日経BPコンサルティング調べ 「大学スマホ・サイト ユーザビリティ調査2025-2026」 10月24日発行・発売

大学スマホ・サイト評価、名古屋市立大学と北海学園大学が1位に
— 東京科学大学は一気に187ランクアップ、大きな文字が特徴のデザイン採用で —

2025年10月24日

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、大学のスマートフォン・サイト(以下、スマホ・サイト)を使いやすさの観点から評価する「大学スマホ・サイト ユーザビリティ調査 2025-2026」の結果をまとめた。総合ランキング1位は名古屋市立大学と北海学園大学。3位に東京工芸大学、4位に工学院大学が入り、前回トップ4に名を連ねた4大学が今回もトップ4を独占した。新たにトップ20入りした大学は金城学院大学(7位)、立教大学(15位)、そして東京電機大学(18位)の3校。順位の上昇幅が最も大きかったのは東京科学大学。東京医科歯科大学と東京工業大学が統合した同大学は東京工業大学のサイトをベースにしながらも大きな文字を特徴とした新たなデザインを採用し、前回の230位(東京工業大学の順位)から43位へと順位を上げた。

ポイント

  • ■1位は名古屋市立大学と北海学園大学。名古屋市立大は3度目、北海学園大は2度目の1位。

  • ■新たにトップ20入りしたのは金城学院大学、立教大学、東京電機大学。

  • ■東京科学大学は230位から43位へ急伸。統合した大学サイトで採用した新デザインが奏効。

調査結果データ

名古屋市立大学と北海学園大学は過去にも1位獲得の実績

本調査は2015年から毎年、実施している。名古屋市立大学は2019年と2020年に1位を獲得しており今回が3度目、北海学園大学は2022年に1位になっており今回が2度目となる。

東京科学大学は米MITと同レベルの読みやすい文字サイズを採用

日本の大学スマホ・サイトでは小さな文字が多用され、特にトップページに小さい文字を使う例が多い。米Googleが推奨する文字の標準サイズは16 CSSピクセル(※)であるものの、本調査で調べたところ4校のうち3校の割合でトップページに12 CSSピクセル未満の文字が使われている。
東京科学大学では新たにサイトを立ち上げるに当たり、トップページの記事見出しを約18 CSSピクセルにした。これは例えば米マサチューセッツ工科大学(MIT:Massachusetts Institute of Technology)のスマホ・サイトの記事見出しと同じ大きさである(※※)。

※CSS ピクセル:ブラウザで表示する文字や図形のサイズを指定する単位。例えば12 CSSピクセルの文字はiPhone 8のブラウザで表示すると高さ約1.9mmになる。これより小さいと読みづらいといわれている

※※ 日本と米国の大学スマホ・サイト比較:一般に米国の方が大きな文字を採用していて読みやすい

審査基準について

スマホは画面が小さいため、文字が見にくい、あるいは操作がしにくいといったユーザビリティ上の問題が生じやすい。米Appleや米Googleはスマホ・アプリ開発者向けにガイドラインを出しており、スマホ・サイトを作る場合もこれらガイドラインに準じて作成されることが多い。ただし、スマホは機種が多く、すべてのスマホに該当する評価基準は提案しにくい。ましてや同じ評価基準で複数のサイトを評価する調査は極めて少なかった。日経BPコンサルティングでは、日本で普及している機種グループである4.7インチ画面のiPhoneを対象機種と定め(※※※)、これまでの大学サイト診断のノウハウを盛り込んだ独自の審査基準を作成した。この基準は米Appleや米Googleのガイドラインを参考にしており、8つの審査カテゴリー(指標)から成る。詳しくは「総合スコアの算出方法」を参照。

※※※ iOS18 を搭載したiPhone 8、および SE(第2~3世代)が該当機種

参考資料

《総合ランキング》
●総合ランキング、上位20位(2025年)

順位 大学名 総合スコア 前回の順位
1位 名古屋市立大学 97.33 4位
1位 北海学園大学 97.33 2位
3位 東京工芸大学 96.44 1位
4位 工学院大学 93.33 3位
5位 東京都市大学 86.89 7位
6位 駒沢女子大学 86.67 9位
7位 金城学院大学 86.56 24位
8位 西日本工業大学 83.33 8位
9位 東京工科大学 83.00 6位
10位 青山学院大学 82.89 11位
11位 北海道科学大学 81.22 12位
12位 城西国際大学 81.11 20位
13位 明治学院大学 80.56 5位
14位 帝京大学 80.22 13位
15位 立教大学 79.67 21位
16位 崇城大学 79.33 13位
17位 神戸学院大学 78.89 15位
18位 静岡県立大学 77.00 16位
18位 東京電機大学 77.00 23位
20位 大阪電気通信大学 76.22 19位

《順位の上昇幅ランキング》
●順位の上昇幅ランキング、上位20位 (100位以内に入ったサイト限定、2025年)

※東京科学大学の前回順位は2024年の東京工業大学の順位

上昇幅
ランキング
大学名 今回の
順位
前回の
順位
1位 東京科学大学 43位 230位※
2位 愛知工業大学 42位 200位
3位 京都産業大学 53位 207位
4位 名古屋工業大学 33位 185位
5位 国士舘大学 25位 132位
6位 東洋大学 79位 178位
7位 帝京科学大学 84位 178位
8位 島根大学 98位 166位
9位 東京農業大学 45位 110位
10位 南山大学 82位 140位
11位 三重大学 41位 98位
12位 駒澤大学 73位 128位
13位 文教大学 57位 99位
13位 明海大学 52位 94位
15位 椙山女学園大学 60位 101位
16位 埼玉大学 95位 135位
17位 四天王寺大学 77位 111位
18位 関西大学 54位 87位
19位 奈良女子大学 90位 121位
20位 神戸市外国語大学 68位 96位
  • ■総合スコアの算出方法:

    以下に示す8つの審査カテゴリー(指標)の下、合計で47項目で審査した。

    1.通信への配慮:表示は速いか、通信量は多くないかを確認するカテゴリー
    2.見やすさ : 文字の大きさ、表や画像の見やすさなどを評価するカテゴリー
    3.操作のしやすさ : タップ領域やスクロールのしやすさを評価するカテゴリー
    4.トップページ・ユーザビリティ : トップページのナビゲーション機能を評価するカテゴリー
    5.サイト・ユーザビリティ : サイト内を巡るときのサポート機能を評価するカテゴリー
    6.メインコンテンツへのアクセス : 主要コンテンツの有無とアクセスのしやすさを評価するカテゴリー
    7.サイト内検索 : 検索の精度を評価するカテゴリー
    8.インタラクティブ : 交通アクセスや問い合わせ案内を評価するカテゴリー

    審査項目ごとに、クリアすれば「1」点、そうでなければ「0」点と採点。総合スコアは、これら審査項目の点数に重み付けをして、合計100点満点でスコア化した。

  • ■調査対象サイト:
    調査対象はスマホ・サイトを提供している国立大学、公立大学、私立大学のうち、学部学生数の多い大学(国公立大学で2,000人以上、私立大学で3,000人以上)。これに一部大学を含め、トータルで256サイトとした。内訳は国立大学64校、公立大学20校、私立大学172校。医科大学や薬科大学などの単科大学は除いた。
    (調査実施期間:2025年6月上旬~9月上旬)
    →(報告書の内容) https://consult.nikkeibp.co.jp/branding/solutions/univ-sp-site-ux/
  • ■日経BPコンサルティング:
    日経BP全額出資子会社。「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(本社:東京、設立:2002年3月1日。資本金:9,000万円)

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