日経BPコンサルティング調べ
「大学スマホ・サイト ユーザビリティ調査2022-2023」 10月28日発行・発売

大学スマホ・サイト調査、北海学園大学が過去最高スコアで1位
— 北海道科学大学と大妻女子大学がトップ10入り —

2022年10月28日

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は使いやすさの観点から大学のスマートフォン・サイト(以下、スマホ・サイト)を評価する「大学スマホ・サイト ユーザビリティ調査 2022-2023」の結果をまとめた。今回の総合ランキング1位は北海学園大学で、審査した47項目のうち46項目で合格し、減点となったのは1項目のみ。総合スコア97.33(100点満点中)を獲得した。これは本調査始まって以来の最高得点である。新たにトップ10入りした大学は北海道科学大学(7位)と大妻女子大学(8位)で、北海道科学大学は前回の150位から一気に順位を上げた。順位の上昇幅が最も大きかったのは東京女子大学。177ランクアップを実現し、前回の201位から24位まで駆け上がった。

ポイント

  • 総合ランキング1位は北海学園大学。本調査始まって以来の高得点をたたき出した。

  • 北海道科学大学と大妻女子大学が新たにトップ10入り。

  • 東京女子大学は201位から24位へ177ランクアップ。今回、最も大きい上昇幅だった。

調査結果データ

北海学園大学のスコアを押し上げた「PCで表示」ボタン

前回、北海学園大学サイトは総合スコア86.78で3位だった。今回はそこから10ポイントほどアップしたわけだが、大きな要因は「PCで表示」ボタンを実装したことだ。
スマホでWebサイトを見ているときに、あえてPC向けの表示画面が見たくなることがある。それはリンクや機能がスマホ向けには省かれている場合や、リンクの掲載場所をPC向け表示では覚えているのにスマホ向け表示で見つからないときなどだ。そうしたときにPC表示とスマホ表示を切り替えられるボタンがあると便利。北海学園大学はトップページおよび主要ページに切り替えボタンを付け、サイトの利便性をさらに高めた。
この切り替えボタンは、総合ランキング上位20の大学の65%(13校)がトップページに置いている。

教員一覧を提供する大学、5割を超える

教員一覧ページをスマホ向けに提供する動きが加速している。前回も49%の大学が提供していたが、今回は56%に上がり、5割を超えた。研究者としての側面を持つ教員を広く知ってもらい、産学官連携や地域連携を促進したい思惑がある。

女子大学の躍進が目立つ

ここ数年の傾向として女子大学の躍進が目立っている。総合ランキング上位20および上昇幅ランキング上位20を見ると、女子大学の比率は15%(3校)と20%(4校)。調査対象大学270校における女子大学の比率は約9%なので、ユーザビリティを意識してサイトを作っている大学の比率が共学の大学に比べてやや高いといえる。

審査基準について

スマホは画面が小さいため文字が見にくい、あるいは操作がしにくいといったユーザビリティ上の問題が出やすい。米Appleや米Googleはスマホ・アプリ開発者向けにガイドラインを出しており、スマホ・サイトを作る場合はこれらガイドラインに準じて作成されることが多い。ただし、スマホは機種が多く、画面サイズや解像度が多岐にわたるため、すべてのスマホに該当する評価基準は提案しにくい。まして複数のサイトを同じ基準で評価する調査事例は少なかった。日経BPコンサルティングでは、日本で普及している機種グループである4.7インチ画面のiPhoneを対象機種と定め(※)、これまでの大学サイト診断のノウハウを盛り込んだ独自の審査基準を作成した。8つの審査カテゴリー(指標)から成る。米Appleや米Googleのガイドラインを参考にした。詳しくは「総合スコアの算出方法」を参照。

※ iPhone 6s/7/8、およびSE(第1~3世代)が該当機種

参考資料

《総合ランキング》
●総合ランキング、上位20 (2021年)

順位 大学名 総合スコア 前回の順位
1 北海学園大学 97.33 3 位
2 東京工芸大学 96.44 1 位
3 名古屋市立大学 89.78 7 位
4 青山学院大学 87.56 6 位
4 東京工科大学 87.56 2 位
6 崇城大学 86.89 4 位
7 北海道科学大学 83.89 150 位
8 大妻女子大学 82.00 79 位
9 明治学院大学 81.78 5 位
9 神戸学院大学 81.78 10 位
11 帝京大学 81.56 8 位
12 工学院大学 80.48 110 位
13 静岡県立大学 80.11 11 位
14 東京都市大学 79.67 12 位
15 福岡教育大学 76.44 175 位
16 実践女子大学 75.22 9 位
17 東京電機大学 74.56 13 位
18 東京農工大学 74.44 76 位
19 広島修道大学 74.33 19 位
20 ノートルダム清心女子大学 73.78 23 位

《順位の上昇幅ランキング》
●順位の上昇幅ランキング、上位20 (100位以内に入ったサイト限定、2022年)

上昇幅
ランキング
大学名 今回の
順位
前回の
順位
1 東京女子大学 24位 201位
2 福岡教育大学 15位 175位
3 北海道科学大学 7位 150位
4 四天王寺大学 77位 204位
5 宮城学院女子大学 43位 152位
6 工学院大学 12位 110位
7 甲南大学 60位 157位
8 中央大学 51位 138位
9 大阪電気通信大学 64位 149位
10 城西国際大学 54位 137位
11 淑徳大学 93位 170位
12 大妻女子大学 8位 79位
13 東京農工大学 18位 76位
14 玉川大学 47位 104位
15 岡山大学 48位 98位
16 久留米大学 41位 90位
16 群馬大学 91位 140位
18 島根大学 98位 138位
19 共立女子大学 93位 132位
20 愛知教育大学 89位 123位
  • ■「総合スコアの算出方法」

    以下に示す8つの審査カテゴリー(指標)の下、合計で47の審査項目を用意した。

    1.通信への配慮:表示は速いか、通信量は多くないか確認するカテゴリー
    2.見やすさ:文字の大きさ、表や画像の見やすさなどを評価するカテゴリー
    3.操作のしやすさ:タップ領域やスクロールのしやすさを評価するカテゴリー
    4.トップページ・ユーザビリティ:トップページのナビゲーション機能を評価するカテゴリー
    5.サイト・ユーザビリティ:サイト内を巡るときのサポート機能を評価するカテゴリー
    6.メインコンテンツへのアクセス:主要コンテンツの有無とアクセスのしやすさを評価するカテゴリー
    7.サイト内検索:検索の精度を評価するカテゴリー
    8.インタラクティブ:交通アクセスや問い合わせ案内を評価するカテゴリー

    審査項目ごとに、クリアすれば「1」点、そうでなければ「0」点と採点。総合スコアは、これら審査項目の点数に重み付けをして、合計100点満点でスコア化した。

  • 「調査対象サイト」
    調査対象はスマホ・サイトを提供している国立大学、公立大学、私立大学のうち、学部学生数の上位大学(多い大学)。これに一部大学を含め、トータルで270サイトとした。内訳は国立大学64校、公立大学20校、私立大学186校。医科大学や薬科大学などの単科大学は除いた。
    (調査実施期間:2022年6月上旬~9月上旬)
    →(報告書の内容) https://consult.nikkeibp.co.jp/branding/solutions/univ-sp-site-ux/
  • 日経BPコンサルティング
    日経BP全額出資子会社。「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(本社:東京、設立:2002年3月1日。資本金:9000万円)

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