日本ブランドはSONY、HONDAや、流通系が健闘 アジアのローカル・スマートフォンブランドが台頭
――― 「ブランド・アジア2015」の結果を本日リリース ―――

2015年04月17日

株式会社日経BPコンサルティング(所在地:東京都港区、代表取締役社長:戸田 雅博)は、アジア11地域を横断する、ブランド価値評価調査プロジェクト「ブランド・アジア2015」(*)の結果をまとめ、日本では2015年4月17日に調査結果報告書を発行・発売する。

この調査は、アジア11地域にて、個々のブランドが持つ好感度、役立ち度、品質感などのイメージを測定し、地域差の有無やイメージ傾向などを把握。主要なブランドの総合力を横断的に算出し、評価した。

日本勢はSONYとHONDAの2ブランドのみがトップ10にランクイン

グローバル・ブランド80のブランド総合力平均ランキングの結果を表1にまとめた。前回同様、Apple、SAMSUNG、Googleなどスマートフォンと関連のあるブランドがアジア地域全般で高いブランド力を獲得しているが、今回はそれに加えMicrosoftが4位に食い込んだ。また、総合力平均ランキングからは、SONYとHONDAの日本勢が引き続きアジア地域で平均的に広く評価されていることが伺えた。しかし、トップ10の中で日本ブランドはこれら2つのみであり、アジア地域における日本ブランド全体に対する評価の底上げが、課題として残った。

台湾・タイで高評価の7-ELEVEn

7-ELEVEnは、台湾で30年以上前から事業展開している。今回調査対象とした11地域のトップ10を表2にまとめたが、台湾での総合スコアは68.2と極めて高く、全体でも5位に入り、現地への定着度の高さが目立った。また、タイではコンビニエンスストアを示す語として「セブン」という語が用いられるほど7-ELEVEnの同地での存在感は高いが、13位と上位にランクインした。

マレーシアでのAEONの順位も高く12位。同ブランドはマレーシアで数多くのショッピングモールを展開しているほか、植林などの環境保護活動を通じてマレーシアの自然回復に積極的な点が評価されたようである。

ローカル・スマートフォンブランドの台頭: 小米科技とMicromax

インドを除く全ての地域で、AppleあるいはGoogleがベスト10にランクインしている。だが両社の相対的順位は地域によって変わる。今日のスマートフォンの時代において、それぞれの陣営を代表する2ブランドが覇を争っていることが伺える。また、総合力平均ランキングで3位のSAMSUNGも、インドやフィリピンなどで1位を獲得するなど健闘しており、今後の展開が注目される。

「スマートフォン時代」の到来が明らかとなった前回調査の結果を受け、今回調査では小米科技(Xiaomi)を中国の、Micromaxをインドのローカル・スマートフォンブランドとして評価対象とした。結果は両者共に総合スコアが60.0を超える高評価となり、ローカル・スマートフォンブランドが台頭しつつあることが明らかとなった。

LCCの雄、AirAsiaはマレーシアで6位の高評価

今回調査では、AirAsiaやインドのSpiceJetなどのLCCもローカル・ブランドとして各地域で調査対象とした。

その結果、全地域を通してのブランド力総合ランキングではAirAsiaの評価は中位グループにとどまったものの、マレーシアでは総合スコア64.9の高スコアで6位にランクインを果たした。これは同国のフラッグキャリアであるMalaysia Airlinesを大きく上回るものである。

ASEAN全域でのスマートフォンなどの情報機器のさらなる普及など、極めて速い速度で変化と進化を日々続けるアジア市場における、地域横断的な信頼あるブランド評価の必要性が叫ばれている。弊社では、「ブランド・アジア」プロジェクトを中心として、アジアに向けて次の一手を打とうとする企業に対して、これからも常に価値あるデータを提供していく予定である。

■「ブランド・アジア 2015」について

中国、インド、インドネシア、日本、マレーシア、韓国、フィリピン、台湾、タイ、ベトナム、トルコのアジア11地域において、一般消費者を対象とする定量アンケート調査を実施した。各地域で調査対象となるブランドは、全地域共通で調査する80のグローバル・ブランドと、地域固有のブランドを中心に各地域独自で選定した40のローカル・ブランド、あわせて120ブランドである。なお、インドでは60のローカル・ブランドを評価対象としたため合計評価対象ブランド数は140、ベトナムでは60グローバル・ブランドと40ローカル・ブランドの合計100ブランドの調査を行った。なお、今回調査では、ブランド総合力の算出に関係する16項目のほか、「地域や社会に貢献している」などのCSRイメージを新たに聴取。前回加えた「購入したい」「他者に勧めたい」など、ブランドに対するロイヤルティ(忠誠度)についての5設問と、各ブランドの情報にどの様なメディアで接触しているか、その経路をたずねる設問も引き続き尋ねた。2014年12月~2015年1月に実施。

