周年を機に創業者の考えを理論化(4)
アクティオ創業者 小沼理論「マネジメントとは」後編
2017年設立50周年を迎えたアクティオ。同社では周年を機に創業者・小沼光雄氏の知の体系化、見える化を実施し、ビジョンの浸透を社員に促した。当連載ではその「アクティオ50周年史」に掲載された「小沼理論 創造のセオリー」を再録。売り上げ2400万円の機械修理会社から、いまやグループ全体で約3000億円企業へと成長させた源泉を紹介する。
第4回は、マネジメント後編。ネットワーク、未来、ビジネスモデルについて語る。
領域拡大のネットワークを形成するM&A
アクティオはM&Aによって事業規模・業績を伸ばしてきた。特筆すべきは赤字経営だった企業がアクティオグループに入ると、黒字化を実現している点だ。
それは50年かかって築き上げてきた“アクティオ・マインド”と、ノウハウを共有することによって成し遂げられる。それぞれの得意分野や実績を生かし、お互いの理解と努力で化学反応が起こっていく。そんなM&Aによって新たな技術力と商品を手にし、アクティオネットワークは事業領域を拡大し続けている。
未来へ広がっていく財務戦略
アクティオはこれまで非上場を貫いてきた。それは上場するまでもなく安定した信頼と資産を築き上げてきたからだ。
さらに未来に向け、新たな価値・市場創造により成長資源を獲得し、三重いなべテクノパーク統括工場や東京DLセンターといった拠点構築により生産性アップとコスト削減の効率化を実現。そしてグループ全体では、約6000億円規模になるレンタル資産の償却が進むことで、アクティオの企業価値はさらに増大していく。アクティオが株式上場を果たすのは、単なる資金調達を超えた“意味”が見いだされたときになる。
経営を恒久化するエコシステムモデル
機械の価値は何もしなければ下がる一方である。しかし、あらゆる機械を技術力とメンテナンスで再生すれば、商品価値を70~80%で維持できる。また、国内需要を経た後も、例えば海外で機械を活用し、需要を再び創出する。
このようなエコシステム(生態系)を前提にしたビジネスモデルなら、いわば“慣性の力”によって好循環が生まれ、事業継続性と経営の恒久化実現が期待できる。
アクティオ 代表取締役社長(現・代表取締役会長)
小沼 光雄(こぬま・みつお)
株式会社アクティオ代表取締役会長兼CEO。大学卒業後、大手建設会社に入社。技術者として活躍したのち、独立。1台の水中ポンプを顧客に貸し出したことがきっかけとなり、レンタルが秘めるビジネスの可能性に気づき、建設機械レンタルを開始。