周年を機に創業者の考えを理論化(2)
アクティオ創業者 小沼理論「経営者とは」後編
2017年設立50周年を迎えたアクティオ。同社では周年を機に創業者・小沼光雄氏の知の体系化、見える化を実施し、ビジョンの浸透を社員に促した。当連載ではその「アクティオ50周年史」に掲載された「小沼理論 創造のセオリー」を再録。売り上げ2400万円の機械修理会社から、いまやグループ全体で約3000億円企業へと成長させた源泉を紹介する。
第2回も引き続き、経営者とは会社においてどういう存在であるべきか。不可欠な能力や考え方、社会との関わりについて考える。
経営者を形成する〈5P〉の要素
経営者はどんな存在であるべきか。それは「自分でシナリオを書いて、演技をして、同時に観客でもある存在」である。
創業当初から自分で経営を考え、自分で営業をして、自分で修理作業を行い、自分でビジネスを大きくしてきた創業者ならではの言葉だ。これをフレームワーク化したのが「5P」。
計画立案から従業員、顧客、ステークホルダーに成果を約束し、自ら実践して仕事を前進させる。その繰り返しが経営者の“力”となる。
ビジョン実現の道しるべ
経営者は常に組織の先頭を歩き、現状に満足せずさらなる高みを目指す。登山に例えれば、「自分がいる高さから見える新たな世界を社員たちに伝え、登頂のための“登山道具”を用意すること」が経営者の仕事だ。
計画通りに登頂できれば、組織に対する外部からの信頼は強まり、組織も拡大する。さらに高い山を目指せる。これは同時に経営者自身の進化と成長をもたらす。この「正の循環」により、登るべき山はどこまでも高くなっていく。
アクティオ 代表取締役社長(現・代表取締役会長)
小沼 光雄(こぬま・みつお)
株式会社アクティオ代表取締役会長兼CEO。大学卒業後、大手建設会社に入社。技術者として活躍したのち、独立。1台の水中ポンプを顧客に貸し出したことがきっかけとなり、レンタルが秘めるビジネスの可能性に気づき、建設機械レンタルを開始。