Webサイトのブランド力、総合編は2回連続で「楽天市場」が首位
一般企業サイト編のトップ3は、「サントリー」「キリン」「キッコーマン」

日経BPコンサルティング調べ 「Webブランド調査2021-秋冬」

2021年12月20日

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、3万人以上のネットユーザーが国内500のサイトを評価する「Webブランド調査2021-秋冬」の結果をまとめた。Webサイトのリニューアルの効果や製品への関心、企業の好感度への影響等を明らかにするもので、2021年12月20日に調査報告書を発行・発売した。報告書は年に2度発行している(「春夏編」「秋冬編」)。

調査結果のポイント

  • 総合ランキングは「楽天市場」が前回に続き首位を獲得。「Yahoo! JAPAN」「Amazon」が続く
  • 一般企業編(インターネット専業企業を除く)では、「サントリー」が9回連続でトップ。第2位は「キリン」、第3位に「キッコーマン」がランクイン
  • スコア上昇サイトトップ3は「スターバックス コーヒー ジャパン」「じゃらんnet」「東京メトロ」

総合ランキングトップは、2回連続で「楽天市場」。サイト接触による「行動喚起」のスコアが突出しており、利便性の高いサイトとして高評価を獲得

調査対象500サイト中の総合ランキング第1位となったのは、「楽天市場」で、前回に続き、首位を獲得した。第2位は前々回トップの「Yahoo! JAPAN」、3位は「Amazon」。トップ3は前回同様の顔ぶれとなった(図表1)。

第1位の「楽天市場」のWebブランド指数(WBI)は、前回113.0ポイントから3.0ポイント増の116.0ポイント。個別の評価指標のうち、「行動喚起」のスコアが171.6ポイントと極めて高い評価を得た。高いアクセス頻度を背景として、サイトからの製品・サービスの購入やキャンペーンコンテンツの利用などの行動が活発に行われているサイトである。「サイト・ロイヤルティ」の「利便性」の評価も高く、日々の生活に密着した「役に立つ」オンラインショッピングサイトとして高い支持を得ている。

一般企業サイト編トップ3は「サントリー」「キリン」「キッコーマン」

一般企業サイト(インターネット専業企業サイトを除く)のトップ3は、「サントリー」「キリン」「キッコーマン」となった(図表2)。

第1位の「サントリー」のWBIは前回のスコアから8.7ポイント減の75.7ポイントで、9回連続トップ(図表3)。500サイトでの全体順位は第8位だった。個別の指標では、「態度変容:製品・サービス」「行動喚起」が前回に続き、極めて高い評価を獲得。一方で、「態度変容:企業活動」が前回93.7ポイントから30.0ポイント減の63.7ポイント。自由意見では、「地球を大事にしている」「企業姿勢が好き」といった企業活動に対する好意的な意見が引き続き見受けられるものの、スコアの大幅な低下がWBIを押し下げる結果となった。

第2位の「キリン」はWBIが前回から10.3ポイント増の74.0ポイント(図表4)。500サイトでの全体順位は、前回の第35位から第9位に上昇した。特に「態度変容:製品・サービス」が17.1ポイント増の83.6ポイントとなり、500サイト中第2位のスコアを獲得した。トップページのリニューアルに伴い、「運営主の製品・サービスに関心を持った」「運営主の製品・サービスを購入または導入したい」の評価が上昇。自由回答においても新商品など製品に関する好意的な意見が多数見られた。

スコア上昇サイトは、「スターバックス コーヒー ジャパン」「じゃらんnet」「東京メトロ」

前回から今回にかけてスコアが大きく上昇したサイトのトップ3は「スターバックス コーヒー ジャパン」「じゃらんnet」「東京メトロ」となった(図表5)。「スターバックス コーヒー ジャパン」は前回から14.3ポイント増の65.0ポイント、「じゃらんnet」は13.6ポイント増の65.4ポイントだった。

「スターバックス コーヒー ジャパン」は6つの個別指数全ての評価が前回を上回った。特に「態度変容:製品・サービス」「行動喚起」「態度変容:企業活動」の3つの指標が大幅に上昇した。自由意見では、新メニューに関する言及が多く、季節ごとに展開される期間限定の商品について関心の高さが伺える。

