11年ぶりにキユーピーが首位奪還
僅差でキリンビール、カゴメが続く
日経BPコンサルティング調べ 「食の安全・安心企業ブランド調査2015-2016」

2015年12月16日

日経BPコンサルティング(東京都港区)は、「食の安全・安心企業ブランド調査 2015-2016」の結果をまとめ、2015年12月16日に調査報告書を発行・発売した。調査の対象は「食」に関する国内主要160ブランド。これらブランドに対して、7つの評価指標(※1)に基づき、消費者約1万人に評価してもらい、総合指標となる「食の安全・安心企業ブランド総合スコア」(以下、総合スコア)を算出した(※2)。調査時期は2015年10月14日~22日。

調査結果のポイント

「キユーピー」が11年ぶりに首位奪還。「キリンビール」「カゴメ」が昨年首位の「サントリー」をおさえる

総合スコアの全体ランキングは、前回(2014年11月実施)2位の「キユーピー」(総合スコア72.2)が首位を獲得した(図表1)。キユーピーは7つの評価指標すべてで高いスコアを獲得しているが、今回は、安全性などへの取り組み姿勢(※3)を評価する指標(今年は84.0、前回は80.2)を構成する「有機/無農薬/減農薬に取り組んでいる」「危険性の無い原材料を用いている」「原材料の産地を明示している」が高まった。自由意見には、今年90周年を迎えた主力商品、キユーピーマヨネーズに対する意見が多いものの、「最近は原材料にもこだわり、真実を知らせる努力を感じています。(44歳、男性)」「生産工場内では品質管理や衛生管理が徹底していると思う(45歳、女性)」などの声が寄せられた。

2位には、前回4位の「キリンビール」が上昇(総合スコア70.9)。「キリンビール」は元々、安全・安心への取り組み姿勢を評価する指標が高いブランドで、「安心度スコア」では前回に引き続き、首位を獲得。加えて、「認知度スコア」「利用度スコア」を除く全ての項目でスコアが上昇し、総合スコアを押し上げた。また、安心・安全イメージの元となった情報源では、テレビや実際の体験などからが圧倒的ではあるものの、「食に関するクチコミサイトや評価サイト」「企業や店舗のホームページやインターネット広告」「ソーシャルメディア上の企業・商品のアカウント」がわずかに上昇した。

3位には、前回に引き続き「カゴメ」。4位には、前回1位のサントリー。サントリーは「利用度スコア」を除く、すべての項目でスコアを下げた。特に「安心度スコア」(今回65.2、前回69.8)、「安全度スコア」(今回64.3、前回69.4)は4.5ポイント以上、低くなった。

食料品を購入する際、「原材料」や「成分」に関する表示を見る人は69.7%、2015年4月から施行された「食品表示法」を知っている人は74.6%

2015年4月から新たに施行された、「食品表示法」(これまで食品の表示として定められていた「食品衛生法」「健康増進法」「JAS法」の3つの規定を一本化したもの)にまつわる設問について、まず、「生鮮食品以外の食料品を購入する際、その食品の「原材料」や「成分」に関する表示を見ることがあるか」を4段階で尋ねたところ、「確認する(「必ず確認する」+「概ね確認する」)」人は69.7%。男性より女性が、その中でも特に子を持つ親に限定すると、75.4%と高い。(図表2

また「食品表示法」の認知については、「認知者(「施行内容まで詳しく知っている」+「ある程度知っている」+「名前は聞いたことがある」)」は74.6%。男女とも年代があがるほど、認知者の割合が高まり、女性60歳以上では、78.3%に達する(図表3)。

併せて、「食品表示法」の主な変更点である7項目について、食料品の購入時の役立ち度を「とても役に立つ~役に立たない」までの5段階評価で尋ねたところ、「役に立つ(「とても役に立つ」+「やや役に立つ」)」が最も高かったのは「原材料と添加物を明確に区分した表示が義務付けられた」で、60.0%。続いて「一部例外を除き、製造業者や加工業者の名称(氏名)、所在地の表示が義務付けられた」「特定原材料の表示が義務付けられた」「栄養成分の中で、エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、食塩相当量の5つの表示が義務付けられた」が5割を超えた(図表4)。これまで以上に、消費者の原材料に対する目が厳しくなりそうだ。

1. 7つの評価指標

「認知度」「利用度」「利用意向度」「推薦意向度」「安心度」「安全度」「イメージ」の7指標

2. 食の安全・安心企業ブランド総合スコア

上記7つの指標の偏差値を合計しさらに偏差値化した数値を「食の安全・安心企業ブランド総合スコア」としている

3. 安全性などへの取り組み姿勢を評価する指標

原材料の産地を明示している、環境に配慮している、などの回答から算出。本調査では、「イメージ」と呼んでいる。

図表1. 食の安全・安心企業ブランド総合スコアTOP20(160ブランド中)
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図表2. 食料品購入時の「原材料」や「成分」に関する表示の確認有無(性別の評価)
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図表3. 「食品表示法」の認知(全年代の評価)
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図表4. 「食品表示法」の主な変更点7項目は、食料品の購入時に役立つか
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食の安全・安心企業ブランド調査について

調査目的 国内の主要な食品関連ブランドについて、消費者から見た「食の安全・安心」イメージや実態を知ると同時に、危機管理やマーケティング活動などの参考となるデータを収集する
調査手法 インターネット調査
調査対象 日経BPコンサルティング調査モニター、日経BP社が運営するネットメディア登録者、提携調査会社の調査協力者など
有効回答数 11,401件(有効回答を、人口推計(*)の性・年代別に合わせて補正。ウエイトバック後の有効回答数は、11,702人[男性5,972人、女性5,731人])
* :人口推計平成27年4月確定値
調査対象ブランド 国内の主要な「食」関連の160企業ブランド(製造、外食、中食、宅配、PB、CVS)
調査実施期間 2015年10月14日(水)~10月22日(木)
調査企画・実施 日経BPコンサルティング

日経BPコンサルティング:日経BP社全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9,000万円)

このリリースに関するお問い合わせ

株式会社 日経BPコンサルティング ブランドコミュニケーション部
山本爽子、石原和仁
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