3年連続 顧客満足度ナンバーワンはNTTドコモ。総合満足度を含め15項目中8項目で1位に
‐「第3回 モバイルデータ通信端末満足度調査」携帯電話市場を牽引するデータ通信端末市場‐
2011年05月16日
日経BPコンサルティング(東京都港区、戸田雅博社長 http://consult.nikkeibp.co.jp/)が実施した「第3回 モバイルデータ通信端末満足度調査」において、顧客満足度の第1位はNTTドコモだった。これでNTTドコモは3年連続の1位となった。同社が、総合満足度において1位を獲得するとともに、各項目別では14項目中7項目で1位となった(総合満足度を含めると15項目中8項目で1位)。
本調査は2009年から毎年、年度末に実施しており、今年で3回目。2011年3月に、全国のモバイルデータ通信端末ユーザー2713人に対し、国内通信事業者6社のモバイルデータ通信端末の利用に関する満足度を調査したもの。2010年度は、スマートフォン市場が拡大したほか、タブレット端末が続々と登場。WiFiを介してPCだけでなくタブレット端末、ゲーム機などに接続して利用できるモバイルWiFiルータもモバイルデータ通信端末市場の拡大を牽引した。
- 「モバイルデータ通信端末」は、PC等に接続してデータ通信を行うモバイル端末。PCカードタイプ、CFカードタイプ、USBタイプ、Expressカードタイプ、「PocketWiFi」等のモバイルWiFiルータタイプなどがある。またデータ通信端末の機能を内蔵したPCも各キャリアから提供されており、NTTドコモのHIGH-SPEED対応PC、KDDI(au)の通信機能搭載PC、ソフトバンク、イー・モバイルの通信モジュール搭載PC、UQ WiMAX搭載PCがある。なお、W-LAN専用のタイプ、デジタルフォトフレームは調査対象外とした。
エリア、通信品質、顧客対応に強いNTTドコモ
本調査で取り上げた項目は、過去2回と同様に「通信エリア(屋外)」、「通信エリア(屋内)」「データ通信速度」、「通信品質(接続までの時間)」、「通信品質(通信中の切断)」、「端末の価格」、「端末の性能/機能/使いやすさ」、「端末デザイン/サイズ」、「利用できるアプリケーション」、「月額利用料金」、「料金プラン/割引サービス」、「データ通信定額制」、「販売店・ショップ店員の対応」、「アフターサービス・サポート」の14項目に「総合満足度」を加えた15項目。満足度を4段階(非常に満足/どちらかといえば満足/どちらかといえば不満/不満)で評価してもらった。対象とした事業者は、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、イー・モバイル、ウィルコム、UQコミュニケーションズの6社。
各満足度をスコア化した結果(図1)をみると、NTTドコモが、「総合満足度」を含めた15項目中8項目で満足度1位となった。総合満足度は、昨年、一昨年に続いて3年連続で1位。特に、屋内外における通信エリアに対する満足度の高さが際立っている。ならびに、通信品質や、顧客対応度の尺度である「店員の対応」、「アフターサービス・サポート」においても他の事業者と比較して高い満足度を獲得したのが特徴。
総合満足度2位はデータ通信速度で突出して満足度の高いUQ
今回、総合満足度で2位となったのはUQコミュニケーションズである(昨年の2位はイー・モバイル)。各項目別で見た場合、「データ通信速度」をはじめ、「端末のデザイン/サイズ」、「利用できるアプリケーション」、「データ通信定額制」の4項目で1位だった。特に「データ通信速度」に関する満足度は、昨年に続き他キャリアと比較して突出して高い結果となった。
KDDI(au)はエリア面、品質面に関して、NTTドコモに次いで満足度が高いものの、他の項目については、全体の平均レベルより低い評価の項目が多かった。同社はWiMAX/EV-DOのハイブリッドデータ通信端末の提供を開始したものの、端末に対する評価が低かった。このハイブリッドデータ通信端末で専用の利用料金を提供しているが、その料金水準の高さが影響したためか、料金面の満足度も高くはなかった。ソフトバンクについては、昨年と変わらずエリア面、品質面の満足度が平均よりも低い結果となっている。
イー・モバイルは、「端末価格」において満足度は1位であるが、昨年と同様に「データ通信速度」と「料金」に対しての満足度は低調である。下り42MbpsのDC-HSDPAの導入など「データ通信速度」の高速化にも積極的に取り組んでいるものの、高速通信に対応した機種数が少ないことが関係しているためか、その高速化の効果が現時点では調査結果に表れていない。「月額利用料金」、「料金プラン/割引サービス」においては、ウィルコムが満足度1位だった。ウィルコムと契約しているユーザーの選択理由は料金の安さということもあり、料金面での満足度は他のキャリアよりも高い。
(藤澤 一郎=ビジネスコンサルティング部 シニアコンサルタント)
<満足度スコア化の方法について>
非常に満足(n1):2ポイント、どちらかといえば満足(n2):1ポイント、どちらかといえば不満(n3):-1ポイント、不満(n4):-2ポイントとして、各満足度のn数(n1~n4)をかけ、全体のn数で割った値に対し、相関関係等を用いた加重計算により、キャリア間の相対的な値を算出して「満足度スコア」とした。
「満足度スコア」=f{(2×n1+n2+(-1)×n3+(-2)×n4)/n}
(n=n1+n2+n3+n4)
<調査概要>
「第3回データ通信端末満足度調査」:本調査は、データ通信端末所有ユーザー2,713人(NTTドコモ:n=483、KDDI(au):n=500、ソフトバンク:n=430、イー・モバイル:n=500、ウィルコム:n=300、UQコミュニケーションズ:n=500)に対し、2011年3月17日~3月22日にWebアンケートによるデータ通信端末利用に関する満足度調査を実施したものである。