Webサイトのブランド力、総合編では「Yahoo! JAPAN」、一般企業編では「サントリー」がトップを獲得
日経BPコンサルティング調べ 「Webブランド調査2017-秋冬」

2017年12月20日

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、3万人以上のネットユーザーが国内500のサイトを評価する「Webブランド調査2017-秋冬」の結果をまとめた。Webサイトのリニューアルの効果や製品への関心、企業の好感度への影響を明らかにするもので、2017年12月20日に調査報告書を発行・発売した。

今回からWBIの算出方法を一部改訂し、企業の事業活動や技術・取り組みへの「理解」「関心」を測る「態度変容:企業活動」を新設し、前回までの来訪経験者のWebサイト上での行動を測る「コンバージョン」、Webサイト外での行動を測る「波及効果」を「行動喚起」スコアとして統合した。これによりWebブランド指数(WBI)を構成する指数を「アクセス頻度」「サイト・ユーザビリティ」「サイト・ロイヤルティ」「態度変容:製品・サービス」「行動喚起」「態度変容:企業活動」の6指数とした。
(上記改訂に伴い、本リリースの2017-春夏結果も新算出方式により再計算したものを掲載したため、前回発表とは一致しない)

調査結果のポイント

  • 新設の「態度変容:企業活動」スコアは電気・電子メーカー・製薬メーカーの上位ランクインが目立つ
    トップ3は「日立製作所」「ファイザー」「GSKグラクソ・スミスクライン」

    第1位「日立製作所」は公共性の高い事業の訴求で“家電領域以外”の認知・関心喚起にサイトが貢献
  • 総合ランキングは、「Yahoo! JAPAN」が2017-春夏調査に続き2回連続で首位を獲得
  • 一般企業編(インターネット専業企業を除く)で、「サントリー」が首位を獲得
    第1位「サントリー」はサイトを通して企業活動への理解が浸透、評価上昇に寄与

新設の「態度変容:企業活動」スコア上位は「日立製作所」「ファイザー」「GSKグラクソ・スミスクライン」
「日立製作所」は公共領域の事業訴求で“家電だけではない”魅力を伝える

新設した「態度変容:企業活動」スコアで今回、ランキングトップを獲得したのは「日立製作所」。「ファイザー」が第2位、「GSK グラクソ・スミスクライン」が第3位に入った。(表1)。同スコアの上位ランキングでは、toB・toC共に展開する電機・電子メーカーや製薬メーカー、食品・飲料メーカーが目立つ。いずれのサイトでも技術力や研究・開発のコンテンツが来訪者の目に留まりやすく、企業活動の理解から関心喚起に繋がっていると見られる。

今回第1位となった「日立製作所」はサイトトップページに公共性の高い事業の事例紹介やセミナーの基調講演動画などを配置しており、自由意見で「新しいテクノロジーの発見など興味深い」「事業領域が思っていた以上に広く、もっと知りたい」との声が寄せられるなど、一般来訪者に身近な家電以外の領域への関心喚起に成功していることが伺える。

「サイト・ユーザビリティ」「サイト・ロイヤルティ」が高評価の「Yahoo! JAPAN」が総合第1位を堅持

調査対象500サイト中の総合ランキング第1位となったのは「Yahoo! JAPAN」。第2位の「楽天市場」、第3位の「Amazon.co.jp」も共に前回と同順位だった(表2)。

「Yahoo! JAPAN」は6指標全てでスコアが低下しており、特に「態度変容:製品・サービス」、「行動喚起」、「態度変容:企業活動」の低下が目立ったものの、「アクセス頻度」が高いことを背景に、「サイト・ユーザビリティ」「サイト・ロイヤルティ」でいずれも500サイト中トップを獲得し、総合第1位を堅持した。

メインビジュアルの動画でコーポレートメッセージを訴求した「サントリー」が一般企業サイト首位を獲得

一般企業サイト (インターネット専業企業サイトを除く)のトップ3は、「サントリー」「ヤマト運輸」「森永乳業」(表3)。

第1位の「サントリー」は「態度変容:企業活動」スコアが大きく伸び、WBIを牽引した。2016年秋冬のサイトリニューアル時からコーポレートメッセージ「水と生きる」を訴求した動画をメインビジュアルに採用しており、動画を活用した企業活動の打ち出しが浸透してきた可能性がある(図4)。

