好感度・魅力度が高い企業、先月に続き第1位はソフトバンク。BtoB企業の支援・復旧活動にも評価の声
―【震災後の定期調査】「企業名想起調査(8月度)」の結果を本日リリース―

2011年09月02日

株式会社日経ＢＰコンサルティング（東京都港区）は、東日本大震災発生から5カ月が経った8月10日から20日にかけて、企業の好感度・評価を尋ねる調査（5回目）を実施した。この調査は、被災地や日本経済の復旧・復興のための企業による活動や支援、また、この事態に応じた形での広告や宣伝・広報活動を見聞きした結果、「好感を持った、魅力的に映った、高く評価した」企業を尋ねたものである。思い浮かぶ企業を5つまで自由記入するインターネット調査で、有効回答者は803人。

1番多く記入された企業はソフトバンクで、企業名想起率（記入率）は、22.8％（表1）。
第2位はヤマト運輸で、12.3％。第3位はユニクロで、11.8％。

本調査は、「ブランド・ジャパン」のプレ調査として毎年9月に行う「ブランド想起調査」を、震災後の消費者意識の変化を追い、また、有事の際の企業広報のあり方を研究する際の基礎資料の収集を目的として、今年は4月から定期調査として毎月実施した（今回が最終調査となる）。

8月調査の第1位は5カ月連続して首位を保ったソフトバンクで、企業名想起率は22.8％。震災直後からの支援活動や、自然エネルギーへの長期的な取り組みの表明などが引き続き、企業名想起につながっている。ただ、前回までの想起率は常に30％台をキープしていたが、今回は30％を下回った。第2位は、宅急便1個につき10円分を寄付とする義援金活動を実施しているヤマト運輸（12.3％）、第3位は巨額の義援金や被災地において衣料品を提供したユニクロ（11.8％）となり、前回と順位が入れ替わる結果となった。

なお今回、第26位の富士通、第28位のNECや日本マイクロソフト、また第33位の日本IBMなどITソリューションを提供する企業が前回より順位を上げている。これらの企業に対しては、システムやソフトウエアの無償貸与など、ビジネスシーンにおけるIT支援が評価された。そして、被災地でのボランティア活動を推進する第17位の三菱商事や、被災工場の早期復旧を目指した第36位のIHI、ルネサスエレクトロニクスなどのBtoB企業もランクインしている。

さて、4月から月次で実施してきた本調査（5回実施）を振り返ると、常に20位以内にランクインした企業は13社（ソフトバンク、ヤマト運輸、ユニクロ、ローソン、サントリー、NTTドコモ、イオン、トヨタ自動車、JR東日本、NTT東日本、パナソニック、伊藤園、Google）だった。「義援金・寄付」「迅速な対応」「企業トップのリーダーシップ」など、様々な理由がこれまで挙がった。弊社では上位をキープしてきた企業の事例を紹介しながら、有事対応の際の最適な広報活動を考えるセミナーを年末に開催する予定だ。

（中村由佳=日経BPコンサルティング コンサルタント）

表1 「企業名想起率」ランキング　TOP40
― 日経BPコンサルティング「企業名想起調査」（8月度）より

順位	企業名	企業名想起率 (％)
1	ソフトバンク	22.8
2	ヤマト運輸	12.3
3	ユニクロ	11.8
4	ローソン	10.7
5	サントリー	5.6
6	日産自動車	5.2
7	NTTドコモ	3.9
7	イオン	3.9
9	セブン＆アイ・ホールディングス	3.7
10	トヨタ自動車	3.5
11	東京ディズニーリゾート	3.2
12	JR東日本	3.1
13	NTT東日本	2.5
13	パナソニック	2.5
15	伊藤園	1.9
15	ソニー	1.9
17	東京電力	1.7
17	三菱商事	1.7
19	Google	1.5
19	すかいらーく	1.5
19	ファミリーマート	1.5
22	佐川急便	1.4
22	日清食品	1.4
24	東芝	1.2
24	山崎製パン	1.2
26	富士通	1.1
26	楽天	1.1
28	NEC	1.0
28	日本コカ・コーラ	1.0
28	日本マイクロソフト	1.0
28	日立製作所	1.0
32	ヤフー	0.9
33	NHK	0.7
33	日本IBM	0.7
33	本田技研工業	0.7
36	IHI	0.6
36	アイリスオーヤマ	0.6
36	キリンビール	0.6
36	KDDI	0.6
36	JR貨物	0.6
36	ジャパネットたかた	0.6
36	Twitter	0.6
36	東日本高速道路	0.6
36	吉野家	0.6
36	ルネサスエレクトロニクス	0.6