九州大学が、九州・沖縄・山口の主要大学55校の中で「大学ブランド偏差値」第1位。教育関連従事者の評価：「資格取得に積極的な」中村学園大学、「広報活動に力を入れている」崇城大学
―「大学ブランド・イメージ調査 2011－2012」【九州・沖縄・山口編】（2011年8月実施）より―

2011年11月09日

日経ＢＰコンサルティング（東京都港区）は、2011年8月に実施した「大学ブランド・イメージ調査 2011-2012」*の結果をまとめ、本日（2011年11月9日）調査結果報告書を、発行・発売する。

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「首都圏」「近畿」のほか、「北関東・甲信越」「北陸・東海」「中国・四国」「九州・沖縄・山口」の6地域403大学を対象に、同地域在住のビジネス・パーソンや、中学生以上の子供のいる父母、また教育関連従事者の目線から調査したものである。大学の「認知度／認知経路」「採用意向度」「入学推薦度」や「子供の進学に対する意識」などのほか、大学や学生などに対する49項目に及ぶブランド・イメージを尋ねた。

九州・沖縄・山口編の「大学ブランド偏差値」（大学ブランドの総合力を示す指数）ランキング第1位は、96.3ポイントを獲得した九州大学で前回調査に続く首位(表1)。九州大学は、49のブランド・イメージ項目の内、27項目でトップとなり、圧倒的な強さを見せた。第2位は熊本大学（72.4ポイント）、第3位には福岡大学（65.4ポイント）が続いた。なお、6地域全体での403校を対象とした大学ブランドランキングでは、京都大学が第1位となった。

66校の大学ブランド偏差値の分布をみると、九州大学が突出したポイントを獲得。第7位の鹿児島大学から、第17位の筑紫女学園大学までが50ポイント台となり、それ以降の半数以上の大学は平均以下の40ポイント台となった。よって、下位の大学は、さまざまなステークホルダーに対して、自校の魅力がまだ十分に伝わっていない可能性がある。また、トップ10をみると国立大学が8校（九州大学、熊本大学、長崎大学、九州工業大学、鹿児島大学、琉球大学、福岡教育大学、山口大学）、私立大学が2校（福岡大学、西南学院大学）ランクインしている。他地域に比べ、国立大学の占める割合が多い。

教育関連従事者による評価：「資格取得に積極的な」中村学園大学、「広報活動に力を入れている」崇城大学、「礼儀正しい」の活水女子大学など、大学の特徴が明らかに

本調査では、大学の教職員など教育関連従事者にもブランド評価を依頼した。その結果から、各イメージ項目第1位になった大学をみると、その大学の特徴や「らしさ」が、より身内に近い関係者に、どの程度浸透しているかがうかがえる(表2)。例えば、「資格取得に積極的」では中村学園大学が第1位となった。栄養士や保育士の免許取得に熱心で就職に有利な学部・学科が揃っていることが評価されている。また、「広報活動に力を入れている」では、熊本県にある崇城大学が首位となった。「礼儀正しい、上品である」では長崎県の活水女子大学が、また「グローバル／国際交流が活発」では立命館アジア太平洋大学が、それぞれ第1位を獲得した。

大学ブランド偏差値の高い大学は、そもそも大学が知られているかどうかを示す「大学認知率」も高い傾向にある。しかし、学生数や学部・学科が少ないといった規模の小ささの影響で、認知率がそれほど高くない大学の中に、ブランド偏差値が平均の50を超えている大学もあり、「山椒は小粒でもピリリと辛い」を地で行く大学が存在する。まさに様々なステークホルダーに魅力ある大学として印象付けられている大学である。今回の調査では、立命館アジア太平洋大学や北九州市立大学、福岡教育大学などがそれに該当する。それらとは対照的に、認知率、ブランド偏差値ともに低い大学も少なくない。ブランドを大学経営の中で体系立って管理せず、解決すべき課題すら認識されていない大学である。少子化・全入時代のいま、自校のブランド育成の進捗を数値化して客観的にレビューすることが、まずは必要ではないだろうか。

（吉田健一=日経ＢＰコンサルティング ブランドコンサルティング部　次長/ブランドプロジェクト・マネージャー）

日経ＢＰコンサルティング：
日経BP社全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。

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