第2位は「ヤマト運輸」がランクインした。前回からWBIがやや下がったものの、「アクセス頻度」「サイト・ロイヤルティ」を中心に高い評価を維持している。「サイト・ロイヤルティ」は79.7ポイントで、指数を構成する要素としては「利便性」「信頼性」に加え「サイトへの好感」を中心に、高い水準を維持している(図5)。「ヤマト運輸」サイトへの自由意見では荷物の追跡や再配達、会員制サービスへの言及が多く、ユーザーから好評を得ていることが伺える。

近年の企業Webサイトの動きとして、商品・サービスの情報や魅力を伝えるマーケティング領域の情報発信のみならず、Webサイトを通した企業ブランディングを強化する企業・団体が増加している。調査結果の傾向としては、来訪者の目的に合ったコンテンツを的確に届けるサイトの評価が上がる傾向にある。企業のマーケティングや広報活動におけるサイトの貢献度を本調査で確認し、顧客接点の改善やブランド力の強化にお役立ていただきたい。

表1 「態度変容:企業活動」スコア ランキングトップ20
スコア順位 サイト名 「態度変容:企業活動」スコア
2017-秋冬(今回) 前回とのスコア差
1 日立製作所 100.5 +21.0
2 ファイザー 85.3 +25.1
3 GSK グラクソ・スミスクライン 84.7 +12.8
4 オリンパスグループ 83.5 +18.7
5 サントリー 82.9 +24.2
6 パナホーム 81.8 +28.7
7 三菱電機 78.2 +15.4
8 中外製薬 75.3 +16.6
9 シチズン時計(シチズングループサイト) 74.1 +31.1
9 TOTO 74.1 -4.9
11 グンゼ 72.4 +20.8
11 NEXCO 中日本 72.4 +26.4
13 ヤクルト本社 71.2 +2.4
13 ロート製薬 71.2 +6.4
15 エコソリューションズ社 | Panasonic 70.0 +12.3
16 日本自動車連盟(ジャフ) 68.8 +1.5
16 ネスレ日本 68.8 -9.7
16 Honda 68.8 +16.2
16 雪印メグミルク 68.8 -6.1
20 キユーピー 68.2 -0.1
20 JT 68.2 +6.5
20 生協(コープ/COOP)の宅配パルシステム 68.2 +18.1
表2 Webブランド指数 総合ランキング トップ50 
今回順位 前回順位 サイト種類 サイト名 Webブランド指数スコア(WBI)
2017-秋冬
(今回)
前回との
スコア差
1 1 ネット専業 Yahoo! JAPAN 113.6 -11.4
2 2 ネット専業 楽天市場 109.1 -1.5
3 3 ネット専業 Amazon.co.jp 108.3 +1.1
4 4 ネット専業 Google 100.4 +3.3
5 9 一般企業 サントリー 87.2 +11.4
6 5 ネット専業 YouTube 81.4 -6.2
7 7 ネット専業 クックパッド 80.7 +2.4
8 17 ネット専業 価格.com 77.1 +7.0
8 8 一般企業 ヤマト運輸 77.1 -0.9
10 14 ネット専業 Wikipedia 73.6 +2.6
11 35 一般企業 森永乳業 72.2 +9.2
12 16 一般企業 アサヒビール 72.0 +1.7
13 13 一般企業 キリン 71.9 +0.6
14 10 一般企業 Tサイト 71.5 -1.1
15 27 一般企業 日本郵便 71.0 +5.2
16 22 一般企業 パナソニック商品情報 68.5 +0.6
17 43 一般企業 NTTドコモ 67.9 +5.8
17 58 一般企業 無印良品 67.9 +7.5
19 6 一般企業 Asahi Park 67.3 -13.5
20 25 一般企業 じゃらんnet 67.1 +0.4
21 30 ネット専業 楽天カード 67.0 +2.2
22 34 一般企業 ケンタッキーフライドチキン 66.9 +3.7
23 28 一般企業 CLUB Panasonic 66.5 +0.8
23 60 一般企業 ユニクロ 66.5 +6.7
25 48 一般企業 森永製菓 66.2 +4.9
26 51 ネット専業 楽天トラベル 66.0 +5.0
27 38 一般企業 セブン-イレブン 65.8 +3.3
28 32 一般企業 東京ディズニーリゾート 65.7 +2.1
29 19 一般企業 カルピス 65.2 -3.5
29 33 一般企業 日清製粉グループ 65.2 +1.7
31 31 一般企業 サッポロビール 65.1 +1.4
32 11 一般企業 味の素 商品情報サイト 64.9 -7.3
32 20 一般企業 キユーピー 64.9 -3.6
32 35 一般企業 モスバーガー 64.9 +1.9
35 12 一般企業 カルビー 64.8 -6.6
36 104 一般企業 ハウス食品 64.7 +8.3
37 80 一般企業 パナソニック 64.6 +6.6
38 56 ネット専業 食べログ 64.4 +3.8
39 18 一般企業 キッコーマン 64.3 -5.4
39 29 一般企業 日本郵政 64.3 -0.9
41 21 一般企業 雪印メグミルク 64.2 -4.2
42 62 一般企業 カゴメ 63.8 +4.2
43 44 一般企業 ANA 63.4 +1.4
43 15 一般企業 ミツカングループ商品・メニューサイト 63.4 -7.3
45 137 一般企業 Apple 62.1 +8.6
45 197 一般企業 亀田製菓 62.1 +11.6
47 44 一般企業 エバラ食品 62.0 0.0
48 38 一般企業 花王 61.9 -0.6
49 93 一般企業 McDonald's Japan 61.6 +4.4
50 189 一般企業 JTB 61.4 +10.5
表3 【一般企業編(ネット専業企業除く)】 Webブランド指数ランキングトップ10
一般企業内順位 全体順位 サイト名 Webブランド指数スコア(WBI)
2017-秋冬
(今回)
前回との
スコア差
1 5 サントリー 87.2 +11.4
2 8 ヤマト運輸 77.1 -0.9
3 11 森永乳業 72.2 +9.2
4 12 アサヒビール 72.0 +1.7
5 13 キリン 71.9 +0.6
6 14 Tサイト 71.5 -1.1
7 15 日本郵便 71.0 +5.2
8 16 パナソニック商品情報 68.5 +0.6
9 17 NTTドコモ 67.9 +5.8
9 17 無印良品 67.9 +7.5

