消費者のブランドイメージでYouTubeが2年連続のトップ
上昇ランキング上位に、ワークマン、トヨタ自動車、セブンプレミアム
SDGs企業活動認知では、サントリーや味の素が高評価
日経BPコンサルティング調べ「ブランド・ジャパン2021」調査結果発表

2021年3月26日

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、今年で21年目を迎えるブランド価値評価プロジェクト「ブランド・ジャパン2021」の結果をまとめ、本日(2021年3月26日)、調査結果データをリリース・発売する。調査は2020年11~12月に実施され、調査回答者数は約6万人だった。今回から、ビジネス・パーソン編でSDGs17ゴールに貢献する企業活動の認知度評価も含まれる。

[ブランド力上位100のランキングは、表1(一般生活者編)をご覧ください ]

調査結果より

消費者のブランドイメージでYouTubeが2年連続の首位。トップ10入りは、ユニクロ、ソニー、ディズニー、トヨタ自動車、アップル

一般生活者編「総合力」ランキングでは、88.0ポイント(偏差値)のスコアを得てYouTubeが首位を獲得(表1)。第2位にはGoogleが、第3位にはユニクロが入った。トップ10の10ブランド中、5ブランドが入れ替わった。新たにトップ10入りしたのは、ユニクロのほか、ソニー(第5位)、ディズニー(第8位)、トヨタ自動車(第9位)、アップル(第10位)。

今回首位となったYouTubeはブランド力を構成する要素の中で、イノベーティブ(革新性)とコンビニエント(利便性)への評価が高い。イノベーティブランキングでは1000ブランド中第3位で、コンビニエントランキングでは第5位となった(図1)。前回に引き続き、これらの因子を維持したことが首位獲得に繋がった。日本におけるYouTubeの月間利用者数は6,500万人を超え(2020年9月時点)、アップロードされた動画の総時間は80%増加した(2020年6月と前年同月との比較)(引用元:Think with Google)。利用者の74%が「利用が増えた」と回答しており、この数字は他のオンラインプラットフォームの調査データ(平均)の3倍以上になるという。

Google(第2位)、ユニクロ(第3位)、無印良品(第4位)、ソニー(第5位)が続く

第2位のGoogleは前回第6位から順位を上げた。テレワークや遠隔学習の普及がChromebook、ビデオ会議ツールのGoogle Meetのさらなる追い風となった。また、自粛でGoogle Playなどモバイルアプリ全体の総ダウンロード数は30%近い伸びを見せた(引用元:Think with Google)。さらに、人工知能(AI)を活用して新型コロナウイルスの感染者数などを予測する取り組みが日本でも昨年の11月から公表を始めた。その結果、フレンドリー(親近性)、アウトスタンディング(卓越性)、コンビニエント(利便性)の指標が向上した。

