス・パーソンを対象に新型コロナウイルスに関する調査を実施(2020年4月)し、その中で企業の取り組みとして「好感をもった、魅力的に映った、高く評価した」企業名を挙げてもらった。思い浮かんだ企業名を3つまで記入する「企業名想起設問」である。

想起率(記入率)が最も高かった企業はシャープで、32.9%。いち早くマスク製造に着手したことが好感につながった。第2位は東芝(同3.8%)。第3位はトヨタ自動車(同3.2%)だった。有効回答者は1,556人。

調査結果のポイント

  • 新型コロナ対応で好感をもった企業、第1位はシャープ、第2位は東芝、第3位はトヨタ自動車
  • シャープはマスク製造にいち早く着手したことが好感につながった

[ 「企業名想起率」ランキングTOP20は、表1をご覧ください ]

調査結果より

■第1位のシャープ、他社に先行したマスク製造・販売で2位以下を圧倒

企業名想起率32.9%と他を大きく離して第1位となったシャープは、マスクの製造・販売に関しては異業種ながら、他社に先駆けて取り組んだことで多くの人の好感を得ている(表1)。「異業種であるマスク生産の取り組み開始が早かった」と多くの人が評価するとともに、それを実行に移すことができた「経営判断および現場力も素晴らしい」という意見が寄せられた。同様に第3位のトヨタ自動車(3.2%)、第4位のアイリスオーヤマ(3.0%)も世の中に不足するマスクや人工呼吸器などの医療機器の製造や販売を支援する取り組みにより多数のビジネス・パーソンに支持された。

社会に不足する物資を先んじて供給することで高い評価を受ける企業がある一方で、第2位の東芝(3.8%)は、外出自粛を求める社会の要請に応える形で、いち早くグループ全体で全拠点原則休業を決断したことが高く評価されている。「感染が拡大する中、企業活動の完全停止を行い、新型コロナウイルスの感染抑制に取り組んでいる」「この機を契機として働き方改革へつなげようとしている」と将来に対する期待ももたれている。第5位はソフトバンク(2.8%)で、「マスクをはじめとする各種医療関係品の無利益での供与」などが評価された。

■社会課題への解決力を発信することが企業評価につながる

評価を受けている企業は、自社の業種はもちろんのこと、他業種・他分野においても社会の課題・要請がどのようなところにあるのかを正確に把握し、そのうえで自社が対応できるそれらの解決策に迅速に取り組んでいることが共通している。それに加え、その姿勢を丁寧に「発信」することが、企業の魅力度の上昇に貢献していると予想される。

なお、本調査では上記「企業名想起調査」以外にも、「企業のテレワーク導入による課題」「コロナの影響に対する様々な対応」「今後の広報活動、人材採用」など、企業のコミュニケーションがどのように変化しているかなどを尋ねている。その結果については、弊社オウンドメディア「CCL.」にまとめている。

表1 「企業名想起率」ランキング TOP20(ランキングはスクロールできます)
-日経BPコンサルティング「新型コロナウイルスによる業務への影響と、その対応に関する調査」より
順位 企業名 企業名想起率(%)
1 シャープ 32.9
2 東芝 3.8
3 トヨタ自動車 3.2
4 アイリスオーヤマ 3.0
5 ソフトバンク 2.8
6 パナソニック 2.1
7 アパホテル 2.0
8 富士フイルム 1.8
8 ライフコーポレーション 1.8
10 GMOインターネット 1.7
11 資生堂 1.4
12 ソニー 1.3
13 スギ薬局 1.1
14 清水建設 1.0
14 全日本空輸 1.0
16 キヤノン 0.9
16 日本マクドナルド 0.9
18 イオン 0.8
18 オリエンタルランド 0.8
18 グーグル 0.8
18 島津製作所 0.8
18 テレビ東京 0.8
18 本田技研工業 0.8
18 日本マイクロソフト 0.8
18 吉野家 0.8
18 楽天 0.8
18 ローソン 0.8

※記入された企業名を集計し、ランキングにしたもの。
実際の回答には、大阪府、東京都という地方自治体や個人などの回答も寄せられた。
有効回答数は、1,556。

※企業名想起設問:「ここ数か月、コロナの感染防止のため、休校・休業などにより社会生活に多大な影響がでています。このような社会情勢の中、企業や団体などで様々な取り組みがなされています。そのような取り組みを一般的な報道、広告や宣伝・広報活動などで見聞きした結果、あなたが「好感をもった、魅力的に映った、高く評価した」企業を3つまで教えてください。また、その企業の取り組みについても、あなたのわかる範囲で結構ですので教えてください。」

調査概要:「新型コロナウイルスによる業務への影響と、その対応に関する調査」

調査目的 新型コロナウイルスによる業務への影響と課題、それに対する解決策や対応を定量的かつ定性的に調査し、企業コミュニケーションがどのように変化しているのかを把握することを目的とする。
調査方法 インターネット調査
調査期間 2020年4月21日~27日
有効回答数 1,556件
調査対象 日経BPコンサルティング調査モニターのビジネス・パーソン
主な回答者属性 ・性別:男性=86.2%、女性=13.8%
・年齢:39歳以下=4.6%、40歳代=23.8%、50歳代=48.7%、60歳以上=22.9%
・勤務先の業種:製造業=32.8%、通信・情報処理=19.7%、その他のサービス業=14.8%、建設・不動産業=9.1%、教育・医療機関=8.5%、流通・小売業=7.7%、その他=7.4%
  • ■ブランド・ジャパン
    国内のブランドを消費者とビジネス・パーソンが評価する、日本最大規模のブランド評価調査プロジェクト。2001年に第1回調査を実施し、今年20回目。調査は、「一般生活者編」(調査対象ブランド1000件)と、「ビジネス・パーソン編」(同500件)とから成る。なお本設問は、「ブランド・ジャパン」(日本最大規模のブランド力評価調査)のプレ調査「ブランド想起調査」(毎年9月実施)の緊急実施版としての位置づけでもある。今回の結果は、次回「ブランド・ジャパン」における企業ノミネート時の参考とする。
  • ■日経BPコンサルティング
    日経BP全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9000万円)

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株式会社 日経BPコンサルティング ブランドコミュニケーション部
担当:松﨑 祥悟
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