トラベル系2サイトがゴールデンウィーク向けプロモーションで躍進。「楽天市場」4回連続首位ならず、「Yahoo! JAPAN」がトップ返り咲き
「Webブランド調査2014-春夏」
2014年06月27日
日経BPコンサルティング(東京都港区)は、インターネットユーザーが国内500のサイトを評価する「Webブランド調査2014-春夏」の結果をまとめ、2014年6月27日に調査結果報告書を発行・発売した。
調査結果のポイント
■トラベル系2サイト、「じゃらんnet」「JTB」が急上昇
「じゃらんnet」、ゴールデンウィーク向けプロモーションが功奏し、サイト利用増。サイトの信頼性や好感度が高まる。
■全体ランキングトップ3は、「Yahoo! JAPAN」「楽天市場」「Amazon.co.jp」
「楽天市場」が首位陥落。サイト利用状況好調も、サービスへの関心、サイトの信頼性低下。
「Yahoo! JAPAN」、キャンペーンや会員ページの利用好調でトップに返り咲き。
■業種別では、「情報通信」「電機、電子、精密機器、コンピュータ」上昇
「情報通信」、新規顧客獲得合戦の影響か、キャンペーンや会員専用ページ利用増。
「電機、電子、精密機器、コンピュータ」、増税前の駆け込み需要を背景に、製品・サービスへの関心増。
トラベル系2サイト、ゴールデンウィーク向けプロモーションでサイト評価急上昇
インターネットユーザーがサイトのブランド力を評価する「Webブランド指数」が、今回最も上昇したのは「じゃらんnet」、第2位は「JTB」だった(表1)。「じゃらんnet」は前回の63.4ポイントから、今回12.8ポイント上昇して76.2ポイントを獲得。順位も前回の第33位から第9位に上がった。上昇ランキング第2位は「JTB」。トラベル系のサイトがトップ2を占めた。
「じゃらんnet」は、「アクセス頻度」をはじめ、サイトの利用全般が上昇(図1)。サイト上での購入・申込が伸びて、「コンバージョン」が9.3ポイント増と大きく上昇している。加えて、利便性や信頼性、リピート意向といったサイトそのものの魅力も認められ、「サイト・ロイヤルティ」が急上昇した(83.1ポイント、前回より14.8ポイント増)。今回、トップページに大きな改訂はなかったが、ゴールデンウィーク向けのポイントプレゼントなどキャンペーンが功を奏し、サイトの利用価値も認められた。
「JTB」は、「コンバージョン」「サイト・ロイヤルティ」に加え、「態度変容」の伸びが特に大きく(63.0ポイント、前回より25.6ポイント増)、サービスへの関心や購入・申込意向がいずれも「じゃらんnet」を上回った(図2>)。今回、トップページ右上にトピックス欄が設けられ、お得感の訴求が強化されている。これにより、関心層の取りこみに効果があったようだ。
「楽天市場」全体ランキング首位陥落、トップ「Yahoo! JAPAN」はキャンペーン、会員ページ利用好調
調査対象500サイト全体のランキング第1位は「Yahoo! JAPAN」(表2)。第2位は前回第1位の「楽天市場」、第3位は前回と同じく「Amazon.co.jp」だった。
第2位の「楽天市場」は、1年半前の「2012-秋冬」調査から前回まで3回連続トップだったが、今回は1ランクダウン。スコアは1.7ポイント低下と微減し、118.4ポイントだった。特に「態度変容」を大きく下げ(図3)、製品・サービスへの関心や購入意向、企業への好感度などすべての項目で得票率が低下した。また、「サイト・ロイヤルティ」の「信頼性」が10.2ポイント減と大きく下がった。
第1位の「Yahoo! JAPAN」は、スコアが前回より6.5ポイント増。第2位の「楽天市場」に7.4ポイントの差をつけており、特に「コンバージョン」が大きく伸びた(図4)。上位3サイトとも「コンバージョン」が10ポイント以上上昇するなか、「Yahoo! JAPAN」は21.4ポイント増と、最も伸び幅が大きい。今回は、キャンペーン、メールマガジンや会員ページの利用が好調だった。
業種別で「情報通信」「電機、電子、精密機器、コンピュータ」躍進
スマートフォンのプロモーション、増税前の駆け込み需要でサイト活用か
業種別Webブランド指数("表3)で、平均スコアが大きく上昇したのは、「情報通信」(2.7ポイント上昇、50.0ポイント)、「電機、電子、精密機器、コンピュータ」(2.6ポイント上昇、50.8ポイント)である。
評価指数では、両者とも、前回より「アクセス頻度」が1ポイント、「波及効果」が3から4ポイント程度上昇している。評価項目をみると、「情報通信」では、スマートフォンの新規顧客獲得合戦の影響か、キャンペーン、メールマガジンや会員ページの利用が増。「電機、電子、精密機器、コンピュータ」では、増税前の家電駆け込み需要を背景に、製品・サービスへの関心が伸びた。また、両者共通して、サイトの情報をもとに「電話、店頭など対面での資料請求、照会」したとの得票率が増えており、製品・サービスの検討にあたって、店頭など対人での接点とともにサイトが活用されたとみられる。
今回、2014年4月実施の調査では、駆け込み需要に合わせたプロモーション、その受け皿としてのサイトの活用状況が結果に反映された。製品・サービスのマーケティングや企業広報活動におけるサイトの貢献度を本調査にて確認し、自社サイトの改善・強化にお役立ていただきたい。
(大友直子=日経BPコンサルティング シニアコンサルタント)
「Webブランド調査」とは
企業や団体が運営する日本の主要500サイトについて、「アクセス頻度」、「サイト・ユーザビリティ(Webサイトの使いやすさ)」、「コンバージョン(会員登録や商品購入などサイト内で実際に行われた行動)」、「サイト・ロイヤルティ(Webサイトへの意識やリピート意向)」、「態度変容(サイト運営者のイメージや購入意向への影響)」、「波及効果(Webサイト以外での行動誘発)」の6つの要素をインターネットユーザーが評価。半年ごとに実施し、回答者は毎回3万人以上。今回の調査期間は2014年4月9日~22日、有効回答数は36,330サンプル。
日経BPコンサルティング
日経BP社全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9000万円)
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