ユニクロ(第3位)はコロナ禍でも売上が好調。ルームウエアやヒートテック毛布が売れ筋で、ECの販売も伸びた。

第4位は、無印良品で、総合力は85.6ポイント、第5位は、ソニーで83.9ポイントとなった。

表1 ■ブランド・ジャパン 2021の「総合力」ランキング 上位100ブランド
一般生活者編(一般生活者による評価)
順位 ブランド 総合力
(偏差値)
今回 前回 今回 前回
2021 2020 2021 2020
1 1 YouTube 88.0 96.8
2 6 Google 87.8 80.7
3 13 UNIQLO
ユニクロ
87.4 78.2
4 3 MUJI
無印良品
85.6 82.2
5 41 SONY
ソニー
83.9 70.6
6 5 NISSIN
日清食品
82.6 81.4
7 7 Amazon
アマゾン
82.3 79.9
8 20 Disney
ディズニー
81.5 76.5
9 68 TOYOTA
トヨタ自動車
80.7 66.4
10 12 Apple
アップル
80.2 78.3
11 30 McDonald's
マクドナルド
79.9 73.4
12 51 ニトリ 79.4 68.9
13 11 STUDIO GHIBLI
スタジオジブリ
79.1 78.8
14 40 丸亀製麺 78.6 70.7
15 56 iPhone 78.4 67.8
15 22 DAISO
ダイソー
78.4 76.2
17 19 Nintendo
任天堂
77.4 77.0
18 77 HEATTECH
ヒートテック
76.4 66.0
19 57 Asahi
アサヒビール
76.1 67.7
20 8 CUP NOODLE
カップヌードル
75.8 79.6
20 9 キユーピー 75.8 79.4
20 25 7-ELEVEn
セブン-イレブン
75.8 75.2
23 151 WORKMAN
ワークマン
75.7 60.7
24 97 ドン・キホーテ 75.5 64.2
25 18 meiji
明治
75.4 77.2
26 64 ITO EN
伊藤園
75.1 66.8
27 75 SHARP
シャープ
74.9 66.2
28 32 adidas
アディダス
74.6 73.0
29 91 Nintendo Switch
ニンテンドースイッチ
73.4 64.6
30 36 AEON
イオン
73.3 71.7
31 - 明治ブルガリアヨーグルト 73.2 -
32 58 スシロー 73.1 67.6
33 84 セブン&アイ・ホールディングス 73.0 65.1
34 46 Calbee
カルビー
72.7 69.9
34 10 STARBUCKS
スターバックス コーヒー
72.7 78.9
36 35 AJINOMOTO
味の素
72.5 71.8
36 26 CALPIS
カルピス
72.5 74.9
38 16 Coca-Cola
コカ・コーラ
72.4 78.1
38 86 Microsoft
マイクロソフト
72.4 65.0
40 13 KFC
ケンタッキーフライドチキン
72.3 78.2
41 72 glico
江崎グリコ
71.6 66.3
42 2 LINE 71.2 90.8
43 115 サッポロ一番 71.1 63.1
44 38 USJ
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
70.5 71.2
45 50 Asahi
アサヒ飲料
70.4 69.2
46 190 PlayStation
プレイステーション
70.3 58.7
47 27 FamilyMart
ファミリーマート
70.1 74.5
48 13 SUNTORY
サントリー
70.0 78.2
49 34 NIKE
ナイキ
69.9 72.0
50 117 IRIS OHYAMA
アイリスオーヤマ
69.7 63.0
50 62 Nestlé
ネスレ
69.7 67.1
50 29 Häagen-Dazs
ハーゲンダッツ
69.7 73.9
53 24 Windows 69.1 75.6
54 4 Panasonic
パナソニック
68.9 81.5
55 33 Seria
セリア
68.8 72.5
56 17 LAWSON
ローソン
68.7 77.7
57 53 餃子の王将 68.5 68.6
58 41 MITSUYA CIDER
三ツ矢サイダー
68.3 70.6
58 95 Yakult
ヤクルト
68.3 64.3
60 108 Saizeriya
サイゼリヤ
68.1 63.4
60 117 ヤマト運輸 68.1 63.0
60 63 LION
ライオン(家庭用品)
68.1 66.9
63 61 Kao
花王
68.0 67.2
63 112 GU
ジーユー
68.0 63.3
63 287 SEVEN&i PREMIUM
セブンプレミアム
68.0 54.5
66 78 MORINAGA
森永製菓
67.9 65.9
67 148 iPad 67.8 60.9
67 275 FUJIFILM
富士フイルム
67.8 54.9
67 49 Mister Donut
ミスタードーナツ
67.8 69.4
70 269 Amazonプライム 67.7 55.0
71 47 dyson
ダイソン
67.6 69.8
72 164 T-fal
ティファール
67.5 60.2
72 58 ヤマザキパン 67.5 67.6
74 31 Rakuten
楽天カード
67.3 73.2
75 122 MOS BURGER
モスバーガー
67.1 62.6
76 52 ガリガリ君 67.0 68.8
77 72 じゃがりこ 66.9 66.3
78 45 House
ハウス食品
66.7 70.0
79 54 kikkoman
キッコーマン
66.3 68.2
80 151 SAPPORO
サッポロビール
66.2 60.7
80 48 東洋水産(マルちゃん) 66.2 69.6
80 37 Rakuten
楽天市場
66.2 71.3
83 102 お~いお茶 66.0 63.8
83 122 コメダ珈琲店 66.0 62.6
83 122 Pocky
ポッキー
66.0 62.6
83 241 Lipton
リプトン
66.0 56.2
87 166 ファッションセンターしまむら 65.8 60.0
88 92 爽健美茶 65.5 64.5
88 86 NESCAFÉ
ネスカフェ
65.5 65.0
90 64 テレビ東京 65.3 66.8
91 103 KIRIN
キリンビール
65.1 63.7
91 90 TOPVALU
トップバリュ
65.1 64.8
93 135 IKEA
イケア
64.9 61.9
94 21 YAHOO! 64.8 76.4
95 86 HITACHI
日立製作所
64.6 65.0
95 81 PayPay 64.6 65.3
97 137 Bioré
ビオレ
64.5 61.7
98 104 cookpad
クックパッド
64.3 63.6
98 121 FUJIYA
不二家
64.3 62.7
100 67 亀田製菓 64.2 66.5

