キッコーマン株式会社

キッコーマンは2008年にコーポレート・マークとコーポレート・スローガンを刷新した。海外でしょうゆの売り上げが伸びる一方、国内での需要創造が課題で、同社は提供する商品群を変化させていた。そうした状況の下で、改めてお客様に新しいメッセージを発信する必要があったのだ。新たなブランド活動を進めるにあたり、その成果を評価する指標として日経BPコンサルティングの「ブランドジャパン」(BJ)の購入を決めた。キッコーマンにとってブランドは、成長を支える企業価値の源泉という位置づけであり、その評価指標としてBJを活用し続けている。BJの活用方法について、キッコーマン株式会社経営企画室の中島みどり氏とキッコーマン食品株式会社プロダクト・マネジャー室の西村百合氏に伺った。


――2008年にコーポレート・スローガンを刷新されましたね。

はい。新コーポレート・スローガンは“おいしい記憶をつくりたい”で、英語では“seasoning your life”です。

キッコーマンのブランドロゴとコーポレート・スローガン

――その年に弊社のブランドジャパン(BJ)を購入されました。購入までの経緯を教えていただけますか。

2006年にブランド刷新のプロジェクトが立ち上がり、そのプロジェクトのなかでブランドを客観的に、定期的に把握するデータが必要だという議論が高まりました。BJに決めた理由は、客観的であることに加えて、時系列で把握できる設計になっていることでした。これは定期的にブランドをチェックしたい私たちの目的に合致していました。また、導入を決めた時やその後の評価だけでなく、それ以前のデータを遡って入手できる点も決め手になりました。

――BJは2001年に発行しましたので、確かにその時点まで遡れますね。

キッコーマンのコーポレート・スローガン“おいしい記憶をつくりたい。”は、実は同社が2005年に発表した食育スローガンでもある。この食育スローガンの下、社員による出前授業やキッコーマン総合病院の食生活アドバイスといった活動はすでにコーポレート・スローガン制定の前から始まっていた。また、さらに食育スローガンを宣言するより前の2002年、同社はフライパンひとつで簡単に和風惣菜が作れる調味料「うちのごはん」シリーズを発売している。同シリーズは女性の社会進出が進むなか、家庭の食卓を支える忙しい生活者の要望に応えて発売したもの。このように、新スローガンの想いにもとづく活動は以前からキッコーマンの事業に根付いていたといえる。

――BJ以外で検討された調査や指標はありますか。

他社の調査も調べましたし、自前でやっていた企業好意度調査を継続することも検討しました。ただ、それぞれ不満な部分がありました。自前の調査はやはり限界があります。BJのように幅広く世の中の状況を踏まえて自分たちの位置を確認することは無理です。今の時代、競合はどんどん変わっていきます。直接の商品の競合だけではなく、ほかにも多くのブランドがあるなかでお客様の頭のなかに残っていかなくてはいけない。BJはその確認ができるのです。実際、弊社の競合もある意味、変わってきています。あのとき自前の調査にしなくてよかったと思っています。

いつまでも世の中にあってほしいと思われる企業であり続けるために

――2008年から毎年、BJをご購入いただいていますが、社内での評価はいかがですか。

毎年、報告会を開きます。そこには、ものづくりを直接担当するプロダクトマネジャーや技術系の開発部門はもちろん、市場調達、販促担当、宣伝、広報IR、国内営業、海外での事業など多くの部門の担当者や管理職が参加して情報を共有します。またミドルクラス層を集めた組織活性化の研修でもプログラムに組み込んでいます。このように年に何回か情報に接する機会があるので、今では社内の共通言語となっています。

――貴社のスコアを見ると、50代以上の女性の評価が高いですね。

はい、それはありがたいことなのですが、一方で30代以下の女性からの評価をもっと上げることが課題だと思っています。まさにこれから家庭の食卓を支える人たちなのですから。BJのレーダーチャートで見ると、弊社のスコアはフレンドリー(親しみ・好感)とコンビニエント(便利・品質)が高く、イノベーティブ(革新性・注目度)は低いです。食品業界の特長として低く出がちな項目ですが次世代のお客様にも変わらずご支持いただくためにはイノベーティブであることも大事なことだと考えています。

4因子で表したキッコーマンのスコア(BJ2015より) 4因子で表したキッコーマンのスコア(BJ2015より) クリックで拡大

典型的な「フレンドリー・コンビニエント突出型」パターン。このパターンは食品、飲料、家庭用品、製薬などのブランドに多い

――貴社の活動のなかでイノベーティブが伸びるだろうと思われた活動はありましたか。

2010年に「いつでも新鮮 しぼりたて生(なま)しょうゆ」を発売し、翌2011年には「いつでも新鮮卓上ボトル」シリーズを発売しました。両製品とも容器に、空気が入らない仕組みにして新鮮な生しょうゆの色、味、香りを家庭で楽しめるようにしたものです。ある意味、しょうゆの革命だと思っています。市場でもヒット商品として受け入れられました。

――イノベーティブのスコアは伸びましたか。

伸びましたが十分なレベルではありません。ブランドに対する評価は短期間であるいは単一の施策で結果が出るものではなく、継続して取りくむことが大事だと考えています。そうした客観的な視点が得られることが、我々の施策をふりかえりながら、「どうすればもっと幅広いお客様によりそえるのか」といったことを考える契機にもなっています。今は商品ラインナップとともにWebやSNSなど、これまで手薄だったメディアを使って若年層との接点も増やそうとしています。

同社はしょうゆにまつわるクイズやレシピを掲載するFacebookページ「しょうゆラボ」を立ち上げた。またゆず2個分をしぼり入れたぽんず「ゆずか」については、直接顧客の声をきき、利用シーンや訴求メニューを考える活動を行ったという。

――BJの活用方法など、貴重なお話をありがとうございました。

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