日経BPコンサルティング調べ
「大学スマホ・サイト ユーザビリティ調査2023-2024」 10月27日発行・発売

大学スマホ・サイト調査、東京工芸大学が1位奪還
— 上位4校が90点台のかつてないハイレベルな戦い —

2023年10月27日

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は大学のスマートフォン・サイト(以下、スマホ・サイト)を使いやすさの観点から評価する「大学スマホ・サイト ユーザビリティ調査 2023-2024」の結果をまとめた。総合ランキング1位は過去最高得点タイのスコアを出した東京工芸大学。上位4校が90点台というかつてないハイレベルな争いを制した。新たにトップ10入りした大学は工学院大学(3位)と西日本工業大学(8位)、および駒沢女子大学(10位)。西日本工業大学は前回の188位から一気に順位を上げた。順位の上昇幅が最も大きかったのは札幌学院大学。前回の247位から196ランクアップし、51位まで駆け上がった。

ポイント

  • 総合ランキング1位は東京工芸大学。過去最高得点タイの高得点で。

  • 新たにトップ10入りしたのは工学院大学と西日本工業大学、および駒沢女子大学。

  • 札幌学院大学は247位から51位へ196ランクアップ。今回、最も大きい上昇幅。

調査結果データ

上位4校が90点台を獲得するかつてないハイレベルな争い

ユーザビリティのレベルは全体に上向いており、特に上位校のレベルは上がっている。今回は1位から4位までが90点台を出す、かつてないハイレベルなスコアとなった。トップ争いが激しくなるなか1位を奪取したのは、2022年の北海学園大学と並ぶ過去最高得点タイの総合スコア97.33(100点満点中)を出した東京工芸大学だった。2021年から2年ぶり2度目の1位に輝いた。

ユーザビリティに熱心な大学は学部学生数の少ない大学にも

今回トップ10入りした大学のなかで、西日本工業大学と駒沢女子大学は「学部学生数3,000人以上の私立大学」というノミネート条件を満たしていない大学だが、ユーザビリティへの取り組みに注目して調査対象に入れた。前回調査対象入りした西日本工業大学は初の診断で188位だったが、今回大躍進を果たし、8位の座を獲得した。一方、今回調査対象となった駒沢女子大学は、いきなりトップ10入りを果たした。

チャットボット導入サイトが目立つ

この2年ほどの間にチャットボット(※)を導入する大学が増えている。当初は職員の負担軽減が目的だった。コロナ禍で講義をオンライン型に切り替えた際に、教員/学生からPCやネットに関する問い合わせが増え、これに職員が対応しきれない状況が出たためだ。だが最近は、在学生や受験生との接点として意識的にサイトに掲載する大学が出始めた。学生が電話やメールよりも気軽に利用してくれるからだ。例えば同志社大学は、在学生とのコミュニケーションを意識してサイトの「在学生の方」ページにチャットインターフェースとなるキャラクターを登場させている。現時点でチャットボットは本調査の評価と直接関係はない。だが、学生にとって「使いやすい問い合わせ窓口」という認識が広まってくれば、ユーザビリティの評価ポイントになる可能性はある。

※ テキストや音声を使って人間の代わりに対話を行う自動応答システム

審査基準について

スマホは画面が小さいため文字が見にくい、あるいは操作がしにくいといったユーザビリティ上の問題が出やすい。米Appleや米Googleはスマホ・アプリ開発者向けにガイドラインを出していて、スマホ・サイトを作る場合はこれらガイドラインに準じて作成されることが多い。ただし、スマホは機種が多く、画面サイズや解像度が多岐にわたるため、すべてのスマホに該当する評価基準は提案しにくい。まして複数のサイトを同じ基準で評価する調査事例は少なかった。日経BPコンサルティングでは、日本で普及している機種グループである4.7インチ画面のiPhoneを対象機種と定め(※※)、これまでの大学サイト診断のノウハウを盛り込んだ独自の審査基準を作成した。8つの審査カテゴリー(指標)から成る。米Appleや米Googleのガイドラインを参考にした。詳しくは「総合スコアの算出方法」を参照。

iOS16を搭載したiPhone 8、およびSE(第2~3世代)が該当機種

参考資料

《総合ランキング》
●総合ランキング、上位20 (2023年)

