「ブランド・アジア2013」にインドネシアの結果を追加。12地域版として、調査結果報告書を再リリース
日経BPコンサルティングよりお知らせ

2013年05月20日

4月19日のリリースを更新しました。

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、先月発行したアジア11地域を横断する、ブランド評価調査プロジェクト「ブランド・アジア2013」の結果に、新たにインドネシアの結果を追加した12地域調査結果報告書を2013年5月20日に発行・発売する。

この調査では、中国、インド、日本、韓国、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム、そしてインドネシアのアジア12地域において、一般消費者を対象とする定量調査を実施した。12地域共通で調査するグローバルブランド60と、各地域で選定したローカルブランドを中心とする40ブランド(マレーシアは20ブランド、シンガポールは無し)に対するブランド評価を行った。

アジア地域で高いブランド力を獲得しているブランドは、Coca-Cola、Apple、SAMSUNG、Google。マレーシア、ミャンマー、ベトナムの3地域ではローカルのブランドがトップに。
日本勢では、SONYとHONDAの健闘が目立つ。

Coca-Cola、Apple、SAMSUNG、Googleがアジア地域において、高いブランド力を獲得

12地域におけるブランド総合力ランキングトップ10を表1にまとめた。アジア地域において高いブランド力を獲得しているブランドとして、Coca-Cola、Apple、SAMSUNG、Googleが挙げられる。

Coca-Colaはフィリピンで2位、インドと韓国で4位、タイで5位、ミャンマーで7位、中国で8位を獲得。広い範囲で高い順位を勝ち取った。Appleはシンガポールと中国で1位となったほか、台湾、韓国、マレーシアでもトップ10入りした。SAMSUNGは韓国で1位、シンガポールで3位になり、ミャンマー、ベトナム、インド、マレーシアでも高いブランド力を保持した。Google は台湾で1位を獲得。ほか、シンガポール、ベトナム、マレーシアでもそのブランド力が目立っている。

本プロジェクトでは、「アウトスタンディング(卓越)」、「イノベーティブ(革新)」、「フレンドリー(親しみ)」、「コンビニエント(便利)」の4つの因子に基づくブランド力も算出したが、4ブランドに共通することは、因子群の中でも「イノベーティブ(革新)」のポイントが軒並み高いことだ。人々を飽きさせないという積極的な姿勢でブランド力を強化し、アジア消費者の意識の変化に敏感に反応することで、「注目されるブランド」「時代を切りひらくブランド」としての評価に繋がったようだ。

また、ミャンマーのSky net、ベトナムのVinamilk、マレーシアのMaybankは、ローカルブランドながら地域別のブランド力ランキングでトップとなり、グローバルブランドをはねのけた。

ミャンマーではローカルブランドがトップ3を独占

ミャンマーのブランド総合力ランキングをみると、トップ10のうち、7ブランドがローカルブランドとなり、フィリピンと同様にローカルブランドが強いことがわかる。トップ3もローカルブランドが独占した。1位は衛星放送のSkynet、2位はスーパーマーケットのCity Mart、3位は民間最大手の銀行のKBZである。

トップ10の構成をみると、ローカルブランドのほかに欧米系のブランドが3つランクインしているが、唯一他のアジア地域のブランドとして、SAMSUNGが第5位にランクインしていることは興味深い。また、他地域の結果と異なり、インターネット系のブランドがトップ10に入っていない。携帯電話の普及、ブロードバンドの環境整備の本格化はこれからであるミャンマーならではの結果となった。

また各ブランドの個々のイメージに対する結果をみると、認知されているブランドは、どれもイメージ量が多い傾向にある。日本とは異なり、決して物が満ち溢れているわけではないミャンマーでの消費者の意識が垣間見られる結果となった。

日本ブランドでは、SONY、HONDAが高いブランド力を保持

12地域における日本ブランドの結果をみると、SONYとHONDAが高いブランド力を保持していることがわかる。SONYのブランド総合力順位をみると、台湾とシンガポールで4位、ベトナムで7位となった。HONDAはマレーシアとベトナムで2位、タイで4位となった。

しかし、各地域でのトップ10を見渡した時に、日本発ブランドが目立つわけではない。アジア進出が著しい昨今にあって、日系企業のマーケティング戦略の見直しが迫られていることを示すデータとなった。

