これからのウェルビーイング③

働く1119人に聞きました。ビジネスパーソンが求めるリアルなウェルビーイング

2021.11.30

マーケティングリサーチ

  • コンテンツ本部 編集2部 渡邉 亜紀子

これまでの価値観が大きく揺らいだ昨今、従業員の幸福度や満足度が企業のパフォーマンスに影響を与えると認識され、ウェルビーイング*は、経営に欠かせないキーワードとして注目されています。日経BPコンサルティング(東京都港区)は、20~60代のビジネスパーソンを対象にオンライン調査を実施しました。働く人の「ウェルビーイング」は今、どうなっているのか、求められているものは何か、ウェルビーイングを阻害しているのは何か、リアルな声が聞こえてきました。

*ウェルビーイング
世界保健機関(WHO)が提唱した概念で、肉体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味し、幸福と訳されることもあります。

調査概要
<働く人のウェルビーイング調査>
実施期間:2021年10月29日~11月10日
対象:国内の20~60代の男女
有効回答数:1119件

働く人たちに聞きました。どのぐらい「幸せ」ですか?

今、幸せですか? そう聞かれたときに、あなたはどう答えるでしょうか。最高に幸せなら10、不幸で最低の状態を1として、今の幸福度を10段階で尋ねたところ、それぞれ2割程度の人が、5(19.8%)と7(19.2%)、8(18.0%)を選びました。6以上を選んだ人を合計すると57.1%という結果です。ほとんどの年代で5を選んだ人の割合が多かったものの、40代(20.8%)と60代(26.9%)は8を選んだ人が最も多くなりました。

幸福度に影響を与えるものを優先順位とともに聞いたところ、1番目に影響を与えるものは、収入(29.3%)、健康(25.6%)、家族(20.1%)、自由時間(5.4%)、仕事のやりがい(5.2%)でした。2番目に影響を与えるものは、健康(21.2%)、収入(19.0%)、家族(12.8%)、仕事のやりがい(12.3%)、趣味(6.6%)。3番目に影響を与えるものは、収入(17.8%)、健康(14.3%)、自由時間(10.5%)、仕事のやりがい(9.6%)、家族(9.2%)という結果でした。いずれも「収入」「健康」「家族」が多くを占めていますが、2番目に影響を与えるものの4位に「仕事のやりがい」がランクインしています。

あなたの幸福度に影響を与えるものはどれですか

仕事とウェルビーイングの関係

幸福度の中で仕事はどのくらいの割合を占めますか

幸福度の中で仕事(就業)の占める割合を聞いたところ、25%の人が、5(半分を占める)と答えていました。前出の幸福度との関連も見てみましたが、幸福度が高い人ほど仕事の比重も高いといった、明確な相関は認められませんでした。

ビジネスパーソンは職場でどんなときに幸せを感じているのでしょうか。仕事がうまくいったとき(40.5%)、給与が上がったとき(29.1%)、人間関係が良好なとき(26.1%)、好きな仕事をしている感じるとき(25.9%)が上位に挙がりました。

職場で幸せを感じるときは?

反対に、職場でストレスを感じるのは、人間関係がつらいとき(36.2%)が最も多く、仕事量が多すぎるとき(30.7%)、理不尽な扱いを受けたとき(29.1%)が続きました。

職場でストレスを感じるときは

職場環境に求めるもの

職場環境として重視する点について尋ねたところ、自分の成長が実感できる(16.4%)、まわりと最適なコミュニケーションが取れる手段がある(16.3%)、仕事のモチベーションを高めてくれる(15.8%)などが多く挙がりました。「あてはまる」と「ややあてはまる」を合わせると、仕事のモチベーションを高めてくれる(59.6%)点が1番求められているという結果でした。

職場環境で重視する点

コロナの影響により、働き方が変わりつつある現在、ビジネスパーソンが求める「成長の実感」「最適なコミュニケーション」「モチベーション向上」といった職場環境を実現していくには、職場に対するニーズを、より具体的に探っていく必要がありそうです。

以下に仕事をする上で「あったらいいもの」「排除したいもの」の自由回答の結果をはじめとした、調査結果をまとめています。ぜひご活用ください。

調査データとインサイト/ウェルビーイングスタートガイド

下記の資料に今回行った調査データとインサイト、ウェルビーイングに取り組むための手順とヒントをまとめました。

ウェルビーイング調査レポート/スタートガイド

  • ウェルビーイング実現にあたって、仕事をする上で「あったらよいもの」と「排除したいもの」
  • 職場環境とビジネスパーソンの幸福度の関係
  • ウェルビーイングの取り組みを始めるための手順とヒント
  • 重要概念(心理的安全性、デジタルウェルビーイング)
  • ウェルビーイング×テクノロジーのユースケース

これからのウェルビーイング

コンテンツ本部 編集2部
渡邉 亜紀子(わたなべ・あきこ)

エンタメ&カルチャー情報誌の編集者を経て、オウンドメディア編集歴20年。現在は医療・健康分野と建物まわりを中心に担当。より良い企業コミュニケーションのデザインづくりに「さってばさあ」の姿勢で取り組む(「さってばさあ」は出身地の方言で「話を聞いたらすぐ動く」の意味)。

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