企業研究商品の周年記念品
カップヌードル50周年記念ポーチを開封してみた
- 文=菅野和利
- 2022年05月24日
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周年事業は商品のブランディング向上になる。2021年、カップヌードル発売50周年を迎えた日清食品は特設サイトを公開したり、2つの味を混ぜたスーパー合体シリーズを開発したりと様々な施策を行った。 「NISSIN 日清食品」は「ブランド・ジャパン2022」(日経BPコンサルティング調べ)の総合力ランキング一般生活者編で3位となり、2021年の6位から順位を上げた。2021年はカップヌードル50周年のほか、どん兵衛と日清焼そばU.F.O.も45周年を迎えていた。商品の周年を効果的にアピールしたのもブランド順位の向上に寄与したと見られる。
ブランド・ジャパンの調査結果を見て、ふと思い出した。コンビニエンスストアでカップヌードル50周年記念のポーチ付きBOOKを買っていたのだ。きれいなまま取っておきたくてなかなか開けられなかったのだが、今こそ開封する時がきた。
自然とインフルエンサーになってしまうポーチ
ポーチBOOKはコンビニの雑誌棚で販売されていた。箱型ではあるものの厚さは2cm弱と薄い。とてもポーチが入っているようには見えない。もしやペラペラで使い物にならなかったりして……。はやる気持ちを抑えてビニールテープをはがしていく。
なかなかビニールテープがはがれないが、ここで雑にはがすと表紙も一緒にはがれてしまう。ゆっくり丁寧にビニールテープを取っていく。5分ほど掛かっただろうか。すべてのビニールテープをはがした。ついに箱を開ける。内箱から注意深く中身を取り出す。
あ、本当にポーチだ。
薄い箱から実用にも耐えそうな重量感のある物体が出てくる驚きと、それがカップヌードル型のポーチであるという面白さ。これはカップヌードルファンならずとも興奮する。思わず「おお!」と声が漏れる。会社で開封していたのだが、通りすがりの社員が足を止めて話しかけてくる。「何ですか、それ」。
カップヌードル発売50周年を記念して作られたポーチで、コンビニで売っていて、うんぬんかんぬんと説明していて気付いた。自分がいつの間にかカップヌードルのインフルエンサーになっている。恐るべき記念ポーチだ。このポーチBOOKを開封した多くのファンが私と同じように驚きを周りに伝えたに違いない。
なお、ポーチ「BOOK」なので、中面でカップヌードルに関する記事が読める。見開き2Pで50年の歴史が分かる年表コーナーでは「このカップヌードル、昔あったなあ」と懐かしい。
エンゲージメントは細部に宿る
初めの驚きから冷静になり、ポーチのつくりを細かく見ていく。パッケージデザインはカップヌードルそのものだ。よく見ると、注意書きが食品のカップヌードルと異なっている。「こう見えてポーチ」「撮影すると映えるかも」という記載を見つけた。まんまと笑ってしまった。
ポーチとしての使い勝手はどうか。フタの部分はファスナーになっている。ここでも楽しい驚きがあった。なんとファスナーの金具がフォークになっていた。
フタ部分はきちんと猫耳になっている。猫耳を解説すると、カップヌードルではプラスチック量を削減するために、お湯を入れた後のフタ止めシールをやめて、耳を2つ付けた。これによって年間33トンのプラスチックを削減できる見込みだという。
ファスナーを開けると裏面に猫のイラストが描いてあり、中面はカラフルなデザインになっている。「かわいい!」と声には出さなかったが、かわいい。もはや開封作業そのものがエンターテインメントだ。
開封作業を終了した。この30分ほどで日清食品へのエンゲージメント(愛着)が明らかに高まった。商品の周年をうまく活用すれば、商品だけでなく企業のブランディング向上になる。その好例だった。
最後にカップヌードルのポーチにカップヌードルを入れてみた。ビッグサイズがちょうど入る。カップヌードルをカップヌードル型ポーチに入れるマニアック感がたまらない。このポーチに入れたカップヌードルは、より“貴重品感”が高まるはずだ。
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- 2022年05月24日
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