楽天市場が1位に返り咲き、一般企業編ではヤマト運輸が首位。グルメ・飲食業界編では、Twitterを活用するモスバーガーが健闘
「Webブランド調査2010―IⅤ」(2010年7月実施)より
2010年09月28日
日経BPコンサルティング(東京都港区)は2010年7月に実施した「Webブランド調査2010-IV」*の結果をまとめ(表1)、9月28日に調査結果報告書を発行・発売する。Webサイトの総合的なブランド力を示すWebブランド指数(以下WBI)は、前回(4月実施)で1位だった「Yahoo!JAPAN」を退けた「楽天市場」が、再び首位に返り咲いた。アクセス頻度やサイト・ユーザビリティ、サイト・ロイヤルティの各項目で「Yahoo!JAPAN」のスコアが「楽天市場」を上回ったものの、コンバージョンや波及効果で「楽天市場」が「Yahoo!JAPAN」を大きく引き離した。
また、インターネット専業企業を除く一般企業の公式サイトの中で、最も評価が高かったのは17位の「ヤマト運輸」だった(図1)。WBIは前回よりも0.9ポイント上昇して70.9。調査期間がお中元シーズンと重なったこともあり、アクセス頻度、コンバージョンのスコアが伸びたことがWBI上昇に貢献している。
「キリンビバレッジ」「ソニー製品情報」は施策が功を奏しトップ50位入り
前回はWBIトップ50位外だったが、今回トップ50位にランクインしたサイトに、前回58位から31位となった「キリンビバレッジ」がある(図2)。波及効果以外の項目が前回のスコアを上回り、スコア上昇ランキングでも3位だった。特に、20代女性の評価が高く、20代女性におけるランキングでも前回の65位から18位に飛躍した。キャンペーンなどをフックに20代女性への訴求に成功したようだ。
同じく、「ソニー製品情報」も前回の75位から49位にランクが上がった(図3)。5月末より会員専用サイト「My Sony Club」をスタートさせたが、その効果が早くもスコアに反映された。コンバージョン項目の「サイト上で製品・サービスを購入・申込」の得票率が上がるとともに、アクセス頻度も前回を上回っている。
グルメ・飲食業界では、Twitterを活用するモスバーガーが健闘
Webブランド調査では19に分けた業界ごとの動向も追っている。今回はどの業種もWBI平均値が前回を下回っていたが、なかでもグルメ・飲食業界の下降が最も大きかった。同じく、前回に比べると、Webサイトが店舗等での購入や口コミに与える影響力を測る波及効果も6ポイント以上、下がった。そのなかで、「MOS BURGER(モスバーガー)」は波及効果のスコアが非常に高く、波及効果ランキングでは800サイト中9位に入った(図4)。同社はソーシャルメディアTwitterによる積極的なマーケティング活動を実践しており、同社公式アカウントにおけるフォロワー数は13万人を超えている(2010年9月時点)。ソーシャルメディアの活用を含めWebから店舗への集客導線が着実に成果を出していることを裏付ける調査結果となった。
(中村由佳=日経BPコンサルティング コンサルタント)
*「Webブランド調査」とは
企業や団体が運営する日本の主要800サイトについてインターネット・ユーザーが「アクセス頻度」「コンバージョン(会員登録や商品購入などサイト内で実際に行われた行動度合)」「波及効果(サイトを閲覧した結果、サイト以外で実際に行われた行動度合)」「サイト・ユーザビリティ」「サイト・ロイヤルティ」「態度変容(サイトを運営する企業・組織に対するロイヤルティ)」の6項目について評価するWebアンケート調査である。サイトごとの調査結果を「Webブランド指数(WBI)」としてスコア化し800サイトを相対的に評価する。調査は3カ月ごとに実施、回答者は毎回40,000人を超え、Web評価調査としては日本最大規模である。
日経BPコンサルティング:日経BP社の研究・調査部門を分社独立した、日経BP社全額出資の「技術と経営に関するコンサルティング・調査会社」。2002年3月1日設立。資本金9000万円(日経BP社100%出資)。技術と経営に関する調査、研究、コンサルティング、関連する情報・刊行物の出版と関連商品の販売を行っている。
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