みんなどうしてる!? Web会議のニューノーマル 第2回
知って安心! 失敗しないWeb会議の身だしなみ
(取材協力:日本テレワーク協会) <Web会議の利用に関する実態調査>
実施日:2020年7月1日〜9日
対象:国内の企業・組織に所属するビジネスパーソン
母数:有効回答数1881件
前回、Web会議を行う上で日ごろから疑問に思っていたことや悩みを共有した西村部長と中川課長。ツールの使い方やマナーに続いて、今度は身だしなみのことが気になり始めました。明日はお客さまとのオンライン会議があります。どうする!? 西村部長。
藤田君(以下、藤田) 西村部長にメールで確認、っと。
(メールの内容)
西村部長、依頼されていた資料ができあがりましたので、ご確認ください。フィードバックはプロジェクトのスレッド内のWeb会議でいただけると幸いです。
(しばらくして、西村部長からビデオ通話が入る)
西村部長(以下、西村) 藤田君、お疲れさま。資料ありがとう。ほぼOKだから、細かいところはこっちで直して進めるよ。
藤田 (おや!?)西村部長、お顔の色がすぐれないようですが、どうかしましたか?
西村 あれ、疲れた顔をしていたかい? それは失礼したね。そうだ、藤田君にも聞いてみようかな。実は明日、初めて会うお客さんとのWeb会議があるんだよ。大事な相手だし、失礼のないようにスーツにネクタイをしたほうがいいかな……などと考えはじめたら、混乱してきてしまってね。Web会議での服装マナーってあるのかな。
どこまで気になる? Web会議の身だしなみ
藤田 気になってWebで調べたことがあります。私が参考にした調査データによると、自分が思うほど、相手は服装が気にならないみたいですよ(図1)。
西村 え、そうなのか?
藤田 カジュアルな服装をしている姿を見て不快に思う人は少なくて、それよりも、化粧やひげそりといった身だしなみを気にする人が多いみたいです(図1)。実際に客先に出向いて行う対面会議のときよりも、画面越しに相手の顔を見ている時間が長いので、そちらのほうが気になるのかもしれません。
西村 なるほど。服装ばかりに気を取られていたけれど、顔回りの身だしなみを整えることに気を配らないといけないわけか。
図1:意外? カジュアルな服装はかなり許容されている
「カジュアルな服装をしている」こと自体は、今や相手を不快にする要素ではないようだ。それよりも、Web会議中はアップで写り続ける顔の身だしなみの方が、注意を払うべき要素といえる。
油断大敵、映るのは上半身だけとは限らない
藤田 少しは参考になりましたでしょうか。
西村 なるほどね、勉強になったよ。藤田君はWeb会議のとき、ほかにどんなことに気を付けているんだい?
藤田 「見た目」の服装や身だしなみに気を配るよう心がけている人は少なくないようなので、私も気を付けるようにしています(図2)。私は以前、友人から、キッチリと襟の付いたシャツを着ながらも、上半身しか見えないだろうと短パン姿でWeb会議に臨んだところ、資料を取ろうと移動した際に短パン姿が見えてしまった、という失敗談を聞いたことがあります。なので、私はWeb会議の前に、必ず鏡で自分の姿をチェックするようにしています。服装などの身だしなみで、気持ちのコントロールをしている人もいるそうですよ。服装や化粧など身だしなみを整えることで気持ちの上でもON/OFFを切り替えることができ、在宅でも適度な緊張感をもって仕事に取り組めるということのようです。
西村 なるほどね。ではWeb会議の前は早めにログインできるように準備しておいて、身だしなみの確認もするよう心がけることにするよ。
図2:「音」の次に「見た目」に気を配る人が多い
話を聞く、伝える上で最重要な「音」関係に次いで、円滑なWeb会議のために心がけられているのが「見た目」関係。Web会議が人対人のコミュニケーションである以上、対面会議の際と同様に、相手に不快感を与えないようにするための心がけは必要だ。
ビジネスカジュアルがスタンダードに
西村 藤田君は、Web会議のときにどんな服装をしているんだ?
