日経BPコンサルティング調べ 「大学スマホ・サイト ユーザビリティ調査2019-2020」 10月25日発行・発売

大学スマホ・サイト調査、1位名古屋市立は表示の速さで東京工科に競り勝つ
— 大幅アップは東京家政大学、久留米大学、明治大学など —

2019年10月25日

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、使いやすさの観点から大学のスマートフォン・サイト(以下、スマホ・サイト)を評価する「大学スマホ・サイト ユーザビリティ調査 2019-2020」の結果をまとめた。対象サイトは前回の258サイトから、2サイト多い260サイトとした。総合ランキングは1位が名古屋市立大学、2位が東京工科大学となり、前回と順位が入れ替わった。トップ10には新たに、東京工芸大学(6位)、神戸市外国語大学(7位)、静岡県立大学(8位)が入った。一方、順位の上昇幅に注目すると、大きく上げたサイトは、東京家政大学、久留米大学、明治大学など。このほか、大学名を変更した京都先端科学大学(旧京都学園大学)も大きく順位を上げて今回総合ランキング11位に入った。

ポイント

  • 総合ランキングは1位が名古屋市立大学、2位が東京工科大学。

  • 東京工芸大学、神戸市外国語大学、静岡県立大学が新たにトップ10入り。

  • ランキング上昇幅が大きい大学では明治大学と京都先端科学大学に注目。

調査結果データ

《総合ランキング》
名古屋市立大学が1位、東京工科大学が2位に

総合ランキング1位は名古屋市立大学(公立)、2位は東京工科大学(私立)。前回の1位と2位が入れ替わった。逆転の要因は表示の速さ。一般に表示されるまでの時間を短くするには、画像を含めページ容量を抑えて転送時間を短くする方法が有効。東京工科大学のトップページは、前回より減らす努力はされたものの4MBを切るには至らなかった。一方、名古屋市立大学は2MB以下に抑えた。他の評価がほぼ同じになったため、わずかな表示時間の差が総合スコアの差となって表れた。

《順位を大きく上げた注目大学》
明治大学、京都先端科学大学が大幅リニューアルで上昇

100位以内に入った大学を対象に、ランキング上昇幅が大きい大学を調べた。1位は東京家政大学、2位は久留米大学、3位は明治大学だった。
3位明治大学のランキングが低かった理由は、前回までスマホ対応が進めづらかったため。元になるPCサイトのページが多いだけでなく、そのデザインが多岐にわたっていた。個別対応には限界があったものと思われる。同大学は今回、レスポンシブWebデザインに方向を統一し、2019年3月21日にサイトを大幅にリニューアルした。これによりスマホのユーザビリティが向上した。
ランキング上昇幅で20位となった京都先端科学大学は、京都学園大学のときからユーザビリティは悪くなかった。前回は58位だった。今回、大学名変更と2020年4月の工学部新設をアピールするためサイトを刷新した。このリニューアルにより、総合ランキングをトップ10目前の11位まで上げた。

【診断基準について】

スマホは画面が小さいため、文字の見にくさや操作のしにくさがそのまま利用者のストレス(ユーザビリティ上の問題)につながる。米Appleや米Googleは、アプリ開発者向けにガイドラインを出している。スマホ向けサイトを作る場合は、これらのガイドラインに準じて作成されることが多い。ただし、スマホは機種があまりに多いため厳格な評価は難しく、まして多数のサイトを同じ基準で評価する調査事例は少なかった。日経BPコンサルティングでは、日本で最も普及している機種グループである4.7インチ画面のiPhoneを対象機種と定め(※)、これまでの大学サイト診断のノウハウを盛り込んだ独自の診断基準を作成した。8つの診断指標から成る。米Appleや米Googleのガイドラインを参考にした。詳しくは「総合スコアの算出方法」を参照。

※ iPhone 6/6s/7/8が該当機種

【参考資料】

《総合ランキング》
●総合ランキング、ベスト20 (2019年)

総合ランキング、ベスト20 (2019年)

《順位を大きく上げた大学ランキング》
●前回から順位を大きく上げ、100位以内に入った大学サイト20 (2019年)

前回から順位を大きく上げ、100位以内に入った大学サイト20 (2019年)

  • ■「総合スコアの算出方法」:

    以下に示す8つの診断指標の下、合計で48の審査項目を用意した。

    1.通信への配慮:表示は速いか、通信量は多くないか確認するカテゴリー
    2.見やすさ:文字の大きさ、表や画像の見やすさなどを評価するカテゴリー
    3.操作のしやすさ:タップ領域やスクロールのしやすさを評価するカテゴリー
    4.トップページ・ユーザビリティ:トップページのナビゲーション機能を評価するカテゴリー
    5.サイト・ユーザビリティ:サイトを巡るときのサポート機能を評価するカテゴリー
    6.メインコンテンツへのアクセス:主要コンテンツの有無とアクセスのしやすさを評価するカテゴリー
    7.サイト内検索:検索の精度を評価するカテゴリー
    8.インタラクティブ:交通アクセスや問い合わせ案内を評価するカテゴリー

    審査項目ごとに、クリアすれば「1」点、そうでなければ「0」点と採点。総合スコアは、これら審査項目の点数に重み付けをして、合計100点満点でスコア化した。

  • 「調査対象サイト」
    調査対象は、スマホ・サイトを提供している国立大学、公立大学、私立大学のうち、学部学生数の上位大学(多い大学)260サイトとした。内訳は国立大学62校、公立大学22校、私立大学176校。
    (調査実施期間:2019年6月上旬~9月上旬)
    →(報告書の内容)   https://consult.nikkeibp.co.jp/branding/solutions/univ-sp-site-ux/
  • 日経BPコンサルティング
    日経BP全額出資子会社。「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(本社:東京、設立:2002年3月1日。資本金:9000万円)

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