【東北3県応援企画-岩手・宮城・福島の魅力度調査】岩手来訪経験者の記憶に残る名産品トップは「南部煎餅」
―“旬感”調査―Trend Survey3カ月連続企画
2012年03月12日
株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、東日本大震災から1年が経ったことを受け、「復興応援企画」として、特に被害の大きかった岩手・宮城・福島の特産物や観光地など、その県ならではの魅力について一般消費者に尋ねる調査企画を3回シリーズで実施する。この調査は、日経BPコンサルティングが毎月実施している「トレンドサーベイ(Trend Survey)」(旬の製品・サービスブランドに関する調査)の一環として行われる。
初回の「岩手県に関するアンケート」は2012年2月8日~2月14日に実施。1万1810人から回答が集まった。本調査結果は、被災地の特産品や復興に取り組む企業・団体の紹介とともに「nikkei TRENDYnet」にて公開していく予定だ。
岩手の食べ物イメージ、トップは「おいしい」。岩手県民の気質は、「素朴で温かい」
岩手の名物を複数挙げ、行ったことがある人に食べた特産品を選んでもらったところ、「南部煎餅」がトップだった。行ったことがない人の知っている特産品としては「わんこそば」が1位になった(表1)。
また「岩手県の食べ物のイメージ」を自由回答で尋ねた結果、回答を寄せた人の3分の1以上が岩手県の食べ物を「おいしい」(3252件)と評価した。2番目は「海産物」で817件、3番目は「そば」で750件と続いた。岩手県に住んだことがある人からは、個別の料理名や食材名とともに「素朴」や「豊富」など、岩手の料理・食材の特徴を挙げる傾向が見られた。また、岩手伝統料理として「ひっつみ」「まめぶ汁」「へっちょこ団子」といった汁物に団子・餅を組み合わせた郷土料理を挙げる人も多かった。行ったことのない人では「塩辛い」「濃い」など、食べ慣れていないからか「強い味」のイメージが上位に挙がっている。
岩手県に行ったことがある人に、その時訪れた観光地を尋ねたところ、昨年、世界遺産に登録され話題になった「中尊寺」がトップに挙がった。岩手県に行ったことがない人に「知っているか」尋ねた質問でも、「知っている観光地」として1位となった。
同様に、岩手県民の「県民性」について自由に記述する設問では、「素朴」(1177件)が最も多く、続いて「我慢強い」(687件)、「まじめ」(593件)、「おだやか」(540件)、「あたたかい」(510件)、「やさしい」(392件)となった(表2)。
「復興への一言メッセージ」として収集した自由回答では、「行ったことのない三陸になんとしても行ってみたい。一日も早い観光復興を祈ります」「何度も再生してきた歴史のある街、必ず、復興、新生されると信じています」「地元の方が望まれている復興後の形を発信してほしい」など全国から7000件近い応援メッセージが集まった。一方、現在岩手に住んでいる回答者からは、その励ましに応えるように、「沿岸地域の復興にはまだまだ時間がかかりそうですが、あの震災のこと、被災者のことはいつまでも忘れないでください」「私たちみんな一人ひとりが前を向いて進もう!」「一緒に復興を成し遂げましょう」といった声が寄せられている。
(岡田華織=日経BPコンサルティング 調査・開発部 アナリスト)
*Trend Survey
毎月1回、ある商品/サービスカテゴリーを1つフォーカスし、そのカテゴリーに属する有力ブランドの評価を消費者調査の結果を元に行うプロジェクト。「nikkei TRENDYnet(日経トレンディネット)」(http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20080303/1007658/)に結果を公開している。
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