好感度・魅力度が高い企業、先月に続き第1位はソフトバンク。「今こそ、モノづくりの底力を。」で日産自動車の想起率高まる
―【震災後の定期調査】「企業名想起調査(6月度)」の結果を本日リリース―

2011年06月30日

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、東日本大震災発生から3カ月が経った6月10日から17日にかけて、企業の好感度・評価を尋ねる調査(3回目)を行った。これは被災地や日本経済の復旧・復興のための企業による活動や支援、また、この事態に応じた形での広告や宣伝・広報活動を見聞きした結果、「好感を持った、魅力的に映った、高く評価した」企業を尋ねるものである。思い浮かぶ企業を5つまで自由記入するインターネット調査で、有効回答者は877人。

1番多く記入された企業はソフトバンクで、企業名想起率(記入率)は、34.8%(表1)。
第2位はユニクロで14.3%。第3位はローソンで、10.3%。

本調査は「ブランド・ジャパン」のプレ調査として、毎年9月に行う「ブランド想起調査」を、震災後の消費者意識の変化を追い、また、有事の際の企業広報のあり方を研究する際の基礎資料の収集を目的として、今年は4月から定期調査として毎月実施している。

6月調査の第1位は3カ月連続してソフトバンクで、企業名想起率は34.8%。自治体と協力して推進する「大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設計画」の発表や、行政への提言など、その機動力に評価の声が集まった。第2位は前回同様ユニクロで14.3%、第3位はローソンで10.3%という結果になった。

今回の調査では、企業名想起率3.1%の日産自動車が第8位にランクインした。工場で働く方々を中心に企業の復旧・復興に向けた強い思いは、「今こそ、モノづくりの底力を。」と題された日産自動車のテレビやラジオのCMやWebサイトなどで紹介されている。復旧・復興へ向けた強い決意、意気込みを感じたことが想起の理由として挙げられた。また日産自動車CEOのカルロス・ゴーン氏は、3月29日に被災した福島県いわき工場に入り、福島から撤退しないことを表明。工場の復旧に向けて精力的に活動する現場の従業員を、力強く激励した。このような対応をリーダーシップのあるべき姿と改めて認識し、感銘を受けたという意見も挙がった。無償提供した電気自動車の「リーフ」が支援活動に役立てられたという意見もあった。

支援の具体的な活動内容や、復旧・復興に向けた意気込みをあまり多くは発信しなかったり、したとしても企業名を大きく見せないようにする企業は少なくない。しかしこの事例をみると、被災された方や日本全体を元気づけるという目的で、会社のメッセージを「きちんと伝える」ことは重要だと今回の結果からも明らかになった。社内で有事の際のメッセージ発信のあり方を再考することは、時間の無駄ではないはずだ。

(吉田健一=日経BPコンサルティング ブランドプロジェクト・マネージャー)

表1 「企業名想起率」ランキング TOP40 ― 日経BPコンサルティング「企業名想起調査」(6月度)より
表1「企業名想起率」ランキング TOP40

ブランド・ジャパン: 国内のブランドを消費者とビジネス・パーソンが評価する、日本最大のブランド評価調査プロジェクト。2001年に第1回調査を実施し、今年は11回目。調査は、消費者の立場から回答を求める「コンシューマー市場(BtoC)編」(調査対象ブランド1000件)と、ビジネス・パーソンの立場から回答を求める「ビジネス市場(BtoB)編」(同500件)とから構成されている。

日経BPコンサルティング: 日経BP社全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9000万円)

このリリースに関するお問い合わせ

株式会社 日経BPコンサルティング ブランドコンサルティング部

ブランドプロジェクト・マネージャー 吉田 健一

〒108-8646 東京都港区白金1-17-3 NBFプラチナタワー

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