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研究員ブログ

記事1本1本に通信簿?オウンドメディアのPDCA

日経BP総研 ビジョナリー経営研究所 徳永 太郎

2017/09/07

 2016年、記事の盗用が相次いだ「キュレーションメディア」が問題になりました。最近では、虚偽の情報をばら撒く「フェイクニュース」が問題になり、いまネットメディアの信頼性が改めて問われる事態となっています。

 一般企業が自ら情報を発信したり、ブランドを強化したりする目的で、メディア企業などと共同して「オウンド(協業)メディア」を立ち上げる際にも、「信頼性」をいかに担保するかが重要になります。

 日経BP総研では、これまでに一般企業とともに、多くのオウンド(協業)メディアを開発・運営してきた実績があります。そこでは日経BP社が各種の雑誌やサイトを発行・運営してきたブランド力と、質の高いコンテンツを制作する力を高く評価していただいています。

 コンテンツ制作の現場では、質を向上させるために、実はいろいろな取り組みを進めています。コンテンツ制作にあたって、PLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(評価)、ACTION(改善)の4ステップからなるPDCAサイクルを回しながら、読者ターゲットにより刺さる記事を作り上げていく試みは、多くのメディアが取り組んでいることでしょう。

 日経BP総研がアサヒビールと共同で運営している情報サイト「カンパネラ」では、さらに一歩、進んだPDCAサイクルの実践にトライしています。そのほんの一端をご紹介しましょう。

検証する武器「MARTIN」

 カンパネラは、若年層の酒離れが進むなか、お酒を飲まない若い人たちにお酒や食の楽しさを伝えようと、「酒文化の啓発」「お酒や食によるコミュニケーション」をテーマに掲げた情報サイトです。アサヒビールにとっては、市場全体を活性化しながら、同時に自社の企業価値を高める狙いがあります。「アサヒビール」という社名をあえて前面に出さず、お酒を楽しむユーザーが増えて、さらにアサヒビールの製品も好きになってもらうようなサイトを目指したのです。

 カンパネラの読者層は幅広いものの、次世代を担う若いビジネスリーダー層やスタートアップを志すビジネスパーソン、働く女性を中核の読者ターゲットに据えています。このターゲットに、カンパネラ発の情報がきちんと届いているのか、それをPDCAサイクルで検証しているのです。

 検証する武器は、DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)「MARTIN」です。「MARTIN」はマーケティング基盤システムとして、日経BP社が独自に開発したもの。日経IDが持っている基本属性情報(性別、年代、企業、所属部署など)や、行動履歴情報(Webサイト閲覧履歴、購読、購買、セミナー・展示会申込情報)などのオンライン情報、オフライン情報を使って、ターゲットとする読者に適切なコンテンツを届けることができます。

読者の行動履歴を分析

日経BP総研がアサヒビールと共同運営する情報サイト「カンパネラ」

 カンパネラでは、ターゲットの興味を呼ぶだろうという仮説を基にした「戦略コンテンツ」を制作するところから始まります。その際、かつてカンパネラを訪れたターゲット層がどんな記事を読んでいるかという閲覧履歴を確認します。さらに日経ビジネスオンラインや日経ウーマンオンラインといった、カンパネラ以外のBP社の情報サイトでの閲覧履歴などもMARTINでチェックします。ターゲットの行動履歴を分析することで、その関心の傾向を洗い出しているのです。

 こうした情報を基に「戦略コンテンツ」を配信した後は、サイト内へのターゲットの訪問者数、ターゲットに人気があった記事、滞在時間などを確認します。

 それだけではありません。戦略コンテンツという1記事単位でも、閲覧者の属性やSNSなどからの流入経路といった様々なデータを検証して、ターゲットに刺さったかを丹念にチェックしているのです。

 記事一つひとつに通信簿を付けているようなもので、編集側は気が抜けません。それでも、検証結果は次のコンテンツ企画に生かされていきますので、この作業を怠ることはできません。このほかにも、読者へのアンケートを複数回にわたって実施し、コンテンツの評価やターゲットの飲酒頻度の変化なども浮き彫りにしています。調査回答者を捕捉し、態度変容(飲酒頻度増)を促していくこともトライしています。

 成果も出ています。カンパネラは月間PVが80万を超え、読者ターゲット層の流入も増加しています。ぜひ、カンパネラをご覧になって、通信簿での評定を受けた結果、どんなコンテンツが日々、生まれているかを読んでいただけたらと思います。

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