―――「ブランド・アジア2018」―――
アジアでの企業ブランド力評価、Googleが首位
インターネット・モバイル関連ブランドが上位を独占
2018年6月29日(金)
株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、アジア9地域でのブランド価値評価調査プロジェクト「ブランド・アジア 2018」(*)の結果をまとめ、2018年6月29日に調査結果データCD-ROMを発売した。
この調査は、個々のブランドが持つ好感度、役立ち度、品質感などのイメージを測定し、地域差の有無やイメージ傾向などを把握するもの。のべ1,180のブランドの企業ブランド力をアジア9地域にて、横断的に算出し、評価した。
グローバルブランドランキングのトップは、4年連続でGoogle
アジア9地域にて、調査対象とした80のグローバルブランドのブランドスコア平均のトップは、Google(表1)。9地域中インドを除く8地域で認知率がほぼ100%となり、ブランド力を構成する「フレンドリー」「コンビニエント」「アウトスタンディング」「イノベーティブ」の4つの要素別では、ブランドの革新性を示す指標「イノベーティブ」が高いスコアを誇った他、タイやベトナムでは、親しみ度合いを示す「フレンドリー」が高かった。なお、別途実施されている日本での調査「ブランド・ジャパン」においても、一般消費者編で、Googleは2018年度首位となり、Googleのアジアでのブランド力の高さは、非常に目を引く形になっている。2位以降は、YouTube、SAMSUNG、Apple、Facebookが並び、今回もアジア全域で、インターネット・モバイル関連ブランドの勢いが衰えなかった。続く6位はadidas、7位はNikeとスポーツ関連ブランドがランクインした。
地域によっては、ローカルブランドが上位を占める
表2は、地域別ブランド力ランキングトップ10である。地域のローカルブランドで首位となったのは、中国のモバイルペイメントのAlipayと、フィリピンのレストランチェーンJollibeeの2ブランド。その他、インドでは乳製品ブランドのAmul、通信事業者のJio、スーパーマーケットのBigBazaar、インドネシアでは、ウォーターブランドのAqua、通信事業者のTelkomsel、食品会社のIndofoodなど、その地域でしかノミネートが無いものの、グローバル企業を押しのけ、その地域で確固たる存在感を示しているブランドも多くある。逆に、マレーシアやタイ、ベトナムなどでは、グローバルブランドが上位を占めている。
日本企業では、SONYやHONDAが上位に
ブランド総合力平均ランキングの中で、トップ10にランクインした日系の企業は、SONYとHONDAであった。SONYとHONDAはともに、9地域すべてで認知率が90%を超え、個性や卓越性を示す「アウトスタンディング」のポイントが総じて高かった。それ以降は、上から、TOYOTA、7-ELEVEn、Canonの順となった。
■「ブランド・アジア 2018」について
中国、インド、インドネシア、マレーシア、韓国、フィリピン、台湾、タイ、ベトナムのアジア9地域において、一般消費者を対象とする定量アンケート調査を実施した。各地域で調査対象となるブランドは、全地域共通で調査する80のグローバル・ブランドと、地域固有のブランドを中心に各地域独自で選定した40のローカル・ブランド、併せて120ブランド(インドは200ブランド、台湾は160ブランド)である。ブランド・イメージに関する設問の他、CSRイメージ、「購入したい」「他者に勧めたい」など、ブランドに対するロイヤルティ(忠誠度)関連の5設問、接触経路などを尋ねている。2018年2月~3月に実施。
日経BPコンサルティング:日経BP社全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9,000万円)
今回(2018) | |||
---|---|---|---|
順位 | ブランド名 | ブランド総合力平均 (ポイント) |
|
1 | 74.1 | ||
2 | YouTube | 71.4 | |
3 | SAMSUNG | 69.5 | |
4 | Apple | 65.9 | |
5 | 65.8 | ||
6 | adidas | 65.2 | |
7 | Nike | 63.1 | |
8 | SONY | 61.8 | |
9 | HONDA | 60.4 | |
10 | KFC | 60.0 |
- 中国
CHINA - インド
INDIA - インドネシア
INDONESIA - マレーシア
MALAYSIA - フィリピン
Philippines - 韓国
SOUTH KOREA - 台湾
TAIWAN - タイ
THAILAND - ベトナム
VIETNAM
-
順位
Rankブランド名
Brandブランド総合力
OVERALL BRAND STRENGTH中国/CHINA 1 Alipay 90.5 2 HUAWEI 83.3 3 Tencent 73.7 4 Apple 72.3 5 adidas 70.3 6 Haier 68.1 7 Google 67.3 8 Baidu.com 65.3 9 PHILIPS 65.0 10 Midea 64.6
調査概要
調査名称
調査目的
