日本で活かせる、欧米マーケターの経験
欧米のマーケターの悩みと打開策 「欧米と日本のBtoBマーケ事情」(その2)
日本より進んでいると言われている、欧米のBtoBマーケティング。欧米でコンテンツマーケティングを展開するマーケターも、多くの悩みを抱えながら、さまざまな体験を積んでいます。今回は国内のデジタルマーケターのみなさんが活用できる、欧米の体験について、ご紹介します。
顧客の「変化」を見逃すな!信頼を得て新規も狙う、もう一つのファネル
米国流の新規リード獲得策だけではなく、一度は取引があった顧客を対象とした満足度向上や契約の継続、売り上げの向上(アップセル)、そして別の商材の売り込み(クロスセル)や、既存新規つまり他部署との商談のための方策も重視する、欧州の考え方について、具体的にどんなことを考えて行けばいいのかをまとめました。
契約変更の兆候をとらえるために、アクセスログからWebサイトへの来訪ぶりをウオッチする方法や、サポート機能の充実でCS向上を重視する考え方、そしてコンテンツの力を生かして、既存新規向けに改めてブランディングすることなどをまとめました。
満足度の向上では、もちろんサポートが大切で、WebサイトにFAQを用意し、随時更新したり、商材の機能など向上させたことをメールで知らせたりすることが基本となります。リアルのサポートにつなげることも重要で、顧客専用のサポート申込みフォームやサポート窓口のホットラインなどを案内したり、受けた要望へ対応できる体制の準備などを示しました。トラブルシューティングの情報を掲載することや、コンシュルジュ的な機能の提供も顧客満足度の向上に役立つコンテンツであることを示しています。
さらに、オリジナルのお役立ち情報や、既報のビジネス情報を活用して、企業としての信頼性を高め、ブランドの価値向上、顧客企業との距離を縮めることなどを示しました。
BANTの収集だけでは不十分、リードからの反応を高めるブランディング
「BANT情報だけをホットリードの判定基準にすることは十分ではない」。米国カリフォルニア州サンラモンに本拠を持つ、デマンド・ジェン(=DemandGen、以下DG社)社CEOのDavid Lewis氏の言葉を紐解き、BANT情報を生かすために重要な、自社との距離感、そしてキーパーソンに正対しているかどうかの情報、自社の商材とフィットするかどうかを判断するための情報についてまとめました。
キモはターゲットへのブランディングとして、商材に応じて、検討段階で関わる人はだれなのか、最終決定者はどんな人になるのか、キーパーソンとなる人たちに対してブランディングすることが重要であることを示しました。既存顧客から、隣の部署への紹介を容易に獲得できた場合でも、その先は新規顧客と同じです。紹介を受けた部署のキーパーソンに、自社サイト上の企業情報をしっかり閲覧してもらえるようにすることが大切です。
「紙の力」が意外な盲点に、オウンドメディアの設定目的を見直しませんか
的確なターゲットに情報を届けるうえで最適な接点を選ぶためには、米国でも紙媒体が捨てがたいと評価されている様子を伝えました。
管理者レベルのビジネスマンはとても多忙で、Webサイトを自分で検索し、情報を探すヒマがないのは、日本だけでなく米国でも同じ。BtoB案件で管理者レベルのビジネスマンとの接点を持つために、わざわざ紙の冊子を用意した、米Content Marketing Institute創始者のジョー・ピューリッジ氏の考え方と効果を提示しています。
また、日本企業のオウンメディア保有実態を調べた調査結果を紹介し、Webサイトとしてのオウンドメディアは33.6%が保有、紙の冊子22.0%を上回っていたことも示しています。