「じゃらんnet」においても6つの個別指数全ての評価が前回を上回った。特に、サイト上での製品・サービスの購入など「行動喚起」で10.7ポイント増、「態度変容:企業活動」で18.5ポイント増となった。新型コロナウイルス感染者数減少を背景として、旅行に対する関心や意欲が高まっている可能性がある。自由回答においては、旅行の計画に関する記述だけでなく、「調べやすい」や「使いやすい」といった機能面に関する好意的な意見も見られた。

企業理念・パーパスやサステナビリティの発信を強化するコーポレートサイトが増加

企業サイトの情報発信の傾向として、コーポレートサイトを中心に、企業の理念・パーパスやサステナビリティへの取り組みに関する発信を強化しているサイトが多く見られる。本調査の個別指標の一つである「態度変容:企業活動」で高いスコアを獲得したサイトを見ると、トップ3は「トヨタ自動車 公式企業サイト」「Honda」「オリンパスグループ」となった(図表6)。社会課題に対する企業の取組を伝えるオウンドメディアやブランドムービーを活用したサイトが高い評価を得ている。

企業サイトの情報発信が変わっていく中で、一般生活者のサイトの見方や評価も今後一層、変化していく可能性がある。マーケティングや広報活動におけるサイトの貢献度を本調査で確認し、顧客接点の改善やブランド力の強化に、ぜひお役立ていただきたい。

図表1 Webブランド指数 総合ランキング トップ50
今回順位 前回順位 サイト種類 サイト名 Webブランド指数スコア(WBI)
2021-秋冬
(今回)
前回とのスコア差
1 1 ネット専業 楽天市場 116.0 +3.0
2 2 ネット専業 Yahoo! JAPAN 109.3 -2.5
3 3 ネット専業 Amazon 104.3 +1.8
4 4 ネット専業 Google 99.3 -0.4
5 5 ネット専業 YouTube 97.7 +3.3
6 8 ネット専業 クックパッド 83.2 +7.3
7 6 ネット専業 楽天カード 76.1 -13.6
8 7 一般企業 サントリー 75.7 -8.7
9 35 一般企業 キリン 74.0 +10.3
10 14 一般企業 キッコーマン 73.7 +5.2
11 12 一般企業 山崎製パン 72.6 +1.8
12 45 一般企業 無印良品 72.4 +10.4
13 11 一般企業 ヤマト運輸 71.6 -1.6
14 19 一般企業 Tサイト 70.7 +3.7
15 56 一般企業 Asahi Park 70.3 +9.9
16 10 一般企業 パナソニック商品情報 69.6 -3.9
17 42 一般企業 ケンタッキーフライドチキン 69.0 +6.5
17 21 一般企業 ユニクロ公式オンラインストア|ユニクロ 69.0 +2.4
19 56 一般企業 ファミリーマート 67.7 +7.3
20 23 一般企業 McDonald's Japan 67.6 +1.1
21 9 一般企業 キユーピー 商品サイト 67.5 -7.4
22 34 一般企業 ニトリ公式企業サイト 66.8 +2.9
23 15 一般企業 永谷園 66.7 -1.1
24 21 一般企業 アサヒ飲料 66.6 0.0
24 30 一般企業 ニトリネット 66.6 +2.5
26 20 ネット専業 Wikipedia 65.9 -0.8
27 76 一般企業 ミツカングループ 65.8 +7.1
28 65 一般企業 明治 65.7 +6.2
29 33 一般企業 ANA 65.4 +1.4
29 173 一般企業 じゃらんnet 65.4 +13.6
31 25 一般企業 モスバーガー 65.3 -0.6
32 17 一般企業 アサヒビール 65.2 -2.1
33 208 一般企業 スターバックス コーヒー ジャパン 65.0 +14.3
33 74 ネット専業 Yahoo!トラベル 65.0 +6.2
35 30 一般企業 ハウス食品 64.9 +0.8
36 94 一般企業 S&B エスビー食品 64.4 +7.2
36 82 一般企業 ミスタードーナツ 64.4 +6.4
38 59 一般企業 森永乳業 64.3 +4.2
39 42 一般企業 CLUB Panasonic 63.9 +1.4
40 84 一般企業 東洋水産 63.6 +5.8
41 36 一般企業 讃岐釜揚げうどん 丸亀製麺 63.3 -0.2
42 83 一般企業 Apple 63.2 +5.3
43 18 一般企業 カゴメ 63.1 -4.0
44 44 一般企業 東京ディズニーリゾート 62.9 +0.5
45 24 一般企業 カルビー 62.8 -3.3
46 104 一般企業 Honda 62.5 +6.4
47 30 ネット専業 価格.com 61.8 -2.3
47 15 ネット専業 食べログ 61.8 -6.0
47 28 ネット専業 楽天トラベル 61.8 -2.6
50 113 一般企業 AGF® 61.6 +6.0
図表2 【一般企業編(ネット専業企業除く)】
Webブランド指数ランキングトップ10
一般企業内順位 全体順位 サイト名 Webブランド指数スコア(WBI)
2021-秋冬
(今回)
前回とのスコア差
1 8 サントリー 75.7 -8.7
2 9 キリン 74.0 +10.3
3 10 キッコーマン 73.7 +5.2
4 11 山崎製パン 72.6 +1.8
5 12 無印良品 72.4 +10.4
6 13 ヤマト運輸 71.6 -1.6
7 14 Tサイト 70.7 +3.7
8 15 Asahi Park 70.3 +9.9
9 16 パナソニック商品情報 69.6 -3.9
10 17 ケンタッキーフライドチキン 69.0 +6.5
10 17 ユニクロ公式オンラインストア|ユニクロ 69.0 +2.4
  • 図表3「サントリー」のスコアチャート