なお、マレーシアとタイは自動車ブランドが高い傾向にあり、マレーシアの2位から4位(2位:HONDA、3位:TOYOTA、4位:Mercedes-Benz)、また、タイの1位から4位(1位:BMW、2位:Mercedes-Benz、3位:TOYOTA、4位:HONDA)と6位(NISSAN)に、それぞれ自動車ブランドがランクインしている。

この調査プロジェクトを通して、「ブランドに対するアジアの消費者の声」を拾い上げた。今後、その声をさらに分析し、高いブランド力を創造・保持するために何が必要なのかを地域ごとに追い続け、アジア各地において、ビジネスを加速させたい企業に対して、有力なマーケティングデータを提供していく予定だ。

表1 ブランド総合力ランキング(地域別トップ10)
表1:ブランド総合力ランキング(地域別トップ10) クリックで拡大

*「ブランド・アジア 2013」
2012年10月~2013年1月に実施。分析方法としては、弊社が手がける日本最大のブランド評価調査「ブランド・ジャパン」の手法を用いた。15項目によるブランドイメージを4つの因子にまとめ、ブランド力を算出・分析。12の地域間でブランド力を同一の尺度で分析している。

調査概要

  • 調査名称:
    ブランド・アジア 2013
  • 調査目的:
    アジア12地域(中国、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム)における主要グローバルブランド60のブランド力を調査・測定。個々のブランドが持つ好感、役立ち度、品質感などのイメージについて、地域差の有無やブランド力の傾向などを把握する。
    ベンチマークとして、それぞれの地域で選定した40ブランド(ローカルブランド中心/マレーシアは20ブランド、シンガポールは除く)も、該当地域において、調査対象とした
  • 調査の方針と構成:
    ブランド・アジアでは、13年目を迎えた日本最大のブランド価値評価調査「ブランド・ジャパン」の評価・分析手法を採用した。ブランド総合力の算出にあたって基礎データとなる調査項目の設定や、総合力算出のための共分散構造分析の実施などが共通しており、これまで弊社が蓄積してきたブランド力算出のノウハウを活用している。ブランド・アジアは、アジア12地域の消費者を対象にしたブランド価値評価調査であり、アジアの「生の声」を採取している。
  • 調査対象地域:
    中国、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム
  • 調査対象者:
    20~50代の男女
  • 調査期間:
    2012年11月~2013年1月
  • 調査対象ブランドについて:
    各地域において、合計100ブランドを調査対象とした
    全12地域・・・共通する60のグローバルブランド
    シンガポールを除く11地域・・・各地域で選定したローカルブランドが中心の40ブランド(マレーシアは20ブランド)
    共通する60ブランドの業種は、下記の9カテゴリーに限定している
    1 FMCG(Fast Moving Consumer Goods/消費者向けの日用品など)、2 食品、3 デジタル/家電、
    4 自動車、5 小売、6 金融、7 インターネット関連、8 飲食店、9 スポーツ関連用品

    ※各地域で選定したブランドは、上記カテゴリーに含まれないものもある

  • 調査手法:
    地域 メインとなる対象都市 調査手法
    中国 北京、上海 インターネット調査
    インド デリー、ムンバイ、コルカタ、チェンナイ、ナグプール 街頭調査
    インドネシア ジャカルタ、スラバヤ、バンドン、メダン インターネット調査
    日本 東京、大阪、名古屋 インターネット調査
    韓国 ソウル インターネット調査
    マレーシア クアラルンプール 街頭調査
    ミャンマー ヤンゴン、マンダレー 街頭調査
    フィリピン マニラ 街頭調査
    シンガポール シンガポール インターネット調査
    台湾 台北、台中、高雄 インターネット調査
    タイ バンコク 電話調査
    ベトナム ハノイ、ホーチミン 街頭調査
    全12地域に共通する60のグローバルブランド
    全12地域に共通する60のグローバルブランド クリックで拡大
  • プロジェクト企画および結果データ分析:
    日経BPコンサルティング
    日経BP社全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(平成14年3月1日設立。資本金9000万円)

このリリースに関するお問い合わせ

株式会社 日経BPコンサルティング ブランドコミュニケーション部
吉田 健一/小山田 誠
〒108-8646 東京都港区白金1-17-3 NBFプラチナタワー

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