Webサイトのブランド力、会員サイトの「CLUB Panasonic」がトップ10入り。トップ50には「態度変容」力のあるサイトが並ぶ
―「Webブランド調査2011-秋冬」(2011年10月実施)より―
2012年01月18日
日経BPコンサルティング(東京都港区)は2011年10月に実施した「Webブランド調査2011-秋冬*」の結果をまとめ(表1)、2011年12月21日に調査結果報告書を発行・発売した。「Webブランド調査」は、企業や団体が運営する日本の主要500サイトを調査対象とする。「1.アクセス頻度」や「2.コンバージョン」、「3.サイト・ユーザビリティ」だけでなく、そのサイトに価値があるか、リピート意向を持ったか(「4.サイト・ロイヤルティ」)や、Webサイトの閲覧を通して企業イメージが変化したか(「5.態度変容」)、またWebから得た情報からどのような行動を起こしたか(「6.波及効果」)なども評価の対象となる。これら6つの要素をインターネット・ユーザーにたずね、その調査結果からWebサイトの支持・満足度の指標となる「Webブランド指数(WBI)」を算出した。
パナソニックの会員サイト「CLUB Panasonic」がトップ10入り
Webブランド指数ランキングの第1位は128.1ポイントを獲得した「Yahoo! JAPAN」。第2位には、前回4位の「Amazon.co.jp」(109.4ポイント)が、「楽天市場」(108.6ポイント)、「Google」(97.2ポイント)を抑えてランクインした。ネット専業企業のサイトが上位を占める中、パナソニックの会員サイトである「CLUB Panasonic」が74.0ポイントを獲得し第9位に入った。また、第11位には日本コカ・コーラの会員サイト「コカ・コーラ パーク」(72.3ポイント)がランクインした。前回のスコアと比較すると「CLUB Panasonic」は6.6ポイント、また「コカ・コーラ パーク」は9.2ポイント上昇した。どちらのサイトも「アクセス頻度」と「コンバージョン」でポイントが上がっている。震災から半年後が経ち、顧客のエンゲージメントを築く会員サイトが実力を発揮する結果となった(図1、図2)。
一般企業サイトは「態度変容」がカギ
前回のトップ50圏外から今回トップ50にランクインした一般企業サイトは、「サッポロビール」、「ケンタッキーフライドチキン」、「Apple Store」、「NTTドコモ」、「ホットペッパー グルメ」、「ハウス食品」、「JTB」、「ミスタードーナツ」である。上位の一般企業サイトは「態度変容」のスコアが高い傾向にあり、サイトを見て商品やサービスへの関心を高められるかが評価のカギとなった。
スコア上昇ランキングでは「JVC」と「トリンプ」がトップに
前回のスコアと比較して今回のスコアが最も大きく上昇したのは「JVC」と「トリンプ」(表2)だった。ともに、10.8ポイントの上昇。グループ再編により日本ビクターの企業サイトからブランドサイトとしてリニューアルされた「JVC」は、「サイト・ユーザビリティ」が12.9ポイント上昇、「態度変容」が21.5ポイント上がっており、サイトリニューアルの成功を果たした。
(中村由佳=日経BPコンサルティング コンサルタント)
*「Webブランド調査」とは
企業や団体が運営する日本の主要500サイトについて、インターネット・ユーザーが「アクセス頻度」、「サイト・ユーザビリティ(Webサイトの使いやすさ)」、「コンバージョン(会員登録や商品購入などサイト内で実際に行われた行動度合)」、「サイト・ロイヤルティ(Webサイトのロイヤルティを高める要素は何か)」「態度変容(サイトを運営する企業・組織に対する意識がWebサイト閲覧後に変化したか)」「波及効果(Webサイトを閲覧した結果、対Webサイト以外で実際に行われた行動度合)」の6項目について評価するWebアンケート調査。サイトごとの調査結果を「Webブランド指数(WBI)」としてスコア化し500サイトを相対的に評価する。調査は半年ごとに実施、回答者は毎回3万人以上となり、Web評価調査としては日本最大規模である。1人の回答者には任意の6サイトを評価してもらう。今回の調査期間は2011年10月5日~20日、有効回答数は38,059サンプル。
株式会社 日経BPコンサルティングについて
日経BP社全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。