- アジア9地域(中国、インド、インドネシア、マレーシア、韓国、フィリピン、台湾、タイ、ベトナム)における主要グローバル・ブランド80のブランド力を調査・測定。個々のブランドが持つ好感、役立ち度、品質感などのイメージや顧客ロイヤルティについて、地域差の有無やブランド力の傾向などを把握する。
- ベンチマークとして、地域固有のブランドを中心に各地域独自で選定した40のローカル・ブランド(インドは120ブランド。台湾は60ブランド。ローカル・ブランドにはグローバル展開するブランドも含まれる)も、該当地域において、調査対象とした。
- 本結果を、各企業のブランディング施策に活用できる形で提供する一方、市場内外におけるどのような事柄がブランド力に影響を与えているかなどの基礎研究に資する。
調査の方針と構成
ブランド・アジアでは、18年目を迎えた日本最大規模のブランド価値評価調査「ブランド・ジャパン」の評価・分析手法を採用した。ブランド総合力の算出にあたって基礎データとなる調査項目の設定や、総合力算出のための共分散構造分析の実施などが共通しており、これまで弊社が蓄積してきたブランド力算出のノウハウを活用している。ブランド・アジアは、アジア9地域の消費者を対象にしたブランド価値評価調査であり、アジアの「生の声」を採取している。
評価・分析にあたって
ブランド総合力の算出にあたって、豊田秀樹氏(早稲田大学 文学学術院教授)のお力をお借りしている。
早稲田大学 文学学術院教授
豊田秀樹氏
心理統計学、教育測定学、マーケティング・サイエンス、統計学のエキスパートとして「ブランド・ジャパン 2002」から結果分析を担当。「ブランド・アジア」プロジェクトでも、初回調査の「ブランド・アジア 2012」から結果分析を担当する。著書に『SASによる共分散構造分析』(東京大学出版会)、『購買心理を読み解く統計学』(東京図書)などがある。
調査対象ブランドについて
- 各地域において、合計120ブランドを調査対象とした。(インドは200ブランド、台湾は140ブランド)
- 共通する80ブランドの業種は、下記の11カテゴリーに限定している。
1 食品・飲料、2 日用品、3 衣料・ファッションアイテム、4 自動車、5 IT・家電、
6 インターネット関連、7 金融、8 飲食店、9 スポーツ関連用品、10 小売、 11 運輸・物流
ローカル・ブランドでは、上記の業種以外に、「情報通信」「メディア・エンタテインメント」などの分類がある
7-ELEVEn | LG | PHILIPS | |
Acer | FamilyMart | LION / Southern Lion | Redbull |
adidas | GAP | L'ORÉAL | RENAULT / Renault Samsung |
AEON | Giant | Louis Vuitton | SAMSUNG |
Air Asia | MAZDA | SHISEIDO | |
AJINOMOTO | H&M | McDonald's | SONY |
Amazon | Haier | meiji | STARBUCKS COFFEE |
Apple | HITACHI | Mercedes-Benz | SUZUKI / Maruti Suzuki |
ASUS | HONDA | Microsoft | TOSHIBA |
AVON | hp | MITSUBISHI ELECTRIC | TOYOTA |
BMW | HUAWEI | Mizuno | |
Canon | HYUNDAI / HYUNDAI KIA | MUJI | unicharm |
CASIO | IKEA | Nestlé | Unilever |
Coca-Cola | Johnson&Johnson | Nike | UNIQLO |
Colgate | kao | Nikon | Volkswagen |
DANONE | Kellogg's | NISSAN | Xerox / Fuji Xerox |
DELL | KFC | Nissin (Cup noodles) | YAHOO! |
Domino's Pizza | KIKKOMAN | Nivea | YAMAHA MOTOR |
Electrolux | Kleenex / Kimberly-Clark | P&G | YouTube |
EPSON | Lenovo | Panasonic | ZARA |
調査手法、回収数など
地域名 | 調査実施都市 | 調査手法 | 回収数 |
---|---|---|---|
中国 | 北京,上海 | ネット調査 | 1,100 |
インド | デリー, ムンバイ, チェンナイ, コルカタ, ルディヤーナー, ナグプール, バンガロール, パートナ, カーンプル, アーメダバード, ハイデラバード, グワーハーティー |
6,783 | |
インドネシア | ジャカルタ | 1,200 | |
マレーシア | クアラルンプール,ペナン,ジョホール | 725 | |
フィリピン | マニラ | 725 | |
韓国 | ソウル | 736 | |
台湾 | 台北,台中,高雄 | 1,400 | |
タイ | バンコク | 726 | |
ベトナム | ハノイ,ホーチミン | 743 |
このリリースに関するお問い合わせ
株式会社 日経BPコンサルティング
ブランドコミュニケーション部
担当:吉田 健一
Tel.03-6811-8310