ランキング表中のサイト名表記は、トップページのタイトルによるサイトの正式名称。

  • 図4 「サントリー」のスコアチャート
    図4 「サントリー」のスコアチャート
  • 図5 「ヤマト運輸」のスコアチャート
    図5 「ヤマト運輸」のスコアチャート
■Webブランド調査について(URL:https://consult.nikkeibp.co.jp/branding/solutions/web-brand/
  • 調査目的:

    Webサイトのブランド力を測定し、企業や団体のWebにおけるブランド・コミュニケーション戦略の成果を定点観測する

  • 調査手法:

    インターネット調査

  • 調査対象:

    全国、20歳以上のインターネット・ユーザー(日経BPコンサルティングの提携調査会社の調査モニター)

  • 有効回答数:

    35,868件

  • 調査対象ブランド:

    企業や団体が運営する日本の主要500サイト

  • 調査実施期間:

    2017年10月10日(火)~10月17日(火)※半年ごとに年2回実施(春夏:4月、秋冬:10月)

  • 調査企画・実施:

    日経BPコンサルティング

日経BPコンサルティング:日経BP社全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9000万円)

このリリースに関するお問い合わせ

株式会社 日経BPコンサルティング ブランドコミュニケーション部
担当:鈴木 はるか
Tel.03-6811-8308 Fax.03-6403-7914
〒105-8308 東京都港区虎ノ門4-3-12

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