日本最大級のブランド価値評価プロジェクト

マーケティング戦略に、新たな道しるべ。X全量日本語データが表す、日本の本音

  • 吉田健一

    ブランド本部 本部長 兼 ブランドコミュニケーション部長 兼 大学ブランド・デザインセンター長 兼 周年事業・デザインセンター長 吉田 健一

X(旧Twitter)の全量データから生活者心理を浮き彫りにする、NTTデータのトータルデータ解析サービス「なずき」と、23年の実績を持つ日経BPコンサルティングのブランド価値評価調査「ブランド・ジャパン」。両者を掛け合わせた新サービス― 消費者のインサイトをすくい取り、ブランドイメージ変動の背景を可視化― が、2024年春に稼働します。マーケティング戦略の策定に新たな道しるべとなる価値と展望を、タッグを組んだ両社の担当者が語り合いました。

Z世代の志向性を可視化、Xの全量日本語データを分析

吉田 最初に、貴社の「なずき」事業についてご説明いただけますか。

高田 「なずき」は、NTTデータが保有する「Xに投稿された全日本語データ」を基に、お客様のニーズに合わせてデータを抽出・解析し、顧客理解を深めるインサイトを提供するプラットフォームです。

吉田 ソーシャルリスニングサービスの多くは、消費者の購買行動の可視化にとどまりますが、「なずき」は、例えばZ世代が何を考え、どう選んでいるのかなど、属性ごとの意識や志向性も可視化できるのが特長ですね。

高田 はい。一例として、口腔こうくうケア商品に関心の高い30~40歳代の男性に対し、「自信がない男性」をターゲットにした広告素材を準備していた消費財メーカーがあったのですが、Xデータを分析したところ、実はこの層には「自信を持ってエネルギッシュに活動している男性」が多いと分かったため、それを基にしたペルソナ設計に変更するといったアクションを取ることができました。

ネガティブな本音も大事
トレンド予兆を捉えて売り上げ倍増

高田 真行氏

吉田 そもそも、なぜXなのですか。

高田 Xは、ポジティブとネガティブの両面を含む率直な投稿が多いSNS(交流サイト)だからです。建前ではなく本音が広がっているからこそ、深層のインサイトをつかむことができます。当社はX Corp.(X運営企業)とパートナーシップを結び、日本語ポストデータの全量をリアルタイムに分析・活用いただける「なずきプラットフォーム」を構築しました。

吉田 「全量」のXデータをどのように活用しているのでしょうか。

高田 顧客接点のデジタル化が進むなかで、4500万人の国内アクティブユーザーが存在するXは重要な顧客接点の一つとなっています。私たちは2012年から国内唯一の X全量日本語データをリアルタイム受信可能な立場で、企業向けの分析ツール提供にはじまり、データ分析支援やダッシュボード構築支援など数多くのデータ活用に取り組んできました。最近では消費者起点のトレンド予兆を捉える取り組みを行っており、そのデータを基に改良した商品の売れ行きが大幅に改善した事例も出てきています。

NTTデータの「なずき」事業共創パートナーシップ(一部)

NTTデータの「なずき」事業共創パートナーシップ

NTTデータの「Xデータ分析サービス共創パートナーシップ」。「なずき」を通して同社の共創パートナーが、X日本語全量データを分析・活用可能なインフラを構築している。
※画像はイメージです

ブランドイメージを改善するために
鍵は、データの掛け合わせ

吉田 Xデータ以外との掛け合わせは?

高田 Xデータをサードパーティーデータとして、自社保有データなど複数のデータと掛け合わせ、単独データでは分からなかった事象を明瞭化させる取り組みが増えてきます。

吉田 弊社が2001年から毎年続ける企業ブランド価値評価調査「ブランド・ジャパン」は、企業のブランドイメージの全体像を明らかにするサービスです。ブランド評価の理由を捉える「なずき」と組み合わせることで、定量かつ定性的な分析・改善が実現すると期待しています。

高田 当社は個別にブランド関連の分析は行ってきましたが、「ブランド・ジャパン」が積み重ねてきた大量のデータと組み合わさることで、新たなインサイトを抽出できると考えています。

日経BPコンサルティングの 「ブランド・ジャパン」(分析結果の一部)

日経BPコンサルティングの 「ブランド・ジャパン」の分析結果の一部

日経BPコンサルティングの「ブランド・ジャパン」では、評価項目間相関分析も可能
※画像はイメージです

データ融合が生む新たな光
マーケティング進化を加速

吉田 健一

吉田 もともと、貴社には言語解析チームがあり、日本語解析の実績も豊富だそうですね。弊社もリサーチ部門を構え、勘に頼らずエビデンスを基に考察し、意思決定を行う文化が根付いています。ただ、調査から考察を導くには、組織に蓄積された知見やノウハウが必要であり、一朝一夕の機械化は難しいですよね。

高田 膨大なデータのどこに着眼し、何をどう掛け合わせるかで表れる結果は変わってきます。AIが作業を代替するとしても、その過程での着眼・指示には知見の積み重ねが重要です。

吉田 今後も、強みを同じくする両社の連携を深めていくことで、より解像度の高いインサイトを提供し、日本のマーケティング活動の高度化に貢献していきましょう。ぜひ、よろしくお願いします。

 「ブランド・ジャパン」デモンストレーションのご案内 

「ブランド・ジャパン」は、日経BPコンサルティングが実施する2001年から続くブランド価値評価調査プロジェクトです。

国内に流通する延べ1500のブランドに対して、6万人の一般生活者とビジネスパーソンが評価。経年分析や競合比較などを経て、ブランドの持つ強みや目指すべき方向性を示します。今後「なずき」との連携でより多角的な分析を目指します。この「ブランド・ジャパン」について、担当者よりデモンストレーションをご案内いたします。

デモンストレーションの申し込みは
こちらから

動画版インタビューを特別公開中!

「もっと知りたい」方へ、NTTデータが取り組むXを用いたトレンド予測の限定インタビュー動画を公開しています。先進事例を交え、「なずき」と「ブランド・ジャパン」が切り開く新たなマーケティングの可能性に迫ります。

今すぐ視聴できますので、ご希望の方は下記からお申し込みください。

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ブランド本部 本部長 兼 ブランドコミュニケーション部長
兼 大学ブランド・デザインセンター長
兼 周年事業・デザインセンター長
吉田 健一

IT企業を経て、日経BP社に入社。日経BPコンサルティングに出向後、2001年より始まった日本最大のブランド価値評価調査「ブランド・ジャパン」ではプロジェクト初期から携わり、2004年からプロジェクト・マネージャー。2020年から現職。企業や大学のブランディングに関わるコンサルティング業務に従事する傍ら、各種メディアへの記事執筆、セミナー講師などを務める。著書に「リアル企業ブランド論」「リアル大学ブランドデザイン論」(共に弊社刊)がある。

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