日経BPコンサルティング、「携帯電話“個人利用”実態調査2010」を発表
携帯電話の顧客満足度、NTTドコモがKDDI(au)と並び首位。“携帯流通マネー”の市場規模は1兆8000億円規模に
2010年07月22日
日経BPコンサルティング(東京都港区)はこのほど、「携帯電話“個人利用”実態調査2010」の結果をまとめた。報告書として7月22日に発行する。本調査は2000年に開始して以来、11年目で第16回を迎えた。今回は、全150項目に対して全国の男女4400人から回答を得た。携帯電話の顧客満足度、スマートフォン、データ通信カード、ケータイ動画の利用状況、メディア接触時間の比較のほか、「携帯電話を介して行われる購買」(以下、“携帯流通マネー”)にも焦点を当てた。
キャリア別顧客満足度の首位は、NTTドコモとKDDI(au)
今回の調査でも例年と同様、現在使用している携帯電話の総合的な顧客満足度と、通話機能や料金体系、デザイン、機能、サービスなど28項目についての満足度を聞いている。「総合評価」、「通話品質」、「圏外の少なさ(どこでも使える/どこでもつながる)」、「本体価格」、「基本料金・通話料金」、「パケット代」の基本的な6項目についての満足度を指標化し、キャリア(通信事業者)別にレーダーチャートで表した(図1)。
携帯電話の利用満足度を通信事業者別にみると、「総合満足度」はNTTドコモとKDDI(au)が17.7ポイントで首位に並んだ。次いでソフトバンク(11.4ポイント)、ウィルコム(0.0ポイント)の順で、回答者全体の総合満足度は16.0ポイントだった。イー・モバイルはサンプル数が少なかったため、集計対象外とした。
前回調査(2009年6月)ではKDDI(au)が1位(19.2ポイント)で、NTTドコモは2位(16.7ポイント)だった。KDDI(au)の総合満足度は、2007年6月調査の34.9ポイントをピークに、3年連続で単独1位だったが、下げが止まらず、今回、NTTドコモに並ばれた格好。NTTドコモの総合満足度は、2008年6月調査の13.4ポイントから2009年6月調査で16.7ポイントに上昇し、今回さらに1ポイント伸びて17.7ポイントとなったもの。ちなみに今回、総合満足度のスコアを小数点以下第2位までみると、NTTドコモが17.73ポイント、KDDI(au)は17.72となっている。
一方、ソフトバンクは2.3ポイント上がり、ウィルコムは10ポイント以上も下がった。NTTドコモとKDDI(au)、ソフトバンクの3社の総合満足度の差は、前回調査では10.1ポイントだったが、今回調査では6.3ポイントに縮まった。
総合満足度以外に、「通話品質」、「通話圏外の少なさ(どこでも使える/どこでもつながる)」、「本体価格」、「基本料金・通話料金」、「パケット代」で各キャリアを比較した(図1)。NTTドコモは「通話品質」と「通話圏外の少なさ」の2項目で1位、KDDI(au)は「本体価格」、ウィルコムは「基本料金・通話料金」と「パケット代」で1位となった。ソフトバンクは1位の項目がなかった。
オンラインショッピングとネットオークションが“携帯流通マネー”の規模拡大をけん引
本調査では、各種コンテンツの利用料金について尋ねている。携帯電話を介したオンラインショッピング/ネットオークション、おサイフケータイを使った買い物や乗り物利用、さらに音楽、電子書籍、ゲーム、動画の各コンテンツについて利用料金を回答してもらった。
これらの回答をもとにして、“携帯流通マネー”についての年間総額を算出した。その結果、“携帯流通マネー”の市場規模は総額で1兆8153億円と算出できた(図2)。内訳は、携帯オンラインショッピング(40.0%)、おサイフケータイでの買い物(31.7%)、おサイフケータイでの乗り物運賃(11.2%)、携帯ネットオークション(10.4%)、音楽コンテンツ(3.1%)、ゲームコンテンツ(1.6%)、動画コンテンツ(1.1%)、電子書籍コンテンツ(1.0%)である。
前回調査(2009年6月)と前々回調査(2008年6月)でも同様の利用料金を聞いており今回が3回目。前回調査では年間総額は1兆6931億円だった。内訳は、おサイフケータイでの買い物(34.9%)、携帯オンラインショッピング(34.5%)、おサイフケータイでの乗り物運賃(14.3%)、携帯ネットオークション(8.3%)、音楽コンテンツ(4.0%)、ゲームコンテンツ(1.6%)、電子書籍コンテンツ(1.2%)、動画コンテンツ(1.1%)。
利用金額をみると、携帯オンラインショッピングと携帯ネットオークションが利用金額を大きく増やしており、“携帯流通マネー”の規模拡大に寄与している。
“携帯流通マネー”の年間総額は、各コンテンツの利用料金と、総務省統計局の人口データ(平成22年1月1日現在の確定値)による性年代人口構成比、総務省「平成21年度通信利用動向調査」における各世代の携帯電話個人利用率をもとにして換算して算出している。
調査報告書・目次
第1部 調査概要と全体要約
- 調査概要
- 回答者の基本属性
- 全体要約
- 調査結果のハイライト
- 調査結果の詳細・分析
- 主に使用している携帯電話のキャリアシェア
- 主に使用している携帯電話メーカーシェア
- 携帯電話端末の色/好きな色
- 端末購入時の支払い方法(一括/割賦)
- 端末購入時期/買い替えの頻度
- ナンバーポータビリティ(MNP)利用意向
- 「SIMカード」、「SIMロック解除」の認知度と利用意向
- 携帯電話の利用(利用時間/通話/メール送受信)
- 携帯電話のコンテンツ利用
- 利用料金
- 携帯電話の複数所有
- 購入時に重視した要素
- 購入時に最も重視した要素
- 利用満足度(総合満足度・通話関連・料金関連)
- 利用満足度(端末)
- 次回の購入時に重視する要素
- 音楽機能
- ワンセグ機能
- 携帯での動画視聴
- 携帯での動画視聴意向
- 携帯でのゲーム利用
- 携帯での電子書籍閲読
- 携帯でのオンラインショッピング利用
- 携帯でのネットオークション利用
- おサイフケータイ機能
- 広告サイト・メールマガジン記載の広告サイトアドレスの利用
- データ通信カード利用
- データ通信カード利用満足度
- 携帯流通マネー市場規模
- 各種情報メディア接触時間
第2部 アンケート集計結果
第3部 アンケート調査票
※付属のCD-ROMには、単純集計表、自由記述及び全設問×下記12項目のクロス集計表を収録している。(ローデータはローデータ版にのみ収録。)
クロス軸
- 性別
- 年代別
- 性年代別
- キャリア別
- メーカー別
- 職業別
- 居住地域(都道府県)別
- 住環境別
- 未既婚別
- 家族構成別
- 年収別
- 1カ月に自由に使える金額別
調査概要
調査目的 | 携帯電話の個人利用実態とその動向をまとめる。 |
---|---|
調査方法 | Webアンケート調査 |
調査対象 | 全国携帯電話ユーザー(PHSも含む) |
回収数 | 4400人 [※男女とも15歳以上5歳刻みで11段階(65歳以上は一括り)。各段階で200人ずつ] |
発行日 | 2010年7月22日 |
調査時期 | 2010年6月11日~6月14日 |
調査機関 | 調査企画・設計・分析 日経BPコンサルティング |
報告書の形態 | バインダー形式 A4レポート(415ページ) CD-ROM(通常版には集計データと報告書PDFを収録/ローデータ版には集計データ、報告書PDF、ローデータを収録) |