Webサイトのブランド力、サントリーとMcDonald's Japanがトップ10入り
「Webブランド調査2012-春夏」(2012年4月実施)より
2012年06月27日
日経BPコンサルティング(東京都港区)は2012年4月に実施した「Webブランド調査2012-春夏*」の結果をまとめ(表1)、2012年6月27日に調査結果報告書を発行・発売した。「Webブランド調査」は、企業や団体が運営する日本の主要500のWebサイトを調査対象とする。「1.アクセス頻度」や「2.コンバージョン」、「3.サイト・ユーザビリティ」だけでなく、そのWebサイトに価値があるか、リピート意向を持ったか(「4.サイト・ロイヤルティ」)や、Webサイトの閲覧を通して企業イメージが変化したか(「5.態度変容」)、またWebサイトから得た情報からどのような行動を起こしたか(「6.波及効果」)なども評価の対象(個別指数)となる。これら6つの要素をインターネット・ユーザーにたずね、その調査結果からWebサイトの支持・満足度の指標となる「Webブランド指数(WBI)」を算出した。
サントリー、McDonald’s Japanがトップ10に
Webブランド指数ランキング第1位は119.3ポイントを獲得したYahoo! JAPAN。前回調査(2011年10月)に引き続き首位を守った。第2位は楽天市場(117.4ポイント)、第3位はAmazon.co.jp(116.2ポイント)とネット専業の小売サイトが続く。
ネット専業企業が上位を占める中、サントリーが78.5ポイントを獲得して第8位にランクイン。第10位には、74.5ポイントのMcDonald’s Japanが入った。
サントリーの個別指数はいずれも60ポイントを超えるが(図1)、特にコンバージョン指数が高く、88.1ポイントを獲得。回答者の2割近くが3カ月以内にキャンペーンコンテンツを利用したと答えており、消費者に非常に親しまれている企業サイトだ。また、態度変容のスコアも高く、キャンペーン施策が製品や企業への関心を高める効果を発揮しているものと考えられる。McDonald’s Japanは誰もが直感的に操作しやすいユーザビリティが高く評価された(図2)。
ソーシャルメディアに注力する企業が好感度アップ
Webブランド指数上昇ランキング(表2)で第1位となったのは、前回から11.3ポイント上がったヤマハである。サイトのリニューアルはなかったものの、ソーシャルメディアへの対応に積極的だ。第2位のノバルティスファーマは、アクセシビリティの高いサイトへとリニューアルしたことが功を奏し10.8ポイント上がった。
この半年でTwitter、Facebookの普及が急速に拡大
なお、Webブランド指数上昇ランキング第3位にTwitter、第13位にFacebookが入り、過去半年のソーシャルメディアの急速な拡大を裏付ける結果となった。特にアクセス頻度スコアの上昇度が大きい。この結果からみても、企業サイトのマーケティング施策にソーシャルメディアを活用することは必至であるといえる。
(中村由佳=日経BPコンサルティング コンサルタント)
*「Webブランド調査」とは:企業や団体が運営する日本の主要500サイトについて、インターネット・ユーザーが「アクセス頻度」、「サイト・ユーザビリティ(Webサイトの使いやすさ)」、「コンバージョン(会員登録や商品購入などサイト内で実際に行われた行動度合)」、「サイト・ロイヤルティ(Webサイトのロイヤルティを高める要素は何か)」「態度変容(サイトを運営する企業・組織に対する意識がWebサイト閲覧後に変化したか)」「波及効果(Webサイトを閲覧した結果、対Webサイト以外で実際に行われた行動度合)」の6項目について評価するWebアンケート調査。サイトごとの調査結果を「Webブランド指数(WBI)」としてスコア化し500サイトを相対的に評価する。調査は半年ごとに実施、回答者は毎回3万人以上となり、Web評価調査としては日本最大規模である。1人の回答者には任意の6サイトを評価してもらう。今回の調査期間は2012年4月4日~22日、有効回答数は38,420サンプル。
日経BPコンサルティング:日経BP社全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9000万円)