LTE対応スマートフォン購入者の総合満足度1位は韓国LG製「Optimus LTE L-01D」 ~ ディプレイの精彩/精細さが決め手に ~
【LTEスマートフォンユーザー購入利用満足度調査】
2012年04月05日
株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区、戸田雅博社長)は、2012年3月16日現在発売されている高速の次世代携帯電話サービスLTE(=Long Term Evolution)に対応したスマートフォン4機種に関して、ユーザーの購入動機と満足度を「LTEスマートフォンユーザー購入利用満足度調査」としてまとめた。
今回の調査結果から、いずれの機種とも「データ通信速度の速さ」に対する期待の高さがLTEスマートフォン購入の動機の筆頭だった。それに続く購入の決め手は、韓国メーカーの「ディスプレイの精彩/精細さ」と日本メーカーの「防水機能」である。
購入者の総合満足度で1位となったのは、韓国LGエレクトロニクス製の「Optimus LTE L-01D」。購入の決め手となっている「ディスプレイの精彩/精細さ」に対する満足度がとりわけ高かった。
LTEスマートフォン購入の決め手は「データ通信速度が速いから」
LTE対応スマートフォンを購入する際の選択理由のトップは、「データ通信速度が速いから」。やはりLTEの魅力は「データ通信速度の速さ」であり、その点が、LTEのスマートフォンをユーザーが選択する最大の理由となっている。「データ通信速度の速さ」を選択理由に挙げた比率は、NECカシオモバイルコミュニケーションズ製「MEDIAS LTE N-04D」以外の3機種は、いずれも複数回答で6割を超えている(図1)。
その他の要素で共通して上位にあるのが、「デザインがよかったから」。特に富士通製「ARROWS X LTE F-05D」に関しては、購入者の40.5%(複数回答)がデザインのよさを選択理由に挙げている。
その他の選択理由に関しては、各メーカーが打ち出している各機種の特徴が選ばれている。韓国製の2機種で、サムスン電子製「GALAXY SⅡ LTE SC-03D」、LGエレクトロニクス製「Optimus LTE L-01D」は、ディスプレイの精彩/精細さが決め手になっている。また前述した日本メーカー製の2機種は「防水対応であるから」が「データ通信速度」に次ぐ2番目の決め手となっている。
総合満足度1位のLG製「Optimus LTE L-01D」、高解像度ディスプレイに高い評価
今回、LTEスマートフォンを購入したユーザーに、「データ通信速度/品質」、「ディスプレイ」、「操作性」、「機能」、「デザイン」の5分野で18項目に関してその満足度を6段階で評価してもらった。各項目の満足度をスコア化し、それに対するユーザー購入の決め手を加重計算することで総合満足度を算出した。
その結果、総合満足度はLGエレクトロニクス製「Optimus LTE L-01D」が38.0ポイントのスコアで1位となった。サムスン電子製「GALAXY SⅡ LTE SC-03D」が32.3ポイントで2位、僅差の32.0ポイントの富士通製「ARROWS X LTE F-05D」が3位という結果だった(図2)。
購入の決め手である「データ通信速度」では各機種差のない評価の中、「Optimus LTE L-01D」は、購入の決め手となっている「ディスプレイの精彩/精細さ」の満足度が1位で、「ディスプレイサイズ」でも満足度1位といったディスプレイ面での満足度が高い点が総合満足度1位の理由と言える。「ディスプレイの精彩/精細さ」については、60.4ポイントと、唯一60ポイント台の高いスコアだった。この機種の売りである「高解像度」HDディスプレイが、ユーザーの高い満足度につながったと言えそうだ。
「GALAXY SⅡ LTE SC-03D」は、「使い易さ/操作性」において高い評価
総合満足度で第2位のサムスン電子製「GALAXY SⅡ LTE SC-03D」は、「使い易さ/操作性」において30.1ポイントと高い満足度で、他機種に10ポイント以上の差をつけている。
富士通製の「ARROWS X LTE F-05D」は、防水、ワンセグといった「機能面」で選択され、その満足度が高かった。一方、NECカシオモバイルコミュニケーションズ製の「MEDIAS LTE N-04D」は、全体的に他社よりも低めのスコアとなっている。
なお今回、バッテリーの持ち時間に対する満足度は、各端末とも極めて低い結果であった。バッテリーの持ち時間は、LTE端末でも最大の不満点であり、最も改善すべき項目となっている。
iPhoneのLTE版が登場すれば、さらに市場は拡大
LTE対応のスマートフォンは2012年3月末現在、NTTドコモだけが提供しているが、年内には他の事業者からも提供される予定だ。さらに、LTE対応機種が発売されるのではないかということで噂になっている「iPhone5」が実際に登場すれば、LTEは今後さらに市場が拡大するだろう。「iPhone5」をはじめ、各メーカー、各通信事業者からのLTE端末が出揃ってきた時点で、あらためて本調査を実施したい。
(藤澤 一郎=日経BPコンサルティング シニアコンサルタント)
調査概要
「LTEスマートフォンユーザー購入利用満足度調査」は、NTTドコモのプレミアパネル(ドコモの会員組織「プレミアクラブ」の会員に対し、アンケートやプロモーション活動が行えるサービス)を活用したスマートフォンによるWebアンケートで、NTTドコモのLTE対応スマートフォン4機種の購入者に対して実施した。各機種200サンプル(計800サンプル)を回収した。調査期間は2012年3月19日~3月22日。各機種の購入者に対して、購入理由と、利用してみた結果の満足度に関して回答してもらった。
図1 LTEスマートフォン購入の際の機種選択理由(各機種:n=200)
<ユーザー満足度スコアについて>
■ 端末スペック/機能等に関する19項目について6段階評価(「非常に満足」:100ポイント/「満足」:50ポイント/「どちらかというと満足」:25ポイント/「どちらかというと不満」:-25ポイント/「不満」:-50ポイント/「非常に不満」:-100ポイント)。このポイントを平均したものを各項目の満足度スコアとする。上記各スコアは、各端末購入における選択理由の上位項目を8項目に集約したもの。
※「満足度スコア」: 非常に満足(n1):100ポイント、満足(n2):50ポイント、どちらかといえば満足(n3):25ポイント、どちらかといえば不満(n4):-25ポイント、不満(n5):-50ポイント、非常に不満(n6):-100ポイントとして、各満足度のn数(n1~n6)をかけ、全体のn数で割った値
「満足度スコア」=(100×n1+50×n2+25×n3+(-25)×n4+(-50)×n5+(-100)×n6)/n
(n=n1+n2+n3+n4+n5+n6)
■ 「ユーザー総合満足度」については、各端末購入における選択理由により加重平均を行い算出した(例えば、上記項目でGALAXYが機能面で低いスコアになっているが、ユーザーが購入の際の重視度が低いことから総合満足度算出において影響はほとんどない)
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