注)一般生活者編では、企業ブランドと製品・サービスブランド合わせて1,000ブランドを対象とし、一般生活者が評価した。
「フレンドリー」「コンビニエント」「アウトスタンディング」「イノベーティブ」という4指標から総合力を算出。
ブランド・ジャパン 2020のデータがないものは、「-」と表記。

図1■一般生活者編:「YouTube」4因子スコア(偏差値) クリックで拡大

ブランド力上昇トップ5はワークマン、トヨタ自動車、セブンプレミアム、ソニー、富士フイルム

今回、総合力が最も伸びたのはワークマン(表2)。同ブランドは、2020年中も店舗数を増やしてきた。カジュアルウエアを求める新規客がまだ増加しており、主力の作業着では空調ファン付きのジャケットなどがヒットした。「ワークマンプラス」「#ワークマン女子」といった新規業態も注目された。

トヨタ自動車は、テレビCMとネットメディアを融合させたオウンドメディア「トヨタイムズ」が話題となった。また、「誰ひとり取り残さない」という姿勢で国際社会が目指している「SDGs(持続可能な開発目標)」に本気の取り組み宣言を大々的に行った。その影響もあり、今回の結果では、イノベーティブが93.5ポイントと高かった。なお、今回から聴取したSDGsに貢献する企業活動の認知度では、サントリーが「安全な水とトイレを世界中に」で19.7ポイント(第4位)、「海の豊かさを守ろう」で16.2ポイント(第3位)、味の素が「飢餓をゼロに」で26.1ポイント(第5位)と高い評価を得た。

セブンプレミアムは2007年からの累計売上が2020年中に10兆円を突破した。現在4,000アイテムを超える。セブン-イレブンはコロナ禍でも善戦しており、食品ロスを削減する「エシカルプロジェクト」の展開も注目を集めた。

ソニーはゲーム事業が好調でPlayStation 5の発売も記憶に新しい。富士フイルムは抗ウイルス薬「アビガン」が臨床試験に成功し、話題となった。

総合力ランキングと上昇ランキングの上位では、ニューノーマルな生活習慣の提案やサステナビリティを推進することで生活者に寄り添い、ときにはリードするブランドの活躍が目立った。今後も、生活者の視点に基づき、暮らしや働き方を提案し続けることがブランド力向上において重要になっていくのではないだろうか。

(石原 和仁=日経BPコンサルティング ブランド・ジャパン プロジェクトマネージャー)

