Webサイトのブランド力、総合編では「Amazon.co.jp」がはじめて、一般企業編では「ヤマト運輸」が5年ぶりに、首位に
日経BPコンサルティング調べ 「Webブランド調査2015-秋冬」
2015年12月19日
株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、3万人以上のネットユーザーが国内500のサイトを評価する「Webブランド調査2015-秋冬」の結果をまとめた。リニューアルの効果や製品への関心、企業の好感度への影響を明らかにするもので、2015年12月18日に調査報告書を発行・発売した。
調査結果のポイント
- 総合ランキングは、「Amazon.co.jp」が初の総合首位を獲得、「Yahoo! JAPAN」を抜く
- 一般企業編(インターネット専業企業を除く)で、「ヤマト運輸」が急上昇し、首位に!
第1位「ヤマト運輸」は、5年ぶりに首位奪還。好感、利用意向を高めた。新サービスのプロモーションが影響か。 - スコア上昇サイト:ユーザビリティが評価された「HMV ONLINE」「マツモトキヨシ」
「HMV ONLINE」はグローバルナビゲーションの内容を、また「マツモトキヨシ」はトップページの構成を変更し、「デザインの見やすさ」「内容のわかりやすさ」など、ユーザビリティの向上が、高評価につながった。
「Amazon.co.jp」が初の総合首位を獲得、Webサイト以外での行動を誘発し、「Yahoo! JAPAN」を抜く
調査対象500サイト中の総合ランキング第1位となったのは「Amazon.co.jp」。前回第1位の「Yahoo! JAPAN」、第2位の「楽天市場」は1つずつ順位を落とした。(図表1)。
「Amazon.co.jp」は「波及効果」「アクセス頻度」「態度変容」でスコアが上昇した。特に「波及効果」において、「電話、店頭など対面での資料請求、照会」「このサイトの情報を口頭やメールなどで特定の人に伝達」との回答が増えた。第2位の「Yahoo! JAPAN」は、「態度変容」を除く全ての項目でスコアが下がった。特に、「波及効果」の低下が響き、「Amazon.co.jp」に抜かれた。
企業への好感、利用意向を高め、「ヤマト運輸」が5年ぶりの首位に返り咲く
一般企業448サイト(インターネット専業企業を除く)の「Webブランド指数」トップ3は、「ヤマト運輸」「サントリー」「CLUB Panasonic」。(図表2)
第1位の「ヤマト運輸」は、親しみやすさ、サービスへの関心、利用意向が高まり、サイト上での購入が増加した。ヤマト運輸は2015年4月に、「宅急便コンパクト」「ネコポス」などの新サービスをリリースし、取り扱い店をコンビニまで拡大した。また、新サービスのイベントやYouTubeでの猫を利用した動画が話題を呼んだことも記憶に新しい。これらが「利用意向」企業への好感などを高めた要因と考えられる。(図表3)。
第2位は、前回1位の「サントリー」(ホールディングスのポータルサイト)。「波及効果」「サイト・ユーザビリティ」が減少し、1年前(2014年-秋冬)と同水準となった。2015年春に発売され、話題を集めた新製品に対する、ブログやSNSでの書き込みが一段落したことも要因とみられる。(図表4)。
提供サービスに適したデザイン変更が評価された「HMV ONLINE」、ファーストビューの情報量を減らし、コンテンツの見やすさ、検索しやすさが評価された「マツモトキヨシ」
スコア上昇幅(図表5)が最も大きかったサイトは2つ。「HMV ONLINE」は、グローバルナビゲーションに掲載している情報の順番や要素を変更した。前回は、「ホームコンビニエンス」「エンターテインメント」の順に掲載していたが、今回はその順序を逆にし、また「CD・DVD」という表示を「音楽CD・DVD」「映像DVD・Blu-ray」に分割。より提供サービスに適した、わかりすい構成となり、「態度変容」「サイト・ユーザビリティ」が大きく上昇。「サイト・ユーザビリティ」では、特に「デザインの見やすさ」「内容のわかりやすさ」への評価が高まった。(図表6)
「マツモトキヨシ」はトップページの構成を変更した。グローバルナビゲーションを整理し、ファーストビューの情報量を減らすことで、より検索しやすいサイト構成となった。この変更が奏功し、「態度変容」「サイト・ユーザビリティ」「サイト・ロイヤルティ」が上昇。特に「デザインの見やすさ」「内容の分かりやすさ」「全体的な使い勝手」への評価が大きく伸びた。(図表7)
今回の調査では、ユーザー目線で、情報量や項目の整理、文言を変更するなど、表現を工夫し、製品や企業の魅力を伝えたサイトが評価された。企業のマーケティングや広報活動におけるサイトの貢献度を本調査で確認し、顧客接点の改善や強化にお役立ていただきたい。
Webブランド調査について
調査目的 | 半期に一度、Webサイトのブランド力を測定(4月、10月)し、企業や団体のWebにおけるブランド・コミュニケーション戦略の成果を定点観測する |
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調査手法 | インターネット調査 |
調査対象 | 全国、20歳以上のインターネット・ユーザー(日経BPコンサルティング調査モニター、提携調査会社の調査協力者など) |
有効回答数 | 34,217件 |
調査対象ブランド | 企業や団体が運営する日本の主要500サイト |
調査実施期間 | 2015年10月9日(金)~10月22日(木) ※半年ごとに年2回実施(春夏:4月、秋冬:10月) |
調査企画・実施 | 日経BPコンサルティング |
このリリースに関するお問い合わせ
株式会社 日経BPコンサルティング ブランドコミュニケーション部
山本爽子
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