勤務先の情報共有システムに約7割が「不便」と回答、ファイル共有サービスの活用に期待感
〜「情報やファイルの共有に関するアンケート結果」〜
2016年07月07日
株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、ビジネスパーソンと企業等のシステム担当者を対象に、勤務先の情報や電子ファイルの共有に関する調査を行った。約7割の回答者が、勤務先の情報共有システムに不便さを感じており、電子メールを中心としたシステム環境の課題が明らかになった。今後進めたい・強化したい手段としてファイル共有サービスへの期待感があることも分かった。
「情報共有に関する社内のシステムや環境は不便なところがある」という点に対して、「とてもそう思う」と「ややそう思う」が合わせて68%に上った(図1)。「そう思わない」、すなわち不便さを感じていない回答者はわずか9%にとどまり、大半のビジネスパーソンが情報共有システムに不満を感じながら業務を行っている。
「大容量データのやりとりが不便」、「社外との手段がメール以外にない」
情報共有の利用環境面で具体的な課題を尋ねたところ、最も多かったのが「大容量データのやりとりが不便」で、54%に上った(図2)。「社外の人との情報共有手段がメール以外にない」が2番目に多く35%である。いずれも、電子メールを中心とした現状の情報共有システムの限界を感じさせる結果だった。
実際、電子ファイルなどの共有手段としては、「電子メール」が圧倒的に多く使われている。利用することが多い手段として、「部門内での情報共有」において79%が、「取引先や協力企業等との情報共有」では83%が、電子メールを挙げた。社内の情報共有に限れば、電子メール以外に、「自社構築のファイルサーバー」(69%)や、「グループウエア」(55%)の利用も進み、それぞれ使い分けられている様子だが、社外になると電子メール一辺倒といった状況である。
ファイル共有サービスが強化の2番手に、無料より有料サービスが企業利用の中心に
今回の調査では「今後、利用を進めたい/強化したい手段」も尋ねた。ここでも「電子メール」の比率が高く、電子メールへの依存は当分続くとみられる。ただし、社外との情報のやりとり、外出先での活用において「外部のファイル共有サービス」が「電子メール」に次ぐ強化意向があり、変化を感じさせる結果だった。「取引先や協力企業等との情報共有」では29%が、「外出先での情報活用」では24%が、ファイル共有サービスの利用を進展・強化したいと答えた。ファイル共有サービスはこれまで、取引先や協力企業等との情報共有に一部使われてきたが、今後は外出先からの情報活用手段などとしても利用が進みそうだ。
ファイル共有サービスには、無料/有料さまざまなサービスがある。無料と有料で利用状況や意向を尋ねたところ、有料サービスの利用率が26%で、「利用を検討中」、「今後、利用を検討したい」を含めると47%に上った。一方、無料のファイル共有サービスの現在の利用率は、有料サービスの約半分、14%にとどまり、「利用したことはないし、今後も予定はない」が56%に上った。企業のセキュリティ意識が高い状況が続いている中、ビジネスでのファイル共有サービスの利用は有料サービスが中心になっていくとみられる。
調査対象 | 企業等の情報システム部門やその他部門の勤務者 |
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調査手法 | インターネット調査(Webアンケート) |
調査期間 | 2016年6月6日〜8日 |
有効回答数 | 280件 |
回答者属性 | |
所属部署 | 情報システム部門:50%、左記以外の部門:50% |
従業員数 | 1000人以上:50%、999人以下:50% |
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