日経BPコンサルティング:日経BP社全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9,000万円)

表1:グローバル・ブランド80のブランド総合力平均ランキング(上位10)
※ブランド名隣の矢印は前回順位からの変動
表1:グローバル・ブランド80のブランド総合力平均ランキング(上位10) クリックで拡大
表2:ブランド総合力ランキング(地域別トップ10)
表2:ブランド総合力ランキング(地域別トップ10) クリックで拡大

調査概要

  • 調査名称:
    ブランド・アジア 2015
  • 調査目的:
    ・アジア11地域(中国、インド、インドネシア、日本、マレーシア、韓国、フィリピン、台湾、タイ、トルコ、ベトナム)における主要グローバル・ブランド80(ベトナムは60)のブランド力を調査・測定。個々のブランドが持つ好感、役立ち度、品質感などのイメージや顧客ロイヤルティについて、地域差の有無やブランド力の傾向などを把握する。
    ・ベンチマークとして、地域固有のブランドを中心に各地域独自で選定した40のローカル・ブランド(インドは60ブランド/グローバル展開するブランドも含まれる)も、該当地域において、調査対象とした。
    ・本結果を、各企業のブランディング施策に活用できる形で提供する一方、市場内外におけるどのような事柄がブランド力に影響を与えているかなどの基礎研究に資する。
  • 調査の方針と構成:
    ブランド・アジアでは、15年目を迎えた日本最大規模のブランド価値評価調査「ブランド・ジャパン」の評価・分析手法を採用した。ブランド総合力の算出にあたって基礎データとなる調査項目の設定や、総合力算出のための共分散構造分析の実施などが共通しており、これまで弊社が蓄積してきたブランド力算出のノウハウを活用している。ブランド・アジアは、アジア11地域の消費者を対象にしたブランド価値評価調査であり、アジアの「生の声」を採取している。
  • 評価・分析にあたって:
    ブランド総合力の算出にあたって、豊田秀樹氏(早稲田大学 文学学術院教授)のお力をお借りしている。
    早稲田大学 文学学術院教授 豊田秀樹氏
    心理統計学、教育測定学、マーケティング・サイエンス、統計学のエキスパートとして「ブランド・ジャパン 2002」から結果分析を担当。「ブランド・アジア」プロジェクトでも、初回調査の「ブランド・アジア 2012」から結果分析を担当する。著書に『SASによる共分散構造分析』(東京大学出版会)、『購買心理を読み解く統計学』(東京図書)などがある。
  • 調査対象ブランドについて:
    ・各地域において、合計120ブランドを調査対象とした。(インドは140ブランド、ベトナムは100ブランド)
    ベトナムを除く10地域・・・共通して調査する80のグローバル・ブランド(ベトナムは60ブランド)
    インドを除く10地域・・・地域固有のブランドを中心に各地域独自で選定した40のローカル・ブランド(インドは60ブランド)
    (グローバル展開しているブランドも含まれる)
    ・共通する80ブランドの業種は、下記の10カテゴリーに限定している
    1 食品・飲料、2 日用品、3 衣料・ファッションアイテム、4 自動車、5 IT・家電、 6 インターネット関連、7 金融、8 飲食店、9 スポーツ関連用品、10小売、 11運輸・物流
    ※ローカル・ブランドでは、上記の業種以外に、「情報通信」「メディア・エンタテインメント」「その他」の分類がある
    全地域に共通する80のグローバル・ブランド
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    調査手法、回収数など
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  • 調査設問:
    ノミネートブランド1つ1つについて、以下の質問項目を用意し、YesかNoかで回答を得ている。

    1)「ブランド総合力」の算出に関係する設問
    知っている / 興味がある / 好きである、気に入っている / 親しみを感じる / なくなると寂しい /  共感する、フィーリングが合う / 最近使っている / 役に立つ、「使える」 / 品質が優れている / ステータスが高い /  かっこいい、スタイリッシュ / 他にはない魅力がある / 際立った個性がある / いま注目されている(旬である) 時代を切りひらいている / 勢いがある

    2)ブランドのCSR意識に関係する設問 (今回2015から新たに追加)
    地域や社会に貢献している / 環境に配慮している

    3)ブランドへのロイヤリティに関係する設問 (太字は今回2015から新たに追加したもの)
    最近使っており、満足している / 購入したい / 他者に勧めたい / 大ファンである、あこがれている / 生活を豊かにしてくれる

    4)ブランドの認知経路(情報接触メディア)に関係する設問
    テレビ / ラジオ / 新聞 / 雑誌 / Webサイト / SNS / ポスター・看板・交通広告 / 店頭・営業スタッフ

このリリースに関するお問い合わせ

株式会社 日経BPコンサルティング ブランドコミュニケーション部

菅原 啓

Tel.03-6811-8308 Fax.03-5421-9176

〒108-8646 東京都港区白金1-17-3 NBFプラチナタワー

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