日経BPコンサルティング コーポレートサイト

メニュー

企業・製品ブランディングに効く周年記念サイト〈前編〉

  • 2016.12.19
企業・製品ブランディングに効く周年記念サイト〈前編〉

 あなたの会社は創業何年目ですか?
 突然聞かれると「えっ? 何年だったかな」と答えに窮する方もいるかもしれません。しかし企業ブランドの担当者は、今年は何周年にあたるのかを、常に意識しておくべきです。「周年」は、企業とってブランディングのチャンスだからです。
 周年を機に、企業が社史・周年史を制作することは、さほど珍しいことではありません。最近では周年記念サイトやWebコンテンツを発信している企業もよく目にします。Webサイトは、多くの企業にとって既存顧客との強い結びつきを持てる貴重な接点であり、ブランディングに有効な媒体だからです。
 そこで今回と次回、2回に分けて、企業・製品ブランドの向上に効く、周年記念サイトの事例を調べてみたいと思います。

周年が企業・製品ブランディングにチャンスなワケ

 企業にとって周年とは、社内外から注目を集めやすいタイミングであり、従業員や取引先、ファンといったステークホルダーに対するアピールのチャンスと捉えられます。「周年」「記念」という明確な旗印があるため、何を発信するにしてもステークホルダーに受け入れられやすく、社内の承認も得やすい状況といえます。
 企画においても、周年記念がテーマですから、会社・製品の歴史や創業秘話や苦労談、経営理念など、会社・製品の全体がコンテンツのネタの対象となり、企画を考えるヒントには事欠かない状態となります。

 周年がブランディングのチャンスとわかったところで、前編では、外向けのブランドアップに有効な3つの事例をご紹介します。外部の目にとまりやすく、閲覧してもらいやすい、企業・製品の魅力に溢れた周年記念サイトの好例です。

 これらのサイトは、業種もデザインも様々ですが、共通しているのは、読んでいるうちに自然に企業・製品への理解が深まり、興味や親しみが生まれてしまうサイトということです。

ターゲットを取引先やファンに絞り、企業・製品へのロイヤルティを育むサイト
  • 〈サイト例1〉ロードスター25周年 Mazda

    歴代モデル総覧と作り手のインタビューでロードスターのブランドイメージを伝達。製品ブランディングに効くサイト
    http://www2.mazda.com/ja/stories/history/roadster/roadster_25th/

    「世界で最も多く生産された2人乗り小型オープンスポーツカー」としてギネス認定され、根強いファンがいると言われる、マツダのロードスターの25周年サイト。「HISTORY」では、1989年発売の初代から、現4代目までのモデルや、数々の特別仕様車と限定車などすべての車両写真が年号とともに見られ、2人乗り小型スポーツカーとしての一貫したデザインポリシーを表現しています。「ロードスターの達人」では、シート開発者の座り心地へのこだわり、エンジンサウンド開発者のエンジン音への愛、デザイナーによるファンを魅了するデザインへの情熱など、作り手の熱い思いを伝えるインタビュー記事を数多く掲載しています。クルマと人の一体感、運転することの楽しさを追求するというロードスターのメッセージを、その世界観を表現したサイトに込めて、ファンに伝えていると言えるでしょう。

  • 〈サイト例2〉Yamaha Guitars 50th Anniversary NEVER STANDING STILL

    海外アーティストの演奏&愛溢れるメッセージビデオが秀逸。ヤマハギターファンの心をつかむ、製品ブランディングに効くサイト
    http://jp.yamaha.com/products/musical-instruments/guitars-basses/50th/

    ヤマハギターの誕生50周年サイトです。「アーティストボイス」では、海外アーティスト14名から、熱のこもった演奏とともにヤマハギターへの愛を語った、周年祝いのビデオメッセージが寄せられています。影響力ある第三者からの評判を、一般のファンのロイヤルティ向上に生かしたコンテンツとなっていると言えるでしょう。また、「ミュージアム」では1966年発売のものから現在に至るまで、すべてのアコースティックギター、エレキギター、エレキベースをピックアップしています。ファンならこだわるポイントを、実に簡潔にまとめたテキストと美麗な写真で収録した内容です。同サイトは、ヤマハギターは人々に感動を与え続けてきたという製品ブランドを体現しています。

  • 〈サイト例3〉トヨタ自動車 75年史 もっといいクルマをつくろうよ

    博物館にも負けない情報量と検索性、WebならではのUXでクルマの系譜を完全網羅。トヨタファンをとりこにする企業ブランディングに効くサイト
    http://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/

    圧巻なのは「車両系統図」です。Webサイトならでは、デジタルの機能を知り尽くした作りと言えます。膨大な数に及ぶトヨタ歴代のクルマすべてを、アニメーション効果をちりばめた動的な系譜図で一覧でき、キーワード入力などで検索もできるコンテンツだからです。実際の博物館で展示するとなれば、莫大な経費を要するところを、バーチャル、Webサイトならではの表現方法で実現した「図鑑」仕立ての好事例です。トヨタは常によりよいクルマづくりをめざし、日本のクルマの歴史を牽引してきた企業であることを、強く印象付けています。75年の歴史を、相当量の文章と資料、数字で読み解くことも可能。トヨタファンならずとも、クルマづくりへの熱意に引き込まれ、時間を忘れて読みふけってしまう充実ぶりです。

 さて、前編はここまでです。
 どのサイトも、企業の創業、もしくは製品の誕生から周年までの歴史を収録することはもちろんなのですが、単なる歴史紹介にとどまらず、お客様やファンに向かって、その会社・製品ならではのブランドイメージを伝えるメッセージが、コンテンツに練り込まれていることを、感じていただけたと思います。

 後編では、「実はいろいろある周年の数え方」にも触れながら、引き続き企業・製品ブランドの向上に効く、周年記念サイトの事例を見ていきます。

^