周年を機に創業者の考えを理論化(6)
アクティオ創業者 小沼理論「マーケティングとは」後編
2017年設立50周年を迎えたアクティオ。同社では周年を機に創業者・小沼光雄氏の知の体系化、見える化を実施し、ビジョンの浸透を社員に促した。当連載ではその「アクティオ50周年史」に掲載された「小沼理論 創造のセオリー」を再録。売り上げ2400万円の機械修理会社から、いまやグループ全体で約3000億円企業へと成長させた源泉を紹介する。
最終回は、マーケティング後編。経営の核とコア・コンピタンス創出に迫る。
情熱とハートの経営が生む〈ブランディング〉
創業から常に経営の核となってきた、確かな技術力による品質保証。そして“レンサルティング”による顧客目線に立ったビフォー&アフターサービスの徹底。豊富な経験値と保有機械による圧倒的な建機稼働力で業界トップシェアを獲得してきた。
そして「経営の本質はヒューマニズムにある」と、時に義で動く“情熱とハートの経営”がアクティオの確固たる地位と信頼を築き上げた。今日この日も現場で稼働する真っ赤に塗られたアクティオの建機一台一台が、その唯一無二のブランドを構築している。
企業を形成する「ヒト」「モノ」「カネ」。重要なのは「ヒト」だ。教育や実技指導で社員の力を高め、「人財」となす。これこそが企業価値を高める変数となる。
未来に向けたコア・コンピタンスの創出
「10年後、20年後のアクティオは今とまったく違う仕事をしているだろう」と予言する。これまでの建機レンタル、レンサルティング、M&A、そしてIoT活用と、さまざまな領域で新しいビジネスをつくることでアクティオは事業を拡大し、成長を遂げてきた。「クオリティーを担保された数字の拡大は美学」である。
アクティオの成長に伴い業績は加速度的に大きくなり、推計約1兆3500億円の建機レンタル市場におけるアクティオのシェアはより高まるだろう。そのピークは“5000億円企業”。その骨組みとなるコア・コンピタンスを、事業承継までに確立する。挑戦は続く。「それもまた“1兆円企業”に至るまでの通過点の1つにすぎない」
アクティオ 代表取締役社長(現・代表取締役会長)
小沼 光雄(こぬま・みつお)
株式会社アクティオ代表取締役会長兼CEO。大学卒業後、大手建設会社に入社。技術者として活躍したのち、独立。1台の水中ポンプを顧客に貸し出したことがきっかけとなり、レンタルが秘めるビジネスの可能性に気づき、建設機械レンタルを開始。