表2 ■ブランド・ジャパン 2021の「総合力」上昇ランキング 上位50ブランド
一般生活者編(一般生活者による評価)
上位順位 総合力順位 ブランド 総合力の
前回差分
(ポイント)
今回 前回
2021 2020
1 23 151 WORKMAN
ワークマン
15.0
2 9 68 TOYOTA
トヨタ自動車
14.3
3 63 287 SEVEN&i PREMIUM
セブンプレミアム
13.5
4 5 41 SONY
ソニー
13.3
5 67 275 FUJIFILM
富士フイルム
12.9
6 70 269 Amazonプライム 12.7
7 153 487 PORSCHE
ポルシェ
11.9
8 46 190 PlayStation
プレイステーション
11.6
9 135 441 イソジン 11.4
10 24 97 ドン・キホーテ 11.3
10 118 389 ABC-MART 11.3
12 15 56 iPhone 10.6
13 12 51 ニトリ 10.5
14 18 77 HEATTECH
ヒートテック
10.4
15 83 241 Lipton
リプトン
9.8
16 191 474 Morozoff
モロゾフ
9.7
16 272 624 日東紅茶 9.7
18 3 13 UNIQLO
ユニクロ
9.2
18 110 309 すかいらーくグループ 9.2
20 29 91 Nintendo Switch
ニンテンドースイッチ
8.8
20 300 624 住友林業 8.8
20 521 915 VICTOR ENTERTAINMENT
ビクターエンタテインメント
8.8
23 27 75 SHARP
シャープ
8.7
24 204 459 CAINZ
カインズ
8.6
25 19 57 Asahi
アサヒビール
8.4
26 26 64 ITO EN
伊藤園
8.3
27 250 515 三幸製菓 8.2
27 304 603 VAIO 8.2
29 43 115 サッポロ一番 8.0
30 14 40 丸亀製麺 7.9
30 33 84 セブン&アイ・ホールディングス 7.9
30 390 711 Netflix 7.9
33 311 594 Hulu
フールー
7.8
34 170 368 YBC
ヤマザキビスケット
7.6
35 400 703 ROUTE INN HOTELS
ホテルルートイン
7.5
36 38 86 Microsoft
マイクロソフト
7.4
36 261 502 N-BOX 7.4
38 72 164 T-fal
ティファール
7.3
38 307 564 よつ葉乳業 7.3
38 455 776 RIZAP
ライザップ
7.3
41 158 342 Francfranc
フランフラン
7.2
41 307 558 バスロマン 7.2
43 2 6 Google 7.1
43 210 421 Rakuten
楽天銀行
7.1
45 167 349 はなまるうどん 7.0
45 501 819 HANSHIN
阪神百貨店
7.0
47 67 148 iPad 6.9
47 420 696 ABC
朝日放送グループ
6.9
47 634 939 LG 6.9
50 50 117 IRIS OHYAMA
アイリスオーヤマ
6.7
50 122 262 Mac
マック(パソコン)
6.7
50 179 356 Asahi
アサヒグループ食品
6.7

注)一般生活者編では、企業ブランドと製品・サービスブランド合わせて1,000ブランドを対象とし、一般生活者が評価した。
「フレンドリー」「コンビニエント」「アウトスタンディング」「イノベーティブ」という4指標から総合力を算出。

  • ■ブランド・ジャパン
    国内で使用されているブランドを一般生活者とビジネス・パーソンが評価する、日本最大規模のブランド価値評価調査プロジェクト。2001年に第1回調査を実施し、今回が21回目。一般生活者編では企業ブランドと製品・サービスブランド合わせて1,000ブランドを対象に調査した。ブランド価値の「総合力」を算出する際に、「フレンドリー(親近性)」「コンビニエント(利便性)」「アウトスタンディング(卓越性)」「イノベーティブ(革新性)」という4指標を採用した。ビジネス・パーソン編では500の企業ブランドを対象に調査した。ブランド価値の「総合力」を算出する際に、「先見力」「人材力」「信用力」「親和力」「活力」の5指標と5つの「企業評価項目」を採用した。調査概要は、別紙の「調査の構成と概要」と「特別顧問およびブランド・ジャパン企画委員会」を参照。2021年版よりビジネス・パーソン編ではSDGsの17ゴールそれぞれに貢献する企業活動の認知度を聴取した。
    「ブランド・ジャパン」詳細ページ
  • ■日経BPコンサルティング
    日経BP全額出資のコンサルティング、コンテンツ関連、デジタル関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9,000万円)
その他の資料

調査の構成と概要

特別顧問およびブランド・ジャパン企画委員会

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株式会社日経BPコンサルティング ブランドコミュニケーション部
石原 和仁
〒105-8308 東京都港区虎ノ門4-3-12

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