独自調査に見るマーケティング業界のトレンド 第1回
コンテンツマーケティング、進んでいますか? ~守りの施策から攻めの施策へ~
2016年にコンテンツマーケティングは3割が注力
昨今のマーケティング関連で見逃せないのは、なんと言っても「コンテンツマーケティング」でしょう。まず、率直にコンテンツマーケティングがどのくらい取り組まれているのかを調査したところ、約29%のマーケターの方が、2016年に力を入れた施策として「コンテンツマーケティング」を挙げた結果になりました。
「Webサイト改修」が50%、「展示会などのリアルプロモーション」が45%を超える割合であることと比べると、少ないと感じる方も多いかもしれません。これは、コンテンツマーケティングが、伸びしろのある施策だからと捉えるべきなのでしょうか。それとも、既に下火になってしまったと考えるべきなのでしょうか。その答えを導き出すヒントを探して、もう少しだけ分析を続けます。
これからのマーケティング施策での変化
次に、マーケターの方々が2017年も継続したい、新たに取り入れたいと考えている施策を聞いたところ、約32%の方が「コンテンツマーケティング」と答えました(図1)。これは、「展示会などのリアルプロモーション」「Webサイト改修」に続く数値です。
では、力を入れる施策が2016年から2017年になるにしたがって、どのように変化したのかを見てみましょう。この1年で取り組む割合が最も増えた施策が「広告出稿」です。そして、「MAツールの導入」「展示会などでのリアルプロモーション」が続きます。コンテンツマーケティングは+3ポイントの伸び率でした。(図2)
一方で、先ほど2016年力を入れた施策のトップだった「Webサイト改修」をはじめ、「CRM整備」「メールマーケティング」「テレマーケティング」は今後取り組むと答えたポイントが減少しています。
取り組みが拡大している施策と、縮小している施策を分類すると、ある傾向が見えてきます。2016年から2017年で縮小傾向にある「Webサイトを整備する」「CRMを整備する」といった施策は、基盤を整えるいわば“守りの施策”でした。対して、拡大傾向にある「広告出稿」「MAツールの導入」「展示会などでのリアルプロモーション」といった施策は、それらの基盤を活用する”攻めの施策”であると考えられます。そして、「コンテンツマーケティング」は、その攻めの施策の一つとして位置付けられている、と言えるのではないでしょうか。
コンテンツマーケティングは決して下火になったわけではなく、これから攻めの施策を展開していく中で、取り組んでおくべき施策であると言えるでしょう。
ピンポイントから、文脈を重視した施策へ
では、2017年に取り組みが縮小したその他の施策「メールマーケティング」、「テレマーケティング」は、今後継続して縮小に向かうのでしょうか?私たちはそうではないと考えています。
確かに、メールマガジンを送るだけ、テレマーケティングを行うだけ、の「点」としての施策は効果は上がりにくく、縮小の一途をたどるでしょう。ですが、これらの施策も、コンテンツマーケティングの文脈の中で、効果的に活用すれば、顧客に響く施策となります。「点」であった施策をつなぐ「線」として期待されているのが、コンテンツマーケティングやABMと考えられます。それがこの調査結果から導き出せる結論です。
2017年、コンテンツマーケティングやABMと同じく、多くのマーケターが取り入れたいと回答した、MAツール導入ですが、「点をつないで線とする」ことを意識しないと、効果的な施策とはならない可能性があります。
MAツール導入を効果的な施策とするためには、何が重要なのでしょうか。第2回では、MAツールを選ぶ際に多くの方が重要視している項目、満足している項目などの調査結果から、MAツール活用時に陥りがちな2つの「穴」について、ご紹介していきます。
(コンテンツコミュニケーション・ラボ)
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調査概要
- 調査内容:勤務先でのマーケティングやマーケティングツールの活用状況についての調査
- 調査対象:勤務先でのマーケティング業務に関わる、マーケティング、広報ほか各部署の担当者
- 調査手法:Webアンケート調査
- 実査期間:2017年2月1日~5日
- 有効回収数:3,722件
- 調査実施機関:日経BPコンサルティング