総合ランキングで「楽天市場」が前回に続きトップ。一般企業首位のサントリーをキリンビールが猛追
―「Webブランド調査2013-春夏」(2013年4月実施)より―
2013年06月28日
日経BPコンサルティング(東京都港区)は、インターネットユーザーが国内500のWebサイトを評価する、「Webブランド調査2013-春夏*」の結果をまとめ(表1)、2013年6月28日に調査結果報告書を発行・発売した。
- 楽天市場が前回に続き第1位をキープ
- 一般企業ランキングでは、3回連続第1位のサントリーにキリンビールが迫る
サイト外への「送客力」アップで、楽天市場が首位をキープ
Webサイトの支持・満足度をもとにサイトとしてのブランド力を評価する「Webブランド指数ランキング」(表1)の第1位は、121.6ポイントを獲得した「楽天市場」。前回(2012年10月実施)に続いてトップを維持した。第2位は前回第3位の「Yahoo! JAPAN」。第3位には前回第4位の「Google」がランクインした。
今回首位となった「楽天市場」(図1)は、1年前の前々回(2012年4月実施)からスコアの上昇が続いている。今回は、サイト外での行動を測る「波及効果指数」が上昇した。他サイトや店舗での製品購入・サービス申込、クチコミの増加によるものである。一方、自サイト内での行動を測る「コンバージョン指数」が低下した。サイト外での消費行動が活発になったのは、評価が大きく上がった「楽天銀行」(表2)など、楽天グループサイトへの誘導や、物産展など実店舗への送客が成功しているとも考えられるが、購入段階での他のECサイトへの流出も懸念される。
第2位の「Yahoo! JAPAN」(図2)は、前回から順位が上がったものの、1年半前の調査(2011年10月実施)からスコアの下降が続き、「楽天市場」との差がより広がった。Webサイトへの訪問頻度を示す「アクセス頻度指数」やリピート意向は第1位であり、「Yahoo! JAPAN」がもっとも多くの人に頻繁に訪問されるサイトであることに変わりはない。しかし、今回は、サイトの使い勝手を示す「サイト・ユーザビリティ指数」が大きく低下した。
第3位の「Google」(図3)は、Webブランド指数は微増にとどまったが、製品・サービスの購入・導入意向やサイト運営者のイメージへの影響が好調で、特に「態度変容指数」が伸びた。サイトの使い勝手の評価も高く、「サイト・ユーザビリティ指数」は「Yahoo! JAPAN」を追い抜いて第1位となっている。
第4位の「Amazon.co.jp」(図4)は、Webブランド指数が18.2ポイント減と大幅に低下した。サイト内および他サイトで製品購入・サービス申込をしたとの回答が減少し、「コンバージョン指数」「波及効果指数」が下がっている。前回調査時の2012年10月には、夏から秋にかけての有料会員サービスのブラッシュアップが続き、ユーザーに支持されたが、今回はその影響が薄らいだとみられる。また、ポイントサービスによる関連サイトとの連携やお得感の訴求が「楽天市場」に及ばないことも、評価を落とした要因と考えられる。
一般企業第1位のサントリーにキリンビールが迫る
一般企業(ネット専業除く)に限定して「Webブランド指数ランキング」(表3)をみると、第1位となったのは、前回に続き「サントリー」の企業サイトだった。スコアは前回より6.9ポイント低下し、総合ランキングでは第9位となった。一般企業サイト中第2位は「キリンビール」。スコアは11.8ポイントと急上昇し、「スコア上昇ランキング」(表2)第1位である。
「サントリー」の個別指数はいずれも60ポイントを上回り、各項目ともバランスよく得票している(図5)。特に「コンバージョン指数」と「態度変容指数」が高く、製品の魅力により購入意欲を喚起、メールマガジンでキャンペーンや新製品の告知を行ない、再来訪を促すサイクルが確立されている。「サントリー」は今回、キャンペーンの利用や製品の購入意向は前回と同じ水準だったが、製品への関心度がやや下がっている。
第2位の「キリンビール」は、前回調査時に低かった「コンバージョン」「態度変容」「波及効果」の3つの指数が向上し、「サントリー」に近い得点傾向となった(図6)。キャンペーンの利用、メルマガ購読・会員ページの利用、製品への関心・購入意欲、クチコミが伸び、「サントリー」と同等の評価を得た。話題性のあるプロモーションが功を奏したようだ。ただし、購入に関する項目(製品の購入意向や店頭での購入)では「サントリー」が「キリンビール」を上回っている。また、「サイト・ロイヤルティ指数」の信頼性でも「サントリー」がリードしており、企業姿勢も含めたブランド力の定着がうかがえる。
サイトのリニューアルが高評価につながったのが、第16位の「味の素 商品情報サイト」。製品情報サイトとグループ企業情報サイトのドメインが分けられ、今回、製品情報サイトとなって初の調査では、前回よりスコアが6.8ポイント上がった。製品への関心度が増し、サイトの使い勝手が向上したため、「態度変容指数」「サイト・ユーザビリティ指数」が上昇している(図7)。自由意見をみると、特に「レシピ」が支持を集めている。「役立つコンテンツが探しやすかったため、実際に商品を買って試してみたい」と、購入意向の喚起にもつながるキラーコンテンツである。
全体上位サイトにおいては関連サイトや実店舗との連携、一般企業上位サイトにおいてはキャンペーンやお役立ちコンテンツによる製品の魅力アピールが高評価につながった。サイト上で提供している機能やサービスの評価をはじめ、製品・サービスのマーケティングや企業広報活動におけるサイトの貢献度を本調査にて確認し、自社サイトの改善・強化にお役立ていただきたい。
(大友直子=日経BPコンサルティング シニアコンサルタント)
「Webブランド調査」とは
企業や団体が運営する日本の主要500サイトについて、「アクセス頻度」、「サイト・ユーザビリティ(Webサイトの使いやすさ)」、「コンバージョン(会員登録や商品購入などサイト内で実際に行われた行動)」、「サイト・ロイヤルティ(Webサイトへの意識やリピート意向)」、「態度変容(サイト運営者のイメージや購入意向への影響)」、「波及効果(Webサイト以外での行動誘発)」の6つの要素をインターネットユーザーが評価。半年ごとに実施し、回答者は毎回3万人以上と、Web評価調査としては日本最大規模である。今回の調査期間は2013年4月10日~22日、有効回答数は36,709サンプル。
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