大学サイトの7割がスマ-トフォン対応に
―― 総合スコア・ランキングは富山大学が1位を堅守、2位に名古屋市立大学 ――

2015年10月28日

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、大学Webサイトのユーザビリティ(使いやすさ)を評価した「〔PC編〕全国大学サイト・ユーザビリティ調査 2015-2016」の結果をまとめた。対象大学は、国立・公立・私立の213大学サイト。総合スコア・ランキングではトップ10の顔ぶれのうち4校が入れ替わった。一方、スマートフォン・サイトについては、私立大学の8割が対応。前回調査で3割にとどまっていた国公立大学も、今回は5割まで進んだ。

調査結果のポイント

  • 総合スコア・ランキングは、1位が富山大学(国立)、2位が名古屋市立大学(公立)、3位が長崎県立大学(公立)。トップ10には新たに東京工科大学(私立)など4校が顔を出した。
  • 検索サイトからスムーズにアクセスできるスマ―トフォン・サイトを提供している大学は7割。私立と国公立の別で見ると、私立は8割に達し、国公立も5割まで上がった(※)。

本調査の発行に合わせ、姉妹編となる 〔スマホ編〕全国大学サイト・ユーザビリティ調査2015-2016 を発行した。

調査結果データ

《総合スコア・ランキング》
富山大学が1位、名古屋市立大学が2位に ―― スコア上昇率1位は沖縄大学

総合スコア・ランキング1位は富山大学(国立)、2位は名古屋市立大学(公立)、3位は長崎県立大学(公立)だった。富山大学は前回に引き続き、唯一90ポイント台の総合スコアをマークして、トップを堅守した。2位の名古屋市立大学は前回の4位からランキングを上げた。3位の長崎県立大学も前回の10位から順位を上げている。新たにトップ10に入った顔ぶれは、東京工科大学(4位)、北海学園大学(8位)、沖縄国際大学(9位)、および大谷大学(10位)の4校。

トップ10の大学サイトはいずれもユーザビリティの高いサイトばかりだが、そのなかでスコアを上げたサイトに注目するとコンテンツ・ページ(情報提供ページ)の充実を図る動きが目立つ。例えば、名古屋市立大学と東京工科大学は就職情報の充実を図っており、富山大学、長崎県立大学、北海学園大学は交通アクセスのページをさらに分かりやすく改善している。特に東京工科大学は、メインコンテンツの診断指標において満点を獲得するほどの充実ぶりだ。使いやすさが一定のレベルに引き上げられた大学サイトでは、情報提供に力を入れる余裕が生まれるのかもしれない。

スマートフォン・サイトを提供する大学は、今回の対象サイト213校のうち146校(7割)に上った。5割だった前回調査から40校が新たに増えた。私立と国公立の別で見ると、私立は6割から8割に、国公立は3割から5割に増えている。スマートフォン・サイトの立ち上げを機にスコアを大きく上げているサイトが目立つ。沖縄大学は23ポイント、愛知工業大学は18ポイントも前回からスコアを上げている。PCサイトも同時にリニューアルし、その際、ユーザビリティが改善されたようだ。

参考資料

●総合スコア・ランキング、ベスト10 (2015年)
図表1  Webブランド指数 総合ランキング トップ50

■「全国大学サイト・ユーザビリティ調査」

サイトの使い勝手を第三者の立場で客観的にチェックできる項目や、大学サイトに必要と思われる項目から成る審査基準を日経BPコンサルティングが作成。この審査基準に従い、調査員が実際に大学サイトを閲覧しながら調査した。審査対象ページは原則としてトップページおよびトップページにリンクのあるページ。

調査対象サイトは、全国の国立大学68校、公立大学19校、私立大学126校。対象サイトは、国立大学、公立大学、私立大学のそれぞれについて、学部学生数の上位大学を中心に、日経BPコンサルティングの判断で独自に選定した。なお、医科大学、歯科大学、薬科大学、獣医大学、畜産大学、保健大学、芸術大学、体育大学などは総合大学に比べてサイト構造がシンプルでユーザビリティも高くなる傾向があるため、対象から外した。

(調査実施期間:2015年6月下旬~9月上旬)

■「総合スコアの算出方法」

以下に示す8つの診断指標の下、合計で70の審査項目を用意した。

  • トップページ・ユーザビリティ:トップページの使い勝手を評価するカテゴリー
  • サイト・ユーザビリティ:サイト全体が使いやすい構造になっているかどうかを評価するカテゴリー
  • スマートフォン対応:スマートフォンに最適化したページを用意しているかどうかを評価するカテゴリー
  • メインコンテンツへのアクセス:受験生を中心にした利用者の関心が高いコンテンツについて、トップページから探しやすいかどうかを評価するカテゴリー
  • サイト内検索:大学サイトでよく使われるキーワードで、期待するページが検索上位に表示されるかを評価するカテゴリー
  • アクセシビリティ:視覚障害者を中心に誰にでも使いやすいサイトかどうかを評価するカテゴリー
  • インタラクティブ:交通アクセスや問い合わせなど大学との交流を促す情報を評価するカテゴリー
  • プライバシーポリシー:サイト利用者が個人情報を提供するときに見る保護方針を評価するカテゴリー

各審査項目についてクリアすれば「1」点、そうでなければ「0」点と採点。総合スコアは、これら審査項目の点数に重み付けをして、合計100点満点でスコア化した。

■姉妹編 〔スマホ編〕全国大学サイト・ユーザビリティ調査2015-2016 について

スマートフォンで見たサイトの見やすさ、操作のしやすさ、サイト内検索の精度などを診断する調査。診断基準は、米Appleや米Googleのアプリ開発者向けガイドラインなどを参考に、日経BPコンサルティングが独自に作成した。対象サイトは〔PC編〕の213大学サイトのうち、スマートフォン・サイトを提供している146大学サイト。
ニュースリリース
報告書の内容

■日経BPコンサルティング

日経BP社全額出資子会社。「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(本社:東京、設立:2002年3月1日。資本金:9000万円)

このリリースに関するお問い合わせ

日経BPコンサルティング ブランドコミュニケーション部  橋本敏彦

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