日経BPコンサルティング調べ
「大学スマホ・サイト ユーザビリティ調査2020-2021」 10月23日発行・発売

大学スマホ・サイト調査、いきなり上位に入った日本女子大学と流通科学大学
— 日本女子大学はトップ10、流通科学大学はトップ20 —

2020年10月23日

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は使いやすさの観点から大学のスマートフォン・サイト(以下、スマホ・サイト)を評価する「大学スマホ・サイト ユーザビリティ調査 2020-2021」の結果をまとめた。コロナ禍で多岐にわたる情報発信が行われたことでユーザビリティの低下が心配されたが、平均スコアは前年比で微増となった。総合ランキング1位は名古屋市立大学、2位は東京工科大学で前回と同じ。注目すべき変化があったのは日本女子大学と流通科学大学。日本女子大学は前回、ランキング中位にあたる138位だったが、効果的な改善で急速に評価を上げてトップ10入りした。流通科学大学は前回、スマホ・サイト構築中だったため調査対象外だったが、今回の初エントリーでいきなりトップ20入りを果たした。

ポイント

  • コロナ禍で多様な情報がサイトにあふれたが、ユーザビリティ低下なし。平均スコアは55.73から56.51へ微増。

  • 総合ランキングは1位が名古屋市立大学、2位が東京工科大学。

  • 日本女子大学は前回の中位から急上昇してトップ10入り、流通科学大学は初エントリーでトップ20入り。

調査結果データ

《総合ランキング》
上位入りの要因、日本女子大学はサイトの統一、流通科学大学はマーケティング的アプローチの徹底

総合ランキング1位と2位は名古屋市立大学と東京工科大学で前回と同じ。3位には前回5位だった崇城大学が入り、5位は3位と入れ替わった。4位の明治学院大学、6位の東京工芸大学は前回と同じ順位を保った。
日本女子大学は前回、総合ランキングのほぼ中央に位置する138位だった。その評価をリニューアルで大きく向上させ、今回9位に入った。注目すべき改善点は、受験生向け特設サイトを止め統一感のあるサイトを実現したこと。受験生は大学サイトと特設サイトの両方を見る必要があり、行き来のしづらさやデザイン/メニューの違いにストレスを感じることがあったが、これがなくなった。また、サイトが統一されたことで検索機能が使いやすくなり、検索精度も高まった。
流通科学大学はスマホ・サイトを立ち上げたばかりだが、いきなり17位に入った。サイトを作るにあたり同大学は、ターゲットを高校生・保護者に絞り、使う立場に立った検証を徹底して行ったという。マーケティングを学ぶ大学らしいアプローチである。

《順位を大きく上げた注目大学》
大幅ランクアップで好位置を確保、3校が100位以下から20位台へ

100位以内に入った大学を対象に、ランキング上昇幅が大きいサイトを調べた。トップは文教大学で上昇幅は199。
前回100位以下だったが今回20位台という高い位置を確保した大学が3校あった。芝浦工業大学、相模女子大学、および東京経済大学である。3校は順位の上昇幅ランキングで2~4位を占めている。

診断基準について

スマホは画面が小さいため、文字が見にくい、あるいは操作がしにくいといったユーザビリティ上の問題が出やすい。米Appleや米Googleはスマホ・アプリ開発者向けにガイドラインを出しており、スマホ・サイトを作る場合はこれらのガイドラインに準じて作成されることが多い。ただし、スマホは機種が多く、画面サイズや解像度が多岐にわたるため、すべてのスマホに該当する評価基準は提案しにくい。まして複数のサイトを同じ基準で評価する調査事例は少なかった。日経BPコンサルティングでは、日本で普及している機種グループである4.7インチ画面のiPhoneを対象機種と定め(※)、これまでの大学サイト診断のノウハウを盛り込んだ独自の診断基準を作成した。8つの診断指標から成る。米Appleや米Googleのガイドラインを参考にした。詳しくは「総合スコアの算出方法」を参照。

※ iPhone 6/6s/7/8が該当機種

参考資料

《総合ランキング》
●総合ランキング、ベスト20 (2020年)

総合ランキング、ベスト20 (2020年)

《順位を大きく上げた大学ランキング》
●順位の上昇幅ランキング、ベスト20 (100位以内に入ったサイト限定、2020年)

順位の上昇幅ランキング、ベスト20 (100位以内に入ったサイト限定、2020年)

  • ■「総合スコアの算出方法」

    以下に示す8つの診断指標の下、合計で47の審査項目を用意した。

    1.通信への配慮:表示は速いか、通信量は多くないか確認するカテゴリー
    2.見やすさ:文字の大きさ、表や画像の見やすさなどを評価するカテゴリー
    3.操作のしやすさ:タップ領域やスクロールのしやすさを評価するカテゴリー
    4.トップページ・ユーザビリティ:トップページのナビゲーション機能を評価するカテゴリー
    5.サイト・ユーザビリティ:サイト内を巡るときのサポート機能を評価するカテゴリー
    6.メインコンテンツへのアクセス:主要コンテンツの有無とアクセスのしやすさを評価するカテゴリー
    7.サイト内検索:検索の精度を評価するカテゴリー
    8.インタラクティブ:交通アクセスや問い合わせ案内を評価するカテゴリー

    審査項目ごとに、クリアすれば「1」点、そうでなければ「0」点と採点。総合スコアは、これら審査項目の点数に重み付けをして、合計100点満点でスコア化した。

  • 「調査対象サイト」
    調査対象はスマホ・サイトを提供している国立大学、公立大学、私立大学のうち、学部学生数の上位大学(多い大学)。これにサイト作りに熱心な一部大学を含め、トータルで262サイトとした。内訳は国立大学63校、公立大学20校、私立大学179校。医科大学や薬科大学などの単科大学は除いた。
    (調査実施期間:2020年6月上旬~9月上旬)
    →(報告書の内容)   https://consult.nikkeibp.co.jp/branding/solutions/univ-sp-site-ux/
  • 日経BPコンサルティング
    日経BP全額出資子会社。「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(本社:東京、設立:2002年3月1日。資本金:9000万円)

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