順位 大学名 総合スコア 前回の順位
1 東京工芸大学 97.33 2 位
2 北海学園大学 96.00 1 位
3 工学院大学 93.33 12 位
4 東京工科大学 91.11 4 位
5 名古屋市立大学 89.33 3 位
6 北海道科学大学 88.78 7 位
7 青山学院大学 87.56 4 位
8 大妻女子大学 84.67 8 位
8 西日本工業大学 84.67 188 位
10 駒沢女子大学 83.33 ― 位
11 金城学院大学 81.78 146 位
12 東京都市大学 81.56 14 位
13 明治学院大学 80.56 9 位
14 崇城大学 79.78 6 位
15 帝京大学 79.56 11 位
16 静岡県立大学 78.78 13 位
17 下関市立大学 78.22 37 位
18 日本女子大学 77.33 28 位
19 福岡教育大学 76.89 15 位
20 神戸学院大学 75.33 9 位

《順位の上昇幅ランキング》
●順位の上昇幅ランキング、上位20 (100位以内に入ったサイト限定、2023年)

上昇幅
ランキング
大学名 今回の
順位
前回の
順位
1 札幌学院大学 51位 247位
2 滋賀大学 27位 215位
3 西日本工業大学 8位 188位
4 成城大学 88位 225位
5 金城学院大学 11位 146位
6 明治大学 56位 164位
7 同志社大学 42位 149位
8 大阪産業大学 98位 202位
9 学習院大学 90位 191位
10 城西大学 95位 177位
11 三重大学 62位 139位
12 中央学院大学 36位 101位
13 駿河台大学 32位 96位
14 昭和女子大学 58位 120位
15 跡見学園女子大学 26位 74位
16 神田外語大学 61位 108位
17 北星学園大学 63位 107位
18 愛知県立大学 44位 84位
19 立教大学 25位 62位
20 東京家政大学 37位 73位
  • ■総合スコアの算出方法

    以下に示す8つの審査カテゴリー(指標)の下、合計で47の審査項目を用意した。

    1.通信への配慮:表示は速いか、通信量は多くないかを確認するカテゴリー
    2.見やすさ:文字の大きさ、表や画像の見やすさなどを評価するカテゴリー
    3.操作のしやすさ:タップ領域やスクロールのしやすさを評価するカテゴリー
    4.トップページ・ユーザビリティ:トップページのナビゲーション機能を評価するカテゴリー
    5.サイト・ユーザビリティ:サイト内を巡るときのサポート機能を評価するカテゴリー
    6.メインコンテンツへのアクセス:主要コンテンツの有無とアクセスのしやすさを評価するカテゴリー
    7.サイト内検索:検索の精度を評価するカテゴリー
    8.インタラクティブ:交通アクセスや問い合わせ案内を評価するカテゴリー

    審査項目ごとに、クリアすれば「1」点、そうでなければ「0」点と採点。総合スコアは、これら審査項目の点数に重み付けをして、合計100点満点でスコア化した。

  • ■調査対象サイト
    調査対象はスマホ・サイトを提供している国立大学、公立大学、私立大学のうち、学部学生数の多い大学(国公立大学で2,000人以上、私立大学で3,000人以上)。これに一部大学を加え、トータルで266サイトとした。内訳は国立大学64校、公立大学18校、私立大学184校。医科大学や薬科大学などの単科大学は除いた。
    (調査実施期間:2023年6月上旬~9月上旬)
    →(報告書の内容) https://consult.nikkeibp.co.jp/branding/solutions/univ-sp-site-ux/
  • ■日経BPコンサルティング
    日経BP全額出資子会社。「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(本社:東京、設立:2002年3月1日。資本金:9,000万円)

このリリースに関するお問い合わせ

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