    図表3 「サントリー」のスコアチャート
  • 図表4「キリン」のスコアチャート

    図表4 「キリン」のスコアチャート
図表5 Webブランド指数 スコア上昇ランキングトップ10
上昇順 今回順位 前回順位 サイト名 Webブランド指数スコア(WBI)
2021-秋冬
(今回)
前回とのスコア差
1 33 208 スターバックス コーヒー ジャパン 65.0 14.3
2 29 173 じゃらんnet 65.4 13.6
3 103 359 東京メトロ 55.7 11.8
4 71 268 ソニー 58.9 11.1
5 12 45 無印良品 72.4 10.4
6 9 35 キリン 74.0 10.3
6 228 460 JT 49.3 10.3
8 15 56 Asahi Park 70.3 9.9
9 193 406 エーザイ 50.9 8.9
10 331 488 LIFULL HOME'S 45.0 8.6
図表6 態度変容:企業活動 スコアランキングトップ10
今回
順位
前回
順位
サイト名 態度変容:企業活動スコア
2021-秋冬
(今回)
前回との
スコア差
1 2 トヨタ自動車 公式企業サイト 94.7 4.3
2 17 Honda 86.4 14.1
3 3 オリンパスグループ 83.2 -0.2
3 104 ユニ・チャーム 83.2 25.8
5 32 JR西日本 82.7 16.5
6 9 デンソーテン 80.4 5.3
7 79 中外製薬 77.1 17.4
8 215 ネスレ日本 74.8 24.9
9 22 シオノギ製薬(塩野義製薬) 73.9 4.0
10 25 企業・IR | ソフトバンク 73.4 3.9
10 73 東芝 73.4 12.8
10 51 Nikon 73.4 10.9

ランキング表中のサイト名表記は、トップページのタイトルによるサイトの正式名称。

■Webブランド調査について
(URL:https://consult.nikkeibp.co.jp/branding/solutions/web-brand/
  • 調査目的:

    Webサイトのブランド力を測定し、企業や団体のWebにおけるブランド・コミュニケーション戦略の成果を定点観測する

  • 調査手法:

    インターネット調査

  • 調査対象:

    全国、20歳以上のインターネット・ユーザー(日経BPコンサルティングの提携調査会社の調査モニター)

  • 有効回答数:

    38,271件

  • 調査対象ブランド:

    企業や団体が運営する日本の主要500サイト

  • 調査実施期間:

    2021年10月8日(金)~10月15日(金)
    ※半年ごとに年2回実施(春夏:4月、秋冬:10月)

  • 調査企画・実施:

    日経BPコンサルティング

日経BPコンサルティング:日経BP全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9000万円)

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株式会社 日経BPコンサルティング ブランドコミュニケーション部
担当:池田 梨子
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