藤田 私はビジネスカジュアルが多いですね。実際、ビジネスカジュアルでWeb会議で望む人が多いようです(図3)。
西村 ビジネスカジュアルといっても幅広いよね。クールビズができた時も、「ジャケットはどうする?」「シャツだけで不安」「どんなシャツがいいのか」と、大いに悩んだよ(笑)。
藤田 そうですね。私はシワのない襟付きシャツで、ノーネクタイのことが多いです。対面会議のときはフォーマルなスーツが多くなりますが、在宅で行うケースも多いWeb会議になると、私のまわりでもジャケットなしのビジネスカジュアルにする人が多いですよ。
図3:Web会議では「ビジネスカジュアル」がニューノーマル
Web会議では「ビジネスカジュアル」が6割を超える。一方「フォーマル」はWeb会議では2割にも満たないが、対面会議では4割近くに上がり、服装の使い分けをしていることがうかがえる。新しい形ながらも、服装に対して配慮するマインドは健在のようだ。
藤田君の実践する「ビジネスカジュアル」のイメージ。ジャケットの有無やシャツの種類など、一言に「ビジネスカジュアル」といっても実際の装いはさまざまだ。
(ここで西村部長と打ち合わせ予定になっていた中川課長がWebミーティングに参加してくる)
中川課長(以下中川) 西村部長、お待たせしました。あ、お話中でしたか。
西村 大丈夫だよ。今、藤田君と服装について話していたところなんだ。Web会議での服装について考えていたら、混乱してしまってね。中川さんはWeb会議で初対面の場合、いつもどんな服装をしているのかな。
中川 私はいつも襟付きシャツにしていますね。ビジネスカジュアルといっても人それぞれのイメージがあります。ジャケットを着る人もいれば、襟なしシャツの人もいるので、悩みますよね。そういえばこの前、付き合いの長いクライアントとWeb会議を行った時に、相手が在宅だったこともあって、ポロシャツ姿だったんです。普段、ビシッとしたスーツ姿しか見たことがなかったので、新鮮な感じがすると同時に親近感が湧きましたね(笑)。
西村 確かに。そういう一面が見えると、また距離感が縮まった感じがするなあ。
中川 職種によってはTシャツでも大丈夫なようですが、やはり一般的には男女問わず清潔感のある服装が好まれるようです。私は襟付きのシャツを着る時は、Web会議とはいえアイロンがけしたものを着るようにしています。それに、服の色も大事ですよ。私の経験上、黒色は暗い印象を与えがちなので、なるべく避けるようにしています。また、細かい柄とか千鳥格子は模様がちらついて見えてしまい相手に不快な印象を与えてしまうかもしれないで、避けるようにしていますね。
藤田 なるほど! それは気付きませんでした。細いストライプのシャツをたくさん持っているので、それはWeb会議のときは避けるようにします。中川課長の服装が、私と同じようなビジネスカジュアルと聞いて、私も安心しました。
西村 対面会議もWeb会議も、身だしなみに気を配ることは一緒。僕はそれを知っただけでも安心したよ。
中川 そうですね。これからは対面会議とWeb会議を使い分ける時代ですから(図4)。臨機応変に対処することが大切ですね。
(第3回に続く)
図4:働き方も会議も、これからはハイブリッド
ビジネスでのコミュニケーションの方法としては、フェースtoフェースで五感をすべて働かせることができる「対面会議」が一番人気。働き方に関しては出社と在宅の併用を望む声が多く、今後はさまざまな場面に応じたコミュニケーションスキルが求められる時代になるといえる。
連載:みんなどうしてる!? Web会議のニューノーマル
- 【1】 知って安心! 失敗しないWeb会議のポイント
- 【2】 知って安心! 失敗しないWeb会議の身だしなみ
- 【3】 知って安心! Web会議主催の勘所
調査担当:日経BPコンサルティング 調査部 杉山 陽一朗、浅見 剛司
※この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
コンテンツ本部 編集2部
篠崎 充穂(しのざき・みづほ)
編集プロダクションでの経験を経て、2010年5月入社。ライフスタイル関連や医療関連、金融機関の企業広報誌を中心に、大学広報や記事広告編集等に従事。