周年を機に創業者の考えを理論化(3)

アクティオ創業者 小沼理論「マネジメントとは」前編

2018.04.09

周年事業

  • アクティオ小沼光雄

    株式会社アクティオ 代表取締役社長(現・代表取締役会長) 小沼 光雄

2017年設立50周年を迎えたアクティオ。同社では周年を機に創業者・小沼光雄氏の知の体系化、見える化を実施し、ビジョンの浸透を社員に促した。当連載ではその「アクティオ50周年史」に掲載された「小沼理論 創造のセオリー」を再録。売り上げ2400万円の機械修理会社から、いまやグループ全体で約3000億円企業へと成長させた源泉を紹介する。

第3回は、マネジメント前編。事業戦略、組織づくり、財務、育成…。マネジメントがカバーすべき領域は多岐にわたる。複層的に絡み合う要素を解きほぐす。


不況に打ち勝つ組織構築

不況に打ち勝つ組織構築

経営者が示す明確なビジョンの下、社員一人ひとりが目標を持って仕事に取り組む。
そのモチベーションを支えるのがその成果を分かち合う報酬と、経営者側と築く“信頼”だ。

創業当初から共に働く社員のことを「家族同然に思う」。その思いは7000人を超えるグループ社員を有する現在でも変わらない。長年にわたって行っていたテレビCMは、広告宣伝よりも「忙しく働く社員の家族が見て安心してもらう」ことが目的だった。

不況においても安易なリストラを是とすることなく、新たな仕事を開拓して乗り切る。業績が伸びなくても社員に責任がないと判断すれば、ボーナスカットは行わない。その原資を調達するのは「経営者の責任」である。

業績が伸びれば経営者自ら「もっと出せるはずだ」と主張してボーナスを増額させる。全社員が参加する社員旅行では、数億円単位を投資。経営者のこうした「信じて与える」姿勢が、“運命共同体”として強固な組織を構築する。

そこでは企業の成長と自分の成長を重ね合わせることができ、社員の一人ひとりが自らの目標に向かって主体的に仕事に取り組み、ビジョンを実現していく。

危機的状況をチャンスに変える〈エンジン〉

危機的状況をチャンスに変える<エンジン>

オイルショック、リーマンショック等の経済・金融危機や阪神・淡路大震災、東日本大震災等の自然災害あまたの危機的状況を乗り越え、そのたびに成長を遂げてきたアクティオ。

操舵を行う経営者をサポートするエンジンが「人材」「資産」「商品」だ。やみくもに業績拡大だけを目指すのではなく、この3つのバランスを常に意識し積み重ねていく。

このマネジメントにより、経営者は組織を自在にコントロールできる。突発的な危機的状況に巻き込まれず、先手を打ってチャンスにするための最適解を導き出せるようになる。

次回、アクティオ創業者 小沼理論「マネジメントとは」後編に続く

小沼 光雄

アクティオ 代表取締役社長(現・代表取締役会長)
小沼 光雄(こぬま・みつお)

株式会社アクティオ代表取締役会長兼CEO。大学卒業後、大手建設会社に入社。技術者として活躍したのち、独立。1台の水中ポンプを顧客に貸し出したことがきっかけとなり、レンタルが秘めるビジネスの可能性に気づき、建